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第1部 本
ビジネス・仕事力向上
ITコンサル1000人にAIでラクになる仕事きいてみた(谷岡悟一)
『ITコンサル1000人にAIでラクになる仕事きいてみた』2025/2/21
谷岡悟一 (著)
(感想)
「ノースサンド」に所属する1,000名の現役ITコンサルタントへのアンケートをもとに、「リサーチやアイデア出しをスピードアップ」、「戦略立案や提案書作成のクオリティ向上」、「メール作成や会議準備を効率」など、「本当に実務で使えるAI活用ガイド」です。
「はじめに」には、次のように書いてありました。
「本書では、ビジネス契約なしに個人でもすぐに始められるAI活用術を紹介します。業界、業種を問わず、ビジネスパーソンの仕事に役立つ内容を目指しました。」
なおビジネスに活用できる代表的な生成AIとしては、ChatGPT(OpenAI)、Gemini(Google)、Claude(Anthropic)などがあり、調査に強みのある生成AIとしては、Copilot、Perplexity、Gensparkなどがあります。
さらに「天秤AI by GMO」という、いくつかのAIを比較して自分に合ったサービスを探せるというものがあるようでした。
その他、画像生成AIとして、Midjourney、Stable Diffusionなどがあります。
さて、生成AIを動かすときに使うのが「プロンプト」。その基本の型は次の通りだそうです。
1)指示:AIが実行する指示やタスク
2)制約条件:どのような条件で処理を実行するか
3)背景・文脈:自分の意図・目的・状況など、生成AIに考慮してもらいたい背景や外部情報
4)入力データ:処理する内容
5)出力データ:出力してほしい形式
*
そして、「指示するときに気を付けることは、「○○しないでください」と書くのではなく、「○○してください」と書き、できるだけ詳しく指示することが重要です。」なのだとか。
本書では「AIを使いこなすための10のTIPS」も紹介されていました。ちなみにその最初の5つを紹介すると……
1)「面倒くさいを解消」-アシスタントとしてAIを活用
2)フレームワークと組み合わせる-コンサルタントとしてAIを活用
3)独自の切り口を与える-作家としてAIを活用
4)最適なアウトプットに変換する-編集者としてAIを活用
5)AIに逆に質問してもらう
……という感じです。(本書ではもっと詳しい説明があります)
また「AIを使う上での注意点」としては、次のものがあげられていました。
1)著作権-AI生成物も著作権法の対象
2)信憑性-ハルシネーションの存在
3)情報漏洩-入力データの管理問題
*
このうち「ハルシネーションを防ぐ対策」としては、1)プロンプトを工夫する、2)検索機能に優れたAIを活用する、3)検索拡張生成(RAG)を活用する、のが有効なようで、例えば「プロンプト」では、「確実な知識のみの回答」、「ソースと根拠の表示」、「事実と意見を区別する」ことを求めると良いようです。その例としては……
「#指示:
日本の食品業界の現状と課題を分析した上で、10年後の状況を予測してください
#制約条件:
・検証できるようにURLでソースと根拠を表示してください
・事実と意見や予測を区別してください
・未来にはいくつもの可能性があるので、10年後の状況を3パターン予測してください。」
*
……上記の例でわかるように「プロンプト」は、人間の担当者に指示するのと同じように分かりやすく書けばいいようですが、それに返ってくる生成AIからの回答例が、あまりにも「もっともらしい」ので驚きでした。
ITコンサルタントのみなさんは、さまざまな分析手法(PEST分析、ファイブフォース分析、VRIO分析、SWOT分析など)を知っているので、それを生成AIに簡単に説明して、分析を行わせることもしていました(プロンプトの例が多数あります)。
ここでAIの分析結果が「よくある一般論」だけだった時には、「代替品を20個上げ、機能や価値の違いを比較する表を作ってください」と追加指示してみるとか、「VRIO分析にもう一つリソースを評価するための観点を加えるとしたら何がよいと思いますか? 10個考えてください」と追加指示してみるとか、何度も生成AIを動かしてみることで、よりよい回答を得る工夫をしているようでした。
また生成AIは「メールを作成する」こともできますが、そのメールをより良いものに改良するために、次のような2段階の追加指示もしていました。
・追加指示1:上記のメールを受け取った相手のリアクションを悲観的に想定し、箇条書きでアウトプットしてください
・追加指示2:上記を踏まえ、本文に入れるべき言葉や言い回しを再考し、メールを作成してください
……このようにすることで、最初は顧客の課題の解決だけを考えていたメールが、最終的に、顧客のコストや人的リソースまでも考えたメールへと改善されていきました。
そして驚かされたのが、「商談のロールプレイング」をしたときの次の制約条件。
「#制約条件
・私に直接言えない本音がある場合は()で記載してください
例)そうなんですか(ちょっと高いな)」
……まさに、この例のような「台詞(+内心の声)」が生成AIの回答の中に出てきて、面白かったです(笑)。
その他にも、生成AIによる「自動文字起こし」についても……
「議事録を作るのもAIに任せれば簡単です。AIを活用した議事録の作り方としては、会議の録音をもとに文字起こしを行い、要約を行ってもらう方法が簡単です。」
……議事録まで作ってくれるんですか……生成AIが、確実に業務の効率化に大きく貢献することを実感させられました。
『ITコンサル1000人にAIでラクになる仕事きいてみた』……いろいろな業界・業務で使えるプロンプトの事例を多数教えてくれる本で、本書で使われている「プロンプト」の中から、自分がやらせたい仕事に似ているものを探して、プロンプトの一部を変えて、実際に生成AIで試してみると、生成AIの使い方に慣れるとともに、生成AIを使いこなして仕事の効率を大幅に向上させていけるようになるのではないかと思います。
巻末には「コピペするだけで使えるプロンプト集」が読者特典として付属しています(URL(QRコード)ですが……)。
まさに「本当に実務で使えるAI活用ガイド」。実務で生成AIを使おうと考えている方は、ぜひ読んでみてください☆
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『ITコンサル1000人にAIでラクになる仕事きいてみた』