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第1部 本
教育(学習)読書
読書嫌いを覚醒させる至高のブックリスト(横道誠)
『読書嫌いを覚醒させる至高のブックリスト (ちくまプリマー新書 511)』2025/12/10
横道 誠 (著)

(感想)
「読書が苦手」「長い文章を読めない」「名作の良さがわからない」……本が読めない人にこそ知ってほしい名作たちを、読書がつらかった文学研究者の横道さんが紹介してくれる本で、絵本・マンガから小説、学術書まで、面白さと読みやすさで選び抜いた本が50冊以上掲載されています。主な内容は次の通りです。
まえがき
第1章 読めない人も読める人も、絵本からはじめよう。
第2章 古今東西、マンガはいつも僕たちの味方だった。
第3章 「物語の魅力」の本質が児童文学でわかる。
第4章 ノンフィクションから透けて見える「生」。
第5章 小説をうまく読めない。でも楽しく眺めることはできる。
第6章 物語のように読める本で学問に触れてみる。
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「まえがき」には「読書のメリット」として、8項目が挙げられていましたが、そのうちの最初の5つを紹介すると次のような感じです。
1)ものすごくマニアックな世界を知ることができる
2)言語化能力を高めることができる
3)じぶんの気持ちを巧みに代弁してくれる表現をあちこちに発見できる
4)認知能力や論理的思考が向上する
5)異なる価値観への理解力の強化
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私自身は「読書嫌い」ではまったくなく、子どもの頃から読書好きなのですが、「読書嫌い」の人を読書好きにさせるほどの本に興味が湧いて、読んでみることにしました。
「第1章 読めない人も読める人も、絵本からはじめよう。」では、絵本が紹介されています。
「私の考えでは、絵本は本の世界で最強のジャンルです。そもそも本を読めない人たちにとって、読む気が湧かない最大の理由のひとつが、「イメージが湧かない」ということですよね。文字ばかりがダラダラと書かれている文章を眺めていても、具体的なヴィジュアルが浮かんでこない。だからすぐに退屈に感じて本を放り出してしまう、という人はとても多いと思います。
ずばり、絵本はその問題を最初からクリアしています。」
……なるほど、確かにそうですね! ここでは『そらいろのたね』『ぶたぶたくんのおかいもの』などの名作絵本が紹介されていましたが、次の『100万回生きたねこ』(佐野洋子)が気になりました。
「『100万回生きたねこ』は、小さな子どもの読者にとっては、ほとんど初めて死や別れを意識するという貴重な機会になります。おとなにとっては、人生のなかで直面してきた死や別れに思いを馳せさせ、涙ぐませます。人生の選択や優先順位を振りかえる契機になるかもしれません。非常に普遍的な、絵本史上の最高傑作級と言える作品です。」
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続く「第2章 古今東西、マンガはいつも僕たちの味方だった。」では、マンガについて……
「魅力的なマンガがあふれるほど氾濫している日本は、マンガに関心を抱く世界中の人々から羨望の的です。日本語を読めるようになって、なんとかして外国語に翻訳されていないようなマンガも読みたいと考えている外国人がたくさんいます。日本人として生まれて、日本語を読むことのできる私たちが、あえてマンガを読まないなんてことは、日本人に生まれた最大の利点を進んで放棄しているようなものです。ぜひ魅力的なマンガをたくさん読んでいくべきです。」
……大賛成です☆ ここでも『ルックバック』『11人いる!』『藤子不二雄?ブラックユーモア短編集』『ねじ式』など名作マンガが紹介されていましたが、気になったのは、読んだことがなかった『バーナード嬢曰く』(施川ユウキ)という作品。
「本書は、さわ子と彼女を取りまく3人の図書室仲間(さわ子に対して「ツンデレ」な振るまいをするSFオタクの神林しおり、読書好きでさわ子を気がかりにする遠藤、遠藤に恋心を抱いている図書委員の長谷川スミカ)の会話劇が中心となってすすみます。4人の会話は、古今東西の名著や読書スタイルを題材にした「読書あるある」ネタであふれていて、ニヤリと笑いを誘います。」
