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第1部 本

「AI翻訳」で書く理系英語入門(森弘之)

『論文から技術文書まで 「AI翻訳」で書く理系英語入門 (ブルーバックス B 2329)』2026/5/21
森 弘之 (著)


(感想)
 AI翻訳による「破綻のない英語」を「正確な理系英語」に整える力とはどのようなものか? 「正確な理系英語」を出力させるための、日本語原稿作りの重要ポイントを、豊富な実例を交えて解説してくれる本です。
 ChatGPTやDeepL、GeminiやClaudeなど、急速に進歩したAI翻訳を使って「破綻のない英語」が簡単に書ける時代になっています。そんな生成AI時代の英語文書の新しい作成方法としては、次の段階を踏むと良いようです。
段階1)伝えたい内容の構成と論理を母語で徹底的に磨く
段階2)完成した内容をAI翻訳で英語化し、点検・修正する
 ……そしてAI翻訳により良い英文を書いてもらうためには、「翻訳前の日本語原稿の整備」が重要だそうです。例えば、日本語には主語がない文章がよくありますが、その部分に主語を入れてからAIに翻訳させた方が、間違いが少なくなるというようなことです。
・「AI翻訳に適した日本語」の書き方9つのポイント
1)主語を明確にする
2)曖昧な表現を避け、具体的で正確な記述にする(「あれ、それ」などの指示代名詞を極力使わない)
3)複雑で難解な表現や入り組んだ文構造を避け、読みやすくわかりやすい文章を書く
4)冗長な表現や不必要に長い文章を避け、簡潔な記述を心がける
5)「日本語独自の表現」と思われる語句をできるだけ言い換える。(ピタッと止まるなどの、擬態語、擬音語、感覚語を避ける。)
6)誤字・脱字などをすべて取り除く
7)慣用句や比喩表現を避ける
8)専門用語や略語は統一し、初出時に定義する
9)全角記号ではなく半角記号を用いる(英文はすべて、半角文字で書く必要がある)
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 なおAI翻訳時に、「生物学」などの分野を指定すると、各分野で慣例的に使われている言葉が適切に選択されやすくなるようです(この他にも、具体的なアドバイスが多数ありました)。
 そしてもちろん「出力された訳文を修正するときのチェックポイント」の方の解説もたくさんありましたが、その中で、とても参考になったのが、「最終確認」にもAI翻訳を利用するということ。英訳した原稿を、再びAI翻訳を使って日本語に翻訳し直すと、翻訳した英文の流れに不自然な点がないかを確認しやすくなるそうです……なるほど、これは良い方法ですね☆
 またGrammarlyなどの英文校正ツール(スペルミス、冠詞の選択、前置詞の選択、時制などを自動点検してくれるツール)も、とても使えそうです。
 この他にも……
・AI利用に関する企業や国のガイドラインを知る(AI翻訳利用禁止の場合もある)
・AI翻訳を利用するときは、次の2点を理解したうえで、そのつど情報の機密性に応じた対応をとる必要がある
1)入力内容が、インターネット経由で外部サーバーに送信される
2)入力内容が、AIの学習に使われる可能性がある(ただし、オプトアウトで回避可能)
 ……などの大事なアドバイスがありました。
 また生成AIを使う場合の大きな注意点として「ハルシネーション(AIが、一見もっともらしいけど、実は誤った内容を生成してしまう現象)」もあります。生成AIの出力する文章は自然で流暢なので、一見すると正しく見えてしまうことがあり、翻訳文の「内容のチェック」はとても大事です。そのチェックの方法についても、さまざまなアドバイスがありました。
 次のようにも書いてあります。
「(前略)AI翻訳は便利な「補助ツール」として位置づけつつ、以下の点につねに注意することが求められます。
・最終的な表現の確認や修正は人間が責任を持って行う
・機密性の高い情報はAI翻訳しないか、ある程度分割してからAI翻訳する
・AI翻訳のしくみとリスクを理解し、使いどころを見極める」
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・「AI翻訳が効率化をもたらすからこそ、書き手には批判的に物事を考える力、そして成果の正確性や安全性に対して責任を持つ姿勢が、これまで以上に求められます。」
・「AIが作成した英文は、一見自然に見えても、微妙なニュアンスや論理のつながりに抜けがあることがあります。それを見抜けるのは、執筆者自身の読解力です。」
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 そして「翻訳の核となる3つのポイント」は……
1)質のいい日本語原稿を用意すること
2)AIが出力した結果を鵜呑みにせず、しっかりと点検・修正すること
3)自分の専門分野を深く理解すること
 ……AI翻訳の大きな問題点「ハルシネーション」チェックのためにも、自分の専門知識を磨いておくことが、ますます重要になると思います。
『論文から技術文書まで 「AI翻訳」で書く理系英語入門』……AI翻訳の能力を最大限に引き出すポイントを、豊富な実例とともに詳しく解説してくれる本で、とても勉強になりました。理系英語を書く必要がある方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『「AI翻訳」で書く理系英語入門』