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第1部 本

健康&エクササイズ

やってはいけない睡眠の習慣(内山真)

『やってはいけない睡眠の習慣 (SB新書 729)』2026/4/8
内山 真 (著)


(感想)
 若い頃の眠りの悩みの大半は、眠る時間が足りていない「睡眠不足」ですが、40歳以降になると、なんだか眠れないという「不眠」に多くの人が悩まされます。眠りの悩みは、加齢とともに変わるそうです。
 睡眠研究の第一人者の内山さんが、眠りに悩む人生後半世代の睡眠の正解を伝授してくれる本で、主な内容は次の通りです。
序 章 間違いだらけの「睡眠の常識」――その頑張りが眠りを妨げる
第1章 眠れない夜の「やってはいけない」――「横になっていればいい」は大間違い
第2章 やってはいけない「休み方」――「夜はこう休むべき」という思い込みを手放す
第3章 生活リズムの「やってはいけない」――「早寝早起き信仰」にサヨナラ
第4章 やってはいけない「眠り方」ーー環境を気にしすぎると眠れなくなる
終 章 40歳からは「よく眠る」より「うまく眠ろう」――熟睡は毎晩ではなく「たまに」がいい
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 良い睡眠を得るために、夜に眠る前は「スマホ利用は厳禁!」、夕方以降のコンビニ寄りも「眠りを悪くするから」と禁止するアドバイスをよく読みますが、本書によると、科学的エビデンスから、これらは大して心配する必要はないそうです(そうだったんだ……)。
 眠れない時、人は不安になって、なんとか眠ろうと努力をしてしまいますが、眠れない時に抱く不安やその解消のための頑張りは、逆に眠れなくなるという負のスパイラルを招いてしまうそうで……これに対する本書のアドバイスの核心は、「睡眠についてはズボラで臨むくらいでちょうどいい。」なのでした(笑)。
「序 章 間違いだらけの「睡眠の常識」」には、次のように書いてあります。
・「(前略)年を重ねていくと、睡眠の質と量が変わります。眠りに入ってから朝に目覚めるまでの実質的な睡眠時間は短くなるのです。医学的に必要な睡眠時間は加齢とともに少しずつ減っていき、夜にまとめて眠ることのできる時間は六〇代を超えると六時間程度になります。また、年を重ねるほど深く眠っている時間の比率は低くなり、浅く眠っている時間の比率が高くなります。」
・「(前略)一度でも睡眠に悩んだことのある人生後半世代の人たちには、真面目すぎる姿勢で完璧な睡眠を目指すというより、できるところから自分に合わせて一つずつという“ゆるい”姿勢で睡眠改善を目指す習慣をつけていただきたいと思います。これができれば大方の睡眠問題は解決していくものです。」
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 それでも、不眠を解消したい人のために、ちゃんとアドバイスもしてくれます。そのうちのごく一部を紹介すると次のような感じ。
・夜に眠るために昼に行うべきこと(昼と夜のメリハリをつけるのが重要)
1)太陽の光を浴びること
2)運動すること
3)食事
 ……このうち「食事」は、普通に食事をする時間にすればよくて、寝る直前にする必要はないそうです。実は、食後に眠くなるのは「昼食時」だけで、この眠気は体内時計の仕組みで訪れるもので、「お腹に血液が行って、脳にいく血液が減る」からではないのだとか! ……そうだったんだ……食事時間とは無関係に、脳の血流は常に一定に保たれているそうです。
 この他にも……
・眠れないときには、むしろ何かをやってみよう(読書するなど)
・眠れないときは、リラックスしよう(簡単なリラックス法は、「息をすーっと吸ってゆっくりと吐くこと」)。
・寝室には時計を持ち込まないほうがいい(時刻を意識しないように)。
・お風呂は少しぬるめの湯の方が良い
・眠る時には、体の内部温度を少し下げて全身を休息に適した状態にするのが良いので、暑い夜にはエアコンや扇風機を使った方がいい。
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 特に参考になったのが、悩みがあって眠れない人へのアドバイス。
「「悩みがある時は具体的な場面を思い浮かべ、自分がそこにいるのをイメージして、一つ一つ解決していくのがいい」とアドバイスされることがあります。これは悩みの解決に大脳皮質全体を活用する方法といえます。(中略)
 また、私は医師になりたての頃に心理の先生から習ったのですが、悩んでいる出来事にラベルをつける(ラベリング)といいのです。
 嫌なことがあったことを思い出すと、その時の気持ちが再現されてしまいます。そこで頭の中で箱や引き出しに整理することをイメージします。その中に体験した気持ち、悲しさ、悔しさ、つらさを詰めるのです。
 その際、箱の外に「会社で嫌な思いをした経験」「友人関係で悩んだこと」という題名をつけます。そのラベルを見ただけで、中身を出来事として思い出すことができます。ラベルがついていれば、箱の中を開けてまで、体験の詳細を再現する必要がなくなります。(中略)
 このようなラベリング作業は、言語化といわれるものです。頭を悶々とさせる悩みはラベリングを行うことで、適切に距離を置け、結果的にいい睡眠を導くことにつながるでしょう。」
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『やってはいけない睡眠の習慣』……睡眠が、私たちの脳の機能の向上と健康に果たす重要な役割の解説とともに、良い睡眠のために「やったほうがいいこと」、「やってはいけないこと」を具体的にたくさん教えてくれる本で、とても参考になりました。みなさんも、ぜひ読んでみてください。眠りに悩んでいる人生後半世代の方には、特にお勧めです。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『やってはいけない睡眠の習慣』