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第1部 本
脳&心理&人工知能
社交不安症・対人恐怖症を治す本(清水栄司)
『社交不安症・対人恐怖症を治す本: 自分でできる「認知行動療法」の12ステップ (心のお医者さんに聞いてみよう)』2025/8/7
清水栄司 (監修)

(感想)
赤面、発汗、震え、緊張……そんな社交不安症・対人恐怖症を治す方法として、自分でできる「認知行動療法」の12ステップを教えてくれる本です。
私も学生時代は赤面恐怖症で、大勢の前で発表する場面ではドキドキしっぱなしだったので、あの時、この本があればもっとマシだったのかなーとも思いますが……社会人になってからは、プレゼンテーション場面にも徐々に慣れていって、なんとかなりました(苦笑)。それでも今まさに社交不安症などに苦しんでいる方にとっては、とても参考になることがたくさんあると思います。私自身も、次のような文章に「その通りなんだよねー」と共感を覚えてしまいました。
・「(前略)そもそも完璧な対人関係などあるはずもないのですが、社交不安症・対人恐怖症の人は人と接するたびに「またうまくいかなかった」と落ち込み、不安を強めてしまうのです。」
・「(前略)日本にもともとある「目を見ない=礼儀正しい」とする文化背景が、「目を見るアイコンタクト=礼儀正しい」とする欧米のマナーとぶつかり合い、自己視線恐怖をもつ日本人は精神的に葛藤を抱えることになります。」
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それでも、これは日本特有の文化の影響だったんだと知ることで……
「(前略)自分の不安が文化や生育環境の影響だと理解できれば「自分がおかしい」のではなく「自分はこの文化でそう育った」という客観的な意識を持つことができるようになる」
……この悪循環から抜け出す鍵になるかもしれません。

また対人恐怖症のあまり、ずっと下を向いているなどの「安全行動」を続けてしまうと……
「たとえば、他人の視線が怖いからと下を向いていると、人の目を見る機会が失われ、他者視線恐怖が増大し、人の顔が見られなくなります。
また、人前で失敗するのが怖いからと人の集まりを避けていると、人づき合いに慣れることができません。(中略)
このように安全行動を続けていると通常の社会生活を送れなくなり、仕事や学業に支障をきたすうえに、改善するチャンスも失います。」
……うーん、確かにその通りではあるんですが……思い切って「目を見る」ってことはなかなかできないし……いつもずっと下を向いていた人が、急に頭をあげて顔を見てきたら、そうされた人の方も、びっくりしてしまうかも……。
それでも、本書の「認知行動療法」の12ステップをやってみると、少しずつ改善できるかもしれません。その12ステップの概要は次の通りです。
<認知行動療法12ステップ>
1)あなたの問題を明らかにし、1年後の目標を設定する
2)ケースフォーミュレーションで認知・感情・身体反応・行動の関係を見る
3)安全行動をやめるイメトレをする
4)自分の内部から外部へ、柔軟に注意を切り替える
5)スマホで自撮りをし、自分を客観的に観察する
6)苦手に挑戦! 結果を予測し、実験後にまとめ、学びを得る
7)不安なことに挑戦し、他人の反応を確認する
8)最悪の事態に対する自分の考えを周囲の人に聞いてみる
9)出来事の前後でぐるぐる考えることをやめる
10)自己イメージと結びつく記憶を書き直す
11)否定的な信念を見直し、柔軟な考え方を身につける
12)これまでのステップをふり返り、いつでも対処できるようにする
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ここでは概要(項目)のみを紹介していますが、本書には具体的な方法の事例つきで、やり方が説明されています。
例えば「2)ケースフォーミュレーションで認知・感情・身体反応・行動の関係を見る」の場合は、「コンビニで商品をレジに持っていったとき、店員さんが「ポイントカードはお持ちですか?」と聞いてきた」という出来事などを想定し、その時「実際に&頭の中でやろうとしたこと」は何かを考え(行動)、また「パッと心に浮かんだ思考」が何だったかを思い出し(認知)、さらに「その時の不安を点数化」(感情)してみて、「身体で起きている反応を確認する」(身体反応)ということを行ってみると、悪循環になっていることに気づけるそうです(本書では、もっと詳しい説明があります)。
この「認知行動療法」の12ステップを実践してみることで、まずは自分自身で改善を試みてみるのもいいかもしれません。
それでも、やっぱり治らなくて辛いという場合は、精神科を受診するという方法もあるそうです。精神科受診のタイミングとしては……
1)対人場面における恐怖や不安、そこから身を守るために、つらさに耐えて、安全行動が6カ月以上続いている
2)1)によって生活や仕事、人間関係に支障が出て、以前のような毎日が送れなくなっている
……そして精神科での診断プロセスには……
1)半構造化面接:構造化面接(決まった手順)+面接官による自由質問
2)心理検査
……があり、治療には「薬物療法」と「認知行動療法」があるそうです。認知行動療法などの方法には、上で説明した方法の他、マインドフルネス認知療法、アクセプタンス&コミットメントセラピー、力動的精神療法、森田療法などがあるのだとか。
『社交不安症・対人恐怖症を治す本: 自分でできる「認知行動療法」の12ステップ』……赤面、発汗、震え、緊張……などの社交不安症・対人恐怖症を改善する方法を具体的に教えてくれる本でした。社交不安症・対人恐怖症などで悩んでいる方は、ぜひ一度読んでみてください。
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『社交不安症・対人恐怖症を治す本』