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第1部 本

音楽

音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全(有吉尚子)

『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』2023/8/2
有吉 尚子 (著)


(感想)
「演奏することが大好きなのに行き詰まって悩んでいる」、「上達するために努力しているのにある程度以上に上手くなれない」人たちにありがちな悩みの原因と解決法や、音出しできないご自宅でもできるトレーニングなどを紹介してくれる本で、主な内容は次の通りです。
第一章 あるあるなお悩みと解決のヒント
(1)個人練習編
 ◆速いパッセージが苦手
 ◆メトロノームに合わせることができない
 ◆リズム感がない など
(2)合奏編
 ◆チューナーのつけっぱなしをやめられない
 ◆「自由に歌って」と言われると困る
 ◆倍音ってつまり何? など
(3)人間関係編
 ◆練習に出てこないメンバーにイライラする
 ◆隣の席の人にダメ出しされて落ち込むことがある
 ◆周りに比べて自分だけ特別下手くそな気がする など
(4)レッスン編(受ける時)
 ◆先生の出す音と自分の音の違いがよくわからない
 ◆アドバイスをもらってもすぐに対応できない
 ◆練習せずにレッスンを受けることに罪悪感がある など
(5)本番編
 ◆間違えたところが気になってさらにミスを連発してしまう
 ◆本番の舞台には魔物がいると思う
 ◆したくないのに緊張してしまう など
(6)レッスン編(教える時)
 ◆練習してきてくれない
 ◆理論的な話をしても通じない
 ◆間違ったことを教えてしまわないか不安 など
第二章 演奏をより良くするための各科目内容と学び方
(1)読譜力(楽典とアナリーゼ)
(2)楽器と心身のコントロール(アレクサンダーテクニーク)
(3)聴く力について(ソルフェージュ)
第三章 セルフトレーニング―アナリーゼ編―
(1)和音からストーリーを読み解く方法
(2)音の距離からストーリーを読み解く方法
(3)パート譜を使ったアナリーゼ
第四章 セルフトレーニング―アレクサンダーテクニーク編―
(1)アレクサンダーテクニークを使ってみる
(2)ブレスを快適にして気持ちよく吹こう!
(3)構えとブレスの関係
第五章 セルフトレーニング―ソルフェージュ編―
(1)通勤電車でソルフェージュ
(2)ハーモニートレーニング
(3)周りを聴く耳を育てる
第六章 プロ演奏家・指導者の声
(1)木管楽器奏者
(2)金管楽器奏者
(3)弦楽器奏者
(4)その他の楽器奏者
(5)指導者・指揮者
   *
『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』というタイトルだったので、「音大では、こんなふうに練習するんだよ」という「音大式練習法」を教えてくれるのかなと期待したのですが、音楽大学&大学院、ソルフェージュやダルクローズリトミック、アレクサンダーテクニーク、アドリブ演奏、心理学やレッスンでの指導法など、さまざまなレッスンを受けたり本を読んだりして試行錯誤を続けてきた有吉さんが、自ら悩んで培ってきた方法などを教えてくれる本でした。そういう意味では、必ずしも私の期待した「音大式練習法」ではなかったのですが、分かりやすいアドバイスが多かったので、とても参考になりました。なお、有吉さんは、演奏活動の他、アレクサンダーテクニーク教師、音楽教室の主宰など幅広く活動しているようです。
 さて「第一章 あるあるなお悩みと解決のヒント」では、参考になるアドバイスがとても多かったのですが、そのごく一部を紹介すると次のような感じです(各アドバイスは抜粋紹介なので、本書には、もっと詳しいアドバイスがあります)。
◆速いパッセージが苦手
「複雑で難しいパッセージはテンポを落としてゆっくりから始めた方が良いというのは耳にしたことがあるでしょう。でもテンポを落としてゆっくりにしてはみたものの、すぐに退屈になってまた速いテンポにもどしてしまい、難しいパッセージはうまくいかないままというケースはありがちです。(中略)
 そもそもなぜテンポを落とす必要があるのかを考えたことはあるでしょうか。インテンポでは自分の演奏のどこにアラがあるのかを聴き取れず、聴き取れたとしても修正するためのコントロールが間に合わないからゆっくりなテンポにするのです。」
 ……うーん、まさしくその通り……そもそもアマチュア管楽器奏者の場合は、「息が続かない」問題もあって、テンポを落としたくないということもあるんですよね……でも、途中で息継ぎすることになっても、演奏のどこが変なのかをじっくり「聴いて」修正していくべきなのでしょう。
   *
◆リズム感がない
「(前略)生まれつきテンポを一定にキープできるという機能は人間には備わっていないので、できている人は意識的にせよ無意識的にせよトレーニングを経て身につけています。何の訓練もしていなければテンポキープができないのは自然なことであり、このトレーニングをするかどうかという段階では才能のあるなしは関係ありません。」
 ……これも自虐的に口にしがちでしたが……ただの言い訳に過ぎないっていうことですよね……地道にトレーニングしたいと思います。
   *
◆長い音や休符で拍がわからなくなる
「ほとんどの現代人は忙しく日々を生きているので「待つ」ということが苦手な傾向にあります。実際に私が普段行っているソルフェージュのレッスンでも、初めは待ちすぎるという傾向を持った人はほとんどおらず、待ちきれないでどんどん突っ込んでしまう人が大多数です。」
 ……これも、ご指摘の通りです……きちんと「待つ」よう心がけたいです……。
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◆いつかは楽典を学びたいと思っている
「楽典は音楽理論の前提知識です。アナリーゼをできるようになるために必要な用語をしっておく、それが楽典を学ぶということ。外国語の文法を学ぶなら、まずは「主語」「述語」「名詞」「動詞」などの用語を知る必要があるでしょう。そういう前提として知っておきたい文法用語を学ぶのが楽典です。」
 ……そもそもアナリーゼをちゃんとしたこともありませんでしたが……「いつかは」ではなく、「いますぐ」勉強すべきなのでしょう。ちなみに「最も一般的で良く使われている楽典の教材:『楽典-理論と実習』石桁 真礼生、他、音楽之友社」だそうです。
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 この後も参考になることが満載でした。
 最後に、アマチュア管楽器奏者にとって大切なトレーニングのうちの一つを紹介します。
◆ラクにたくさん吸うための呼吸トレーニング
1)最初に息を吐けるところまで吐いてしまいます。
(最初に吸うのではないところがポイントです)
2)吐き切ったと思ったら3秒程そのまま息を止めています。
3)苦しくなるので息を止めるのをやめます。
4)息を止めるのをやめると勝手に空気が肺に流れ込んできます。
  (この時にわざわざ息を吸い込む必要はありません。)
5)自然に肺に入って来た空気をまた吐き切ります。
6)2に戻る。
(これを何度か繰り返します。)
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『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』……アマチュアの管楽器奏者にとって、とても参考になるアドバイスが満載の本でした。すでに「それなり」に弾けてはいるけど、もっと上達したいと考えている人は、ぜひ読んでみてください☆
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『音大に行かなかった大人管楽器奏者のための楽器練習大全』