ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
医学&薬学
休み時間の栄養学(海老原清)
『休み時間の栄養学 (休み時間シリーズ)』2025/10/24
海老原 清 (著)

(感想)
ヒトの身体をつくり、エネルギーのもととなる「栄養(素)」について研究する学問「栄養学」の入門書です。「Chapter1 栄養と健康」によると……
「(前略)栄養学とは「食品成分と生体との相互作用に関する科学」であり、「人類の健康への寄与をめざす学問」といえるでしょう。」
「栄養素とは食品の成分として摂取される物質で、つぎの1~3のどれかに該当するものをいいます。1.エネルギーを供給するもの、2.成長、発達生命の維持に必要なもの、3.欠乏すると特徴的な生化学的または生理学的変化を引き起こす原因となるもの。
栄養素は必要摂取量が多く必要な多量栄養素(マクロ栄養素:炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質)と必要摂取量が少なくて済む微量栄養素(ミクロ栄養素:ビタミン、ミネラル)の2つに大別できます。」
……だそうです。……実を言うと、この本は「食品にどんな栄養素があり、健康にいいのはどの栄養素か」を教えてくれる本だと思って読み始めたのですが、どちらかと言うと、「栄養素は人体でどのように吸収されるか」という、食品というよりは人体寄りの本だったのでした……。
栄養学は大きく、1.生物学や医学を基礎とした「ヒトの身体と栄養」の関係を学ぶ分野、2.公衆衛生学などの「社会環境と栄養」のかかわりを学ぶ分野、3.化学や生物学の手法で「食品の栄養成分」を解明する分野の3つに分かれているそうです。この本は、このうちの1を重点とした解説をしている本で……内容がかなり専門的で、一般向けというよりはコメディカル(医療・看護・栄養等)系の学生に向けた入門書だったのでした。
だから「消化器の構造と働き」などについて詳しい説明があります。
「消化器とは、口腔から始まり、食道、胃、小腸、大腸を経て肛門に至るまでの消化・吸収を司る消化管と、消化管に附属している器官(唾液腺、肝臓、胆嚢、膵臓)をさします。」
……そして、この後は各器官がどのように栄養分を消化・吸収するのかについて、具体的な部位名や化学物質での詳しい紹介がありました。各項目は1~4ページで構成されていて、イラストや図表も活用され、項目の終わりには「POINT」として要点が書いてあります。
例えば「Stage18 1日のエネルギー消費量」の「POINT」は次の通りです。
・人の総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく1.基礎代謝量、2.食事誘発性熱産生、3.身体活動量の3つに分けられる。
・基礎代謝量は生命を維持するために最低限必要なエネルギー。身体活動量は日常生活と運動によって消費されるエネルギー。
・食事誘発性熱産生は食事摂取後の代謝亢進により摂取した栄養素のエネルギーの一部が体熱となって消費されるエネルギー。
*
一般人として参考になったのは「Chapter11 ライフステージと栄養」。その一部を抜粋紹介すると次のような感じ。
・フォローアップミルクは離乳食で足りない栄養素を補完する目的で生後9か月以降に使用する乳児用調整粉乳である。
・幼児期は胃の容量が小さく、消化機能も未熟であるため、3回の食事では必要な栄養素をとることが難しいため間食が必要である。
・学童期は成人とは異なり、成長・発達が著しいので、エネルギー、タンパク質、カルシウム、鉄の摂取量が不足しないように注意が必要。
・思春期はエネルギーや栄養素の必要量が増加する。タンパク質が最も多く必要になり、カルシウムや鉄の十分な摂取も必要となる。
・成人期は食生活の改善と身体活動量の増加を心がけ、健康の維持と増進を図り、生活習慣病を予防することが大切。
・高齢になると臓器が徐々に小さくなるという形態学的な加齢変化があり、生理的機能が不可逆的に低下する。
・高齢者は噛む力が衰えたり、食欲が低下したり、偏食や欠食によって低栄養になりがちである。
・筋肉量の維持、筋力低下の防止のためには運動とともに栄養が重要。特に必要な栄養素はタンパク質とビタミンDである。
*
……なお、ここではごく一部だけを紹介していますが、「Chapter11 ライフステージと栄養」でも、各ライフステージについて、2~4ページで詳しい解説があります。
『休み時間の栄養学 (休み時間シリーズ)』……コメディカル(医療・看護・栄養等)系の学生さんに向けた栄養学の入門書で、学習の助けになるよう、各章末には練習問題もついています。短期間で要点を学ぶことができるよう、休み時間シリーズの特徴(見開き 2 頁 10 分で学習する)を生かして、ヒトの身体と栄養の関係が分かりやすくまとめられています。コメディカル系の学生さんはもちろん、興味のある方も、ぜひ読んでみてください。
* * *
なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
Amazon商品リンク
興味のある方は、ここをクリックしてAmazonで実際の商品をご覧ください。(クリックすると商品ページが開くので、Amazonの商品を検索・購入できます。)
『休み時間の栄養学』