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第1部 本

絵本づくり

きむら式童話のつくり方

『童話のつくり方(講談社現代新書)』2004/3
木村 裕一 (著)


(感想)
 童話を書きたいと思っている方に、ミリオンセラー続出の童話作家が教えてくれる、プロの作家になる方法です。内容も、文章マニュアルから童話論までと、これ一冊あると、なんとなく安心できるほど網羅的ですし、木村さんに女子大での児童文学の授業経験があるせいか、文章も、とても分かりやすく書かれています。
 例えば、「空想力は特別なものではない。空想をしたことのない人などいない。デートの約束をしたら、次の日ことを空想するでしょ?」と問いかけられれば、ああ、そうだな、それも空想力だな……となんだか気楽に感じてしまいます。このように、書いてあることは、わりと普通のことのような気もしますが、それだけに素直な気持ちで読めて、誰でもちょっと努力すれば童話作家になれるかも、と思わされます。
 なにより童話の作り方に関して、木村さん自身の経験に裏打ちされた具体例を教えてくれるのが、とても参考になります。『オオカミのごちそう』という童話を書いた時の、発想のきっかけを披露してくれたり、代表作『あらしのよるに』のエピソードを教えてくれたり、童話を書く練習には、他の人の作品の「その後」を考えてみるとか、パロディを作ってみるとかの方法がある、などの具体例を示してくれたりしています。
 この本は、童話を書きたいと考えている人への指南書になるだけでなく、童話を書いているけど行き詰まりを感じている人にも、なにか発想(の転換)のきっかけを与えてくれるかもしれません。
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 他の作家の本ですが、童話や絵本の作り方を教えてくれる本には、『童話を書こう!完全版』、『カレル・チャペックの童話の作り方』、『絵本の書き方―おはなし作りのAからZ教えます (朝日文庫)』、『絵本デザイン―あなたが感動の絵本を作るために』、『絵本をつくりたい人へ』、『絵本作家になるには』など、いろいろあります。
 また物語を作るのに参考になる本として、『「物語」のつくり方入門 7つのレッスン』、『創作力トレーニング』などもあります。

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