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第1部 本

健康&エクササイズ

血管年齢(小林順二郎)

『血管年齢 (文春新書 1516)』2025/11/20
小林 順二郎 (著)


(感想)
 なんと日本人の四分の一は、血管の病気で死んでいるそうです。これはがんよりも多い割合だそうで、健康長寿の鍵を握るのは血管の健康なのだとか。
この本は、自分の血管年齢――血管の老化度合い――を知り、適切な予防をすることで、血管の病気を避けることができることを教えてくれるのです。
 さて血管の健康に影響を与える要因としては、一般的に、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙と言われていますが、最近は、歯周病、睡眠時無呼吸症候群、血糖値スパイク、座りすぎ症候群、慢性炎症も問題視されているようです。
 そして代表的な疾患としては……
1)狭心症・心筋梗塞
2)脳梗塞・脳出血
3)大動脈瘤・大動脈解離
4)末梢動脈疾患(PAD)
 ……などがあげられ、血管を守るための総合戦略としては……
「血管の老化を防ぐためには、このような複数のリスク因子を総合的に管理することが重要です。(中略)
 喫煙は絶対にやめる、糖尿病・高血圧・脂質異常症は適切に治療する、肥満を解消する、ストレスをためない、定期的な運動を心がける、歯周病を予防する、質の高い睡眠をとる、これらすべてが血管の健康につながります。」
   *
 歯周病が血管にも影響を与えるというのは意外かもしれませんが……
「歯周病の原因となる細菌、特にポルフィロモナス・ジンジバリスという舌をかみそうな名前の細菌が、歯茎の炎症部分から血管の中に入り込んでいくのです。私たちが食事をしたり歯を磨いたりするたびに、少しずつ血液中に細菌が流れ込んでいきます。これを医学的には「菌血病」と呼びます。
 血管に入った細菌は、血流に乗って全身を巡ります。そして血管の内側の壁に付着して炎症を起こすのです。さらに厄介なことに、これらの細菌は炎症性サイトカインという物質を放出させ、体の中で慢性的な炎症状態を作り出してしまいます。この炎症が動脈硬化を進行させる大きな要因となるのです。」
 ……なるほど、こういうメカニズムなんですか。
 その予防法としては……
「歯周病は怖い病気ですが、予防方法は驚くほどシンプルです。要するに、しっかりと歯を磨いて、定期的に歯科医院に通えばよいのです。」
   *
 この後は、血管の健康に役立つ生活、とくに食事や運動について解説してくれます。
 食事については、ごく一般的な健康に良いとされる食品(魚(とくに青魚)、大豆製品、オリーブオイルとナッツ、緑茶、赤ワイン、色とりどりの野菜・果物など)が推奨されていました。
 また有酸素運動も推奨されていましたが、その理由として……
「血管によいものは何かについていろいろ述べてきましたが、NO(一酸化窒素)がよいということは確実です。
 NOの効果は多岐にわたります。血管拡張により血圧が低下し、血小板凝集抑制により血栓を予防し、白血球接着抑制により動脈硬化を予防し、血管平滑筋細胞の増殖を抑制し、抗酸化作用もあります。」
 ……運動中は安静時の五~十倍のNOが産生されるそうです。そして……
「このNOには半減期が数秒という特徴があります。つまり、どんどん減っていくわけです。ですから効果を得るためには継続的な運動が必要になります。しかも、一時的に強い運動を行うのではなく、長時間、適度な運動をすることが求められます。NOは運動時には筋肉内でできますから、有酸素運動、特に歩くことがよいとされます。」
   *
 また希望を感じさせてくれたのが、「コラム4 側副血行路:自然が与えてくれた第二のチャンス」。
「血管が詰まったら、その先の組織は壊死してしまうのでしょうか? 実は、人間の体にはすばらしい予備システムが備わっています。それが側副血行路です。
 主要な血管が狭くなったり詰まったりすると、周囲の細い血管が発達して迂回路を作ります。これは、幹線道路が通行止めになったとき、自然に裏道が整備されていくようなものです。」
 ……これはありがたいですね☆ ただし残念ながら、脳は血管新生能力が非常に低いので、脳の血管では側副血行路はほとんど期待できないそうです。……やっぱり血管の健康を、なんとしても維持したいですね。
『血管年齢』……血管が多くの病気に関わっていることともに、その健康の維持の仕方を教えてくれる本でした。ごく一般的な「健康に良い生活」が、血管の健康にも良いということだったので、安心しました(すでに実行中なので。今後も頑張って続けようっと!)。
 健康長寿をめざしたい方は、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『血管年齢』