ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
医学&薬学
腎臓の教科書(髙取優二)
『腎臓の教科書 体液の循環・浄化から見る驚異の生命維持システム (ブルーバックス B 2307)』2025/9/18
髙取 優二 (著)

(感想)
1日に150から180リットルの体液を濾過し、水分・ミネラル・pHを調整する驚きの生命維持装置「腎臓」。365日24時間休むことなく老廃物の除去し、体液をとおして体の各器官のはたらきを調整している腎臓のことを、総合的に詳しく解説してくれる『腎臓の教科書』です。
「はじめに」には、次のように書いてありました。
「腎臓は、電解質と呼ばれる体内のナトリウムイオンやカリウムイオンなどの濃度のバランスを保つことで体液を弱アルカリ性に維持しています。このおかげでホメオスタシス(体の恒常性)が維持され、腎臓だけでなく、脳や心臓など全身の器官が正常にはたらくことができるのです。
老廃物の除去と体液の調整という、腎臓のおもな機能を果たしているのが、ネフロンという非常に複雑で精巧な腎臓の最小構成単位です。腎臓は背中側に2つありますが、合計すると約200万個のネフロンが、立体的に組み合わされています。そのため、腎臓は人体の中でも複雑な器官の一つで、もっとも再生することが難しいといわれています。」
*
腎臓は「老廃物の除去」をしているフィルターだと思っていましたが、それだけではなく、人体の中で必要不可欠な、とても重要な役割を果たしているんですね。
「腎臓の機能と構造」には、次のものがあるそうです。
・毛細血管が丸まった糸球体が、血液から老廃物などを取り除くフィルターの役割を果たす
・糸球体を包むボウマン嚢が、尿のもととなる原尿を受け止める
・ボウマン嚢からつながる尿細管で原尿に含まれる水分や栄養分が吸収され、血液の中に戻される
・老廃物や不要なものは尿として排泄される
・きれいになった血液は心臓に送られ、全身をめぐる
・糸球体・ボウマン嚢・尿細管をセットにしてネフロンと呼び、ネフロンが尿を作る機能単位である。
*
そして「腎臓の主な機能」は……
・老廃物の排泄
・体内の水分量と濃度を調節する
・血圧を調整する
・血液を弱アルカリ性に保つ
・赤血球の数をコントロールする
・ビタミンDを活性化させる
*
……生命現象、つまり体内で起こる化学反応は、すべて体液の中で行われているので、その水分量と濃度、血圧、弱アルカリ性の調整が正しく行われないと、脳や各臓器の働きに支障をきたすなど、身体全体に大ダメージを与えてしまうことになります……腎臓は、握り拳ほどの大きさで、左右に2つあり、重さはたった150グラムほどの臓器ですが……体内の化学反応を正しく行わせるための、とても重要な「鍵」となる臓器なんですね!
ところが、こんなにも大事な働きをしている腎臓は、30代をピークに減少し再生することはないそうです(涙)。60歳を過ぎると腎臓は1年で16立方センチメートル減少するといわれていて、慢性腎臓病の患者さんも約2000万人と、とても多いのだとか。
……うーん、ぜひとも自分の腎臓を大事にしてあげたいけど、そのためには何を?と思いながら読んでいたら、ちゃんと最後の「第9章 人生100年時代の腎臓のアンチエイジング」に、さまざまなヒントが書いてありました。その一部を紹介すると次のような感じです。
・食品添加物に含まれている無機リンの摂り過ぎは腎臓の機能を低下させる
・喫煙は血管を収縮させて腎臓の血流量を減らすので、腎機能障害が進む
・塩分・糖質過多も良くない
・食物繊維をたくさん摂取する
・運動には腎臓の機能を助ける効果がある(スクワット、かかと上げ、もも上げ、など)
*
……どうやら「一般的に健康に良い」と言われている生活は、腎臓にも良いようで安心しました。
『腎臓の教科書 体液の循環・浄化から見る驚異の生命維持システム』……腎臓の基礎から最新の医療情報までを総合的に解説してくれる本で、とても勉強になりました。ここで紹介した以外にも、腎臓の精緻な構造と老廃物を除去する巧妙なしくみ、神経ネットワークや内分泌ネットワークを介して行われている脳や腸、心臓といった全身の器官との連携、さらに、なぜそのような複雑なメカニズムを獲得したのかについての進化史的解説まであります。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
* * *
なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
Amazon商品リンク
興味のある方は、ここをクリックしてAmazonで実際の商品をご覧ください。(クリックすると商品ページが開くので、Amazonの商品を検索・購入できます。)
『腎臓の教科書』