ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

生物・進化

タンパク質とは何か(山本啓一)

『タンパク質とは何か』2025/12/5
山本 啓一 (著)


(感想)
 健康な身体づくりに必要な栄養素のタンパク質のはたらきや役割、語源や歴史、最先端の研究、さらに効果的な摂取法まで、その驚きのメカニズムを多角的に紹介してくれる本で、主な内容は次の通りです。
第1章 タンパク質は自由自在
第2章 からだを形づくるタンパク質――構造タンパク質
第3章 働き者のタンパク質――機能タンパク質
第4章 “タンパク質”なのか、”プロテイン”なのか――言葉から歴史をたどる
第5章 タンパク質の一生――生まれて、働いて、死ぬまで
第6章 タンパク質を食べる――健やかなからだのために
   *
 第1章には次のように書いてありました。
・「私たちの身体を構成している物質で一番多いのが約60%を占める水で、次に脂質(約20%)、タンパク質(約16%)、ミネラル(主に骨で約4%)、炭水化物(約1%)と続きます。このうち脂質と炭水化物の主要な役割はエネルギーの供給ですが、そのエネルギーをさまざまな生命活動に変換する重要な働きをしているのがタンパク質です。」
・「タンパク質が人間の身体の中でいろいろな働きをすることができるのは、さまざまな状況に対応して自由自在に構造を作ることができるからです。」
  *
 そして第2章によると、構造タンパク質について……
・「(前略)構造に関わるタンパク質のほとんどは細長い形をしており、それらが多数集まって束になり、長くて丈夫な繊維構造や網目構造を作ります。また、構造を作るタンパク質には、細胞から分泌され、外側から包み込むようにして構造を作るものと、細胞の内部に丈夫な繊維構造を張り巡らせ、細胞を強靭にするものとがあります。前者の代表がコラーゲン、後者の代表がケラチンです。」
・「(前略)コラーゲンを介して筋肉細胞が互いにつながっているので、それぞれの筋肉細胞の出す力が一つにまとまり、腱の部分で骨に伝わるのです。」
 ……また骨は……
「骨は骨芽細胞(骨組織の形成に関与する細胞)から分泌されたコラーゲンが網目構造を作り、そこに「リン酸カルシウム」が沈着してできたものです。」
 ……骨もタンパク質が基礎的な構造を作っているんですね。
 そしてとても興味津々だったのが第3章の機能タンパク質。
・「(前略)タンパク質はアミノ酸がペプチド結合でつながったものなので、そのつながった部分に水を反応させ、ペプチド結合を切って個々のアミノ酸にするのがタンパク質の消化です。それを行う酵素を「タンパク質分解酵素」と呼びます。」
・「(前略)タンパク質は個々のアミノ酸に分解され、小腸の細胞に吸収されます。小腸の細胞の表面にはアミノ酸を取り込むための輸送体タンパク質があり、アミノ酸はその中を通って細胞内部に入り、反対側の面から血液中に送り出されるのです。」
・「(前略)タンパク質分解酵素の表面にはペプチド結合の部分がちょうど収まる部分があり、その表面には酵素タンパク質を作っているアミノ酸由来の“水もどき酸素”が突き出ていて、ペプチド結合を作っている炭素原子のすぐそばに来るようになっています。酵素の立体構造が絶妙で、その突き出し角度が反応を起こしやすい位置にあるため、この水もどき酸素は低温でも容易に炭素と反応してペプチド結合を切断します。」
   *
 また体内の輸送にもタンパク質は使われていて……
・「物質輸送をおこなうタンパク質は「モータータンパク質」と呼ばれ、細胞内に張り巡らされたケーブルの上を、荷物を背負って、歩くように移動することで輸送を行います。物質を輸送するのですから当然エネルギーを使います。ほとんどのモータータンパク質はそのエネルギー源としてアデノシン三リン酸(ATP)を使います。」
 ……タンパク質は私たちの身体を作っているだけでなく、動かしてもいる、とても大事なものなんですね。
 最終章の第6章には、次のように書いてありました。
・「(前略)一般的な人の場合は一日に300~400グラムのタンパク質が分解されると述べましたが、そのうちの20%ほどがエネルギー源として使われてしまうので、タンパク質の量を維持するためには60~80グラムのタンパク質を毎日食事によって摂らねばなりません。」
・「元気な老後を過ごすためには一日に体重1キロあたり1.2グラム程度のタンパク質を摂取したほうが良いのです。体重が60キロの人だと一日あたり72グラムです。(中略)また、歳をとると消化吸収能力が落ちるので、活力を維持するためには少し多めにタンパク質を摂取すべきだと思います。」
   *
 ……ところで「生肉の重量=タンパク質の量」ではないそうです。実は、タンパク質は生肉の重量のおよそ20%ぐらいしかないそうで、100グラムのステーキでもタンパク質は20グラム程度なのだとか……するとタンパク質72グラムのためには、生肉だけだと360グラムも必要なんですね。毎日ちゃんと摂取したいと思います。
『タンパク質とは何か』……私たちの身体に必要なタンパク質について、総合的に、分かりやすく詳しく教えてくれる本で、とても勉強になりました。この他にも、「タンパク質の一生――生まれて、働いて、死ぬまで」など興味津々な内容が満載です。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
   *   *   *
 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

Amazon商品リンク

興味のある方は、ここをクリックしてAmazonで実際の商品をご覧ください。(クリックすると商品ページが開くので、Amazonの商品を検索・購入できます。)


『タンパク質とは何か』