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第1部 本

伝記・職業紹介

公認心理師になるには(橋口佐紀子)

『公認心理師になるには (なるにはBOOKS 81)』2025/8/18
橋口 佐紀子 (著)


(感想)
 公認心理師(Certified Public Psychologist=CPP)は、2018年に誕生した心理職唯一の国家資格で、子どもから大人まで心理的な支援を必要とする人たちをケアする仕事です。本書は、病院や保健センターなど医療の場はもちろん、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働など幅広い分野で活躍する公認心理師たちの姿を紹介、資格取得や就職についても解説してくれます。
 この本では、精神科病院や学校で実際に働いている6人の公認心理師の方にインタビューをしているので、公認心理師の仕事がどんなものなのかをリアルに知ることが出来ます。
 そのごく一部を紹介すると次のような感じ。
1)精神科病院で活躍する公認心理師
「朝は、病棟での申し送りから始まります。(中略)申し送りが終わると、外来患者さんの心理検査やカウンセリングを行ったり、入院患者さんの心理検査を行ったりと、曜日によってさまざまです。」
「認知症の患者さんでも、「エピソード記憶」という経験したできごとにかかわる記憶は比較的保たれているといわれます。そのエピソード記憶を刺激することで、気持ちの安定や抑うつ・不安の軽減といった効果を狙うのが回想法です。」
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2)学校で活躍する公認心理師
「朝学校に行くとまず行うのが、職員室の机に置かれた予約ファイルの確認です。児童の保護者から学校に「スクールカウンセラーに相談したい」という電話があると、電話を受けた先生が予約を書き込んでくれます。(中略)
 養護教諭との情報共有が終わると、児童や保護者との相談面接の予約が入っていれば相談室へ。」
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3)自治体で活躍する公認心理師
「この仕事を続けてきてほんとうに痛感するのは、一人では誰も支えられないということ。それぞれの家庭で起こっていることは違うので、何に困っているのか、どんな強みがあるのかをみんなで共有します。そして、支援者がそれぞれにできることを出し合って、支援者同士も支え合いながら活動することがほんとうに大事だなと感じています。」
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4)少年鑑別所で活躍する公認心理師
「(前略)「はじめてこんなに話を聞いてもらえた」「相談に乗ってもらえてよかった」などと言って審判に向かう人も。そういうときにすごくやりがいを感じます。」
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5)産業分野で活躍する公認心理師
「治療的なかかわりを担うのは医療機関で、私たちはガイドのような立場です。たとえば、クリニックの主治医が「働ける状態ではない」と判断した、あるいは本人が「限界です」と言って一定期間休職する方向になったなら、休むにはどういう手段があり、誰にどう相談すればいいのかをご案内します。
 同時に、「上司には現状をお伝えしていますか?」などと確認して、伝えているけれど何も配慮してくれないようであれば、職場にも連絡を取ります。」
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6)私設心理相談機関で活躍する公認心理師
「カウンセリングセンターにいらっしゃるのは、依存症の家族がいる、親の支配的なかかわりが苦しいなど、家族のことで困っている人が多いです。」
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 さて公認心理師とは、「国民の心の健康に役立つために、保健医療、福祉、教育などの分野において、心理学に関する専門的知識と技術に基づき、心理に関する観察・分析や相談、教育・情報提供などを行う人のこと」だそうです。
 意外なことに非常勤で働く人が多いようで、例えばスクールカウンセラーは、一部の私立学校を除いて、ほとんどが週1日もしくは週2日の非常勤職になっているそうです(2~4校のスクールカウンセラーをするなど、複数の職場で働く人も多いようです)。
 そして公認心理師になるには、「大学及び大学院での履修」の後に公認心理師試験に合格し、公認心理師登録簿に登録する必要があります。
 その資格を生かして働くためには、さらに就職する必要がありますが、その方法としては……
・心理系公務員をめざすには公務員試験をクリアする
・民間の病院やクリニック、福祉施設、教育機関、企業などへの就職をめざす場合は、それぞれの組織が出している求人票・求人情報を見比べて応募先を選ぶ
・日本公認心理師協会や各都道府県公認心理師協会のホームページにも求人情報が掲載されている
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 さて日本社会は、現在、ストレスを抱えている人がとても多いそうです。
「(前略)厚生労働省の「労働安全衛生調査(実態調査)」の令和5年版では、働く人の8割超が、現在の仕事や職業生活に「強い不安、悩み、ストレスと感じる事柄がある」と答えています。また、メンタルヘルス不調による社員の休職や退職を経験する事業者の割合も増加傾向にあります。
 こうしたことを背景に労働安全衛生法が改正され、働く人のストレス状態を調べて心の病気を未然に防ぐための「ストレスチェック」が、企業に対して義務化されました。いわば、心の健康診断です。このストレスチェックