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第1部 本

教育(学習)読書

知的複眼思考法(苅谷剛彦)

『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社+アルファ文庫 G 74-1)』2002/5/20
苅谷 剛彦 (著)


(感想)
 常識にとらわれた「単眼思考」を行っていては、いつまでたっても「自分の頭で考える」ことはできません。自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く……それが「知的複眼思考法」です。情報を正確に読みとる力。ものごとの筋道を追う力。受け取った情報をもとに自分の論理をきちんと組み立てられる力。こうした「基本的な考える力」の養い方を教えてくれる本です。
「序章」によると「複眼思考」とは……
1)複眼思考とは、ありきたりの常識や紋切り型の考え方にとらわれずに、ものごとを考えていく方法のこと。
2)「常識」にとらわれないためには、なによりも、ステレオタイプから抜け出して、それを相対化する視点をもつことが重要。
3)知識も大切だが、「正解」がどこかにあるという発想からは複眼思考は生まれない。
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「(前略)的確に、批判的に、情報を読みとる能力。問題を探し出す能力。素朴な疑問からスタートして、それを明確な問いとして表現する方法。問いの立て方と展開のしかた。論理的に自分の考えを展開する力。そして、なによりも問いをずらしていくことで隠された問題を探っていく方法」
 ……本書は、このような「複眼思考力」の向上のさせ方を、具体例を活用しながら分かりやすく教えてくれます。
 読書するときには、「批判的に読む」「鵜呑みにしない態度を身につける」などが大切だそうです。
 また「論理を明確にするためのコツ」は……
1)まず、結論を先に述べ、それから、その理由を説明するというスタイルをとる
2)理由が複数ある場合には、あらかじめそのことを述べておく
3)判断の根拠がどこにあるのかを明確に示す
4)その場合、その根拠に基づいて、推論をしているのか、断定的にいっているのか、わかるようにしておく
5)別の議論に移るときには、それを示すことばをいれておく
6)文と文がどのような関係にあるのかを明確に示す
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 そして「ディベート」は、「自分自身が賛成か反対かとは別に、相手の立場に立って考えるということが、複眼思考を身につけるうえでは大切なトレーニングとなる」など、自らの頭で深く考える方法を、さまざまな観点から具体的に教えてくれます。
 考えるときには、「なぜ?」という問いを立てることも重要なのだとか。というのも……
「「なぜ」という問いが重要なのは、問いの展開を可能にするからというだけではありません。それに加えて、原因と結果の関係、すなわち、因果関係を問うのが、「なぜ」という問いであるという点が、複眼思考にとって重要だからです。」
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 そして「第4章 複眼思考を身につける」では、まず「ものごとの二面性(多面性)に着目する」ポイントとしては……
1)目の前の問題(事象)は、どのような要因(要素)の複合かを考える(=分解)。
2)それぞれの要因の間にはどのような関係があるのかを考える(=相互作用の抽出)。
3)そうした要因の複合のなかで、問題としていることがらがどのような位置を占めているのかを考える(=全体の文脈への位置づけ)。
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 また「メタを問う方法」のポイントとしては……
1)「なぜ、それが問題なのか」に着目することによって、ある問題を問題と見なす視点は何かをとらえる。
2)同じようなことがらでも、問題にする視点によって問題のとらえ方や問題のしかたが違ってくることに着目する。
3)ある問題がクローズアップされることで、隠れてしまう問題がないのかに目を向ける。
4)さらに問題の文脈に目を向けるための方法として、
a)ある問題を立てることで、だれが得をするのか損をするのかに目を向ける。
b)当該の問題が解けたらどうなるか、を考える。
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 ……この他にも、さまざまな方法について自らの体験もまじえて教えてくれます。
『知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ』……自分自身の視点からものごとを多角的に捉えて考え抜く「知的複眼思考法」について、具体的に解説してくれる本で、とても参考になりました。
「読書は考える力をつける」として、巻末には「リーディング・ガイド(複眼思考教化のための文献紹介)」というページもあります。
 2002年発行の古い本ですが、2026年現在でも、とても役に立つ考え方だと思います。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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 なお、私が読んだのは単行本版(1996年発行)ですが、この本にはより新しい文庫版がありますので、以下の商品リンクでは文庫版を紹介しています。

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『知的複眼思考法』