ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

自己啓発・古典&定番

人を動かす・新装版

『人を動かす 新装版』1999/10
デール カーネギー (著), Dale Carnegie (著), 山口 博 (著)


(感想)
 自己啓発本の原点とも言われる本です。1937年(!)の初版本を改訂した1999年の新装版という古い本ですが、今でもとても役に立ちます。それは、著者のデール・カーネギーさんが人間の本質を深く理解していたからと、人間関係の基本的で重要なことは、「お互いを尊重しあう」など、その頃とあまり変わっていないからだと思います。
 この『人を動かす』は、他人との接し方について教えてくれます。有名な自己啓発本なのですが、いきなりアパートに潜伏した犯人と百五十人の警官隊との銃撃戦から始まりまるのに度肝を抜かれました。この銃撃戦になる少し前に路上で警官を射殺した犯人が、乱戦のさなかに関係者に書いた手紙の内容は「私の心――それは、疲れ果てた心であるが、やさしい心である。だれひとり人を傷つけようとは思わぬ心である」だったそうです。
 このエピソードでカーネギーさんは、人は批判や苦情で心を変えることはないと言います。「人を非難する代わりに、相手を理解するように努めようではないか。(中略)その方がよほど得策でもあり、また、おもしろくもある」
 タイトルの『人を動かす』秘訣は、「みずから動きたくなる気持ちを起こさせることだ」そうです。その他にも、相手に好かれる方法、自分の考え方に相手を引き込む方法、相手の感情を害することなく、あるいは恨みを買うことなくその人の考え方を変える方法など、社会人の持つべき心構えとして、とても参考になることを色々教えてくれます。
 そして、この本の素晴らしいところは、具体例が豊富で生き生きしていることです。デール・カーネギーさんは長年「話し方教室」をしてきているので、人に耳を傾かせるための話し方が身についていて、とても分かりやすいのでしょう。かたい内容の自己啓発書なのに、一気に読めてしまいます。これから社会人になる方には、ぜひ一度読んでいただきたいと思います。

人を動かす2

『人を動かす2:デジタル時代の人間関係の原則』2012/11
D・カーネギー協会 (編集), 片山 陽子 (翻訳)

 この『人を動かす2』は、自己啓発本の原点『人を動かす』の正統な続編という位置づけなのですが、人間関係の原則には大きな変更や追加はありません。『人を動かす』の普遍的な原則を尊重しつつ、古いエピソードの一部を現代的な事例(オバマ大統領やスティーブ・ジョブズのエピソード、フェイスブックやブロガーの話)に置き換えて説明し直したもので、ネット時代に合わせた話になっているので、より現実的に感じられるのではないかと思います。
 ただし、その現代的エピソードは、自分自身の経験に基づいたものというよりは、他の人の本からの引用が多いので、生き生きした具体例が豊富な『人を動かす』より、迫力に欠ける面もありますが、たとえば、審判の誤審でパーフェクトゲームを失ってしまった2010年の「パーフェクトゲーム盗難事件」で、謝罪に来た審判に気高い態度を示したガララーガの話など、とても感動的な話も追加されています。
 その他にも、他の人が提唱している技術(例えば、フェイスブックのシャーリーン・リーの「回復力の強いチームを作るためにリーダーに出来る5つのこと」など)のエッセンスを紹介してもくれるので、とても参考になると思います。
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 カーネギーさんの他の本『カーネギー 心を動かす話し方』に関する記事もご覧ください。
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 カーネギーさんの本には、この他にも、人気の自己啓発本の3冊セットの『新版 ハンディーカーネギー・ベスト(3冊セット): 「人を動かす」「道は開ける」「カーネギー名言集」』や、文庫版の『人を動かす』、『道は開ける』、『D・カーネギーの未来を拓く言葉: 真摯に生きるために大切な60の教え』、『【決定版カーネギー】道は開ける:あらゆる悩みから自由になる方法』、漫画版の『まんがでわかる D・カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」』、『マンガでわかる 新訳 道は開ける』があります。

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