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第1部 本
ビジネス・問題解決&トラブル対応
カスハラ対策の基本と実践(能勢章)
『「度が過ぎたクレーム」から従業員を守る カスハラ対策の基本と実践』2025/10/24
能勢 章 (著)

(感想)
「度が過ぎたクレーム」から従業員を守るためのカスハラ対策の基本と実践を、カスハラ専門弁護士の能勢さんが、総合的・具体的に詳しく解説してくれる本です。
カスハラとクレームの違いから、基本方針策定、運用への落とし込みまで、効果的な対策が満載で、「カスタマーハラスメントに対する基本方針」や「報告書」、「防止規定」などのひな形やマニュアルの具体例も充実していて、まさに本当に使える「カスタマーハラスメント対策の教科書」だと思います。
「はじめに」には、次のように書いてありました。
「(前略)本書は、そうした「接客クレーム対応」本とは一線を画し、組織的にカスハラ従業員を守るために、「法律」はもちろん、「企業」や「現場」の実務的な視点から具体的な解決方法を解説するとともに、実際に多くの案件に関与したカスハラ専門弁護士にしか書けないノウハウを随所に盛り込みました。また、実務の責任者の参考になるように、ひな形を複数用意しています。」
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かつてはクレーム対応は「顧客満足度向上」のために必要とされていましたが、現在ではクレームはすでに宝の山ではなく、顧客の声は他の方法(アンケート、モニター募集、SNS)でも聞けるので、クレーム対応がもつ重要性は低下しているそうです。
またクレーマーとカスハラの本質は異なっていて……
「(前略)クレーマーの本質は「要求」に、カスハラのそれは「嫌がらせ」にある点で大きく異なるのです。」
「(前略)ハラスメントから被害者である従業員を救い出すことや、ハラスメントそのものを除去することによって、職場環境の改善を図るのがカスハラ対策の本質なのです。」
カスハラ加害者には、次の4つの特徴があるそうです。
1)独自の正義感をもっている
2)弁が立つ人が多い
3)経験者が多い(クレームを言いなれている)
4)言いやすい相手を選ぶ
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独自の正義感をもっているので、そもそも自分をカスハラ加害者だと思っていない人が多く、説得はたいへん困難なのだとか。カスハラは誠心誠意の対応を続けていても解決しないことが多く、「議論が平行線のまま終わる」のが現実的なゴールのようです。
そしてカスハラ対策の基本方針の定め方は……
「(前略)個々の対応能力に依存した不安定な対応ではなく、組織としての統一的な基本方針を事前に定めておくことが重要です。」
……カスハラ対策の基本方針に盛り込むべき要素としては、「基本的な理念」で社内外に強い決意を示すこと、「禁止行為(カスハラの具体例)」を列挙する、さらに「具体的な対応策(毅然とした対応、加害者と被害者の隔離、継続的行為への対応)」だそうです。
整えるべきカスハラ防止体制としては……
1)カスハラ防止規定の整備
2)カスハラ対応マニュアルの整備
3)トップメッセージの配信
4)対応手順の整備
5)カスハラ相談窓口の設置
6)外注先の積極的活用
7)研修・教育
8)検証と改善
9)従業員への精神的なフォロー
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またカスハラ対応のプロセスは……
1)顧客から事情聴取する
2)落ち度の有無を判断する
3)発生した問題の程度と顧客の要求を比較する
4)社会通念上不相当な手段と言えるかを判断する
5)カスハラと認定し、以後顧客とは扱わない
6)カスハラ事案の収束化を目指す
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またカスハラ対策は、対応する個人や組織にとって、精神的・身体的・時間的・作業的にも負担となるものなので、外部に頼るという方法も検討すべきかもしれません。クレーム対応専門のコールセンター業務を行う会社に外注するとか、外部の弁護士を積極的に活用するという方法もあるそうです。
法的措置には「証拠」が必要となるので、防犯カメラの活用も考えておいた方がいいのかもしれません。証拠になるものとしては、防犯カメラの映像、スマートフォンなどで撮影された映像、スマートフォンなどで録音された音声、顧客情報、カスハラに関する社内報告書、被害者や目撃者の陳述書、被害者の診断書などがあるそうです(なお防犯カメラ映像は、上書き・消去される前に直ちに保存することが必要です)。
『「度が過ぎたクレーム」から従業員を守る カスハラ対策の基本と実践』……深刻なカスハラにどのように対応すればいいか、頭を悩ませている企業(組織)や担当者のバイブルとなるような本でした。ここで紹介した以外にも、「本名以外の「ビジネスネーム」を付ける」など様々なアドバイスがあります。この本でひな形が示されている文書を自社用にカスタマイズするだけでも、自社のカスハラ対策を構築・充実させることが出来そうです。とても実践的に役に立つ本なので、みなさんもぜひ読んでみてください。お勧めです☆
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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『カスハラ対策の基本と実践』