……「読書好き」には、より楽しめる作品なのかも(笑)。
そして「第3章 「物語の魅力」の本質が児童文学でわかる。」では……
「児童文学、ティーン向け小説、ライトノベルには、多くの場合、魅力的な挿絵がついていて、私たちが読み進める上でのイメージ形成を助けてくれます。なかばおとな向けの渋い小説に似ているのですが、なかば絵本やマンガに近いニュアンスがあるわけです。このあたりのフィールドで読書をするのがいちばん幸せに感じる、という読者はぜんぜん珍しくないと思います。」
……私自身はかなり早くから大人向けの本を読み始めてしまったので、このジャンルはあまり詳しくありませんでしたが、『杉森くんを殺すには』『初版グリム童話集』『ムーミン谷の仲間たち』『ねらわれた星』などが紹介されていました。
実はこの章には、このブックリストの中で一番気になった作品がありました。それは『杉森くんを殺すには』(長谷川まりる)という作品で……
「『杉森くんを殺すには』という書名の不穏さに対して誰もが眉をひそめることでしょう。物語はたくさんの章にわかれていますが、それぞれの章はゆっくり始まって、ページをめくるごとに不穏な空気が濃密になっていきます。なぜ結愛が杉森くんを殺さなければならないのか、その理由が一章ごとにひとつずつ挙げられていきます。その理由に私たち読者はしばしば面食らいます。なぜ結愛が杉森くんを殺さなければならないのか、すぐには納得しかねる説明も多いからです。しかし章が進んでいくと、私たちも次第に結愛が杉森くんを殺す必要があることに納得せざるを得ません。結愛の苦しい心情の深さに心を打たれて、彼女の傷ついた心に思いを馳せることになります。」
……えー、なんか、すごく気になりますが……読むのが怖いような気も……。
そして、この後の「第4章 ノンフィクションから透けて見える「生」。」では、自伝・エッセイ・ノンフィクションの中から、『まとまらない人』『口の立つやつが勝つってことでいいのか』『語学の天才まで1億光年』などが、「第5章 小説をうまく読めない。でも楽しく眺めることはできる。」では、『コンビニ人間』『五分後の世界』『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』『すべての、白いものたちの』『恥辱』などが、最後の「第6章 物語のように読める本で学問に触れてみる。」では、『決定版 日本という国』『正法眼蔵入門』『現代思想入門』『世界は贈与でできている』などが紹介されていました。
この中の「第5章 小説をうまく読めない。でも楽しく眺めることはできる。」は、膨大な本の中から「単純に読んでおもしろい」ことを基準に選択したそうです。ここでも、すごく気になる本がありました。それは『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』(泡坂妻夫)という本で……
「(前略)非常に独特な仕掛けをもっています。袋とじのページが続いていて、袋とじのまま読むと、短編小説が書かれているんです。そのあと袋閉じをペーパーナイフなどを使って――手でじょうずにちぎって開くこともできます――すべて開封すると、ミステリー小説が出現し、もともとあった短編小説は消えてしまうんです。巧妙な手品のような作品です。」
……この本は、『ヨギ ガンジーの妖術』『しあわせの書 名探偵ヨギ ガンジーの心霊術』『生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術』からなる3部作だそうで、それぞれ独自の仕掛けがあり、『しあわせの書』では、本の物理的構造を活用した驚くべきトリックが話題になったようです。小学生からシャーロック・ホームズなどを読み、学生時代は推理小説ばかり読んでいたこともある私ですが、なぜか泡坂さんには勝手に「大人向けの小説家」という印象を抱いてたので(苦笑)、読んだことがありませんでした。早速調べたところ、内容には賛否両論があるようでしたが、まだ手に入るようなので、これから読んでみようかな……。
『読書嫌いを覚醒させる至高のブックリスト』……「読書嫌い」の人のためのブックリストですが、読書好きにも、もちろん参考になります(笑)。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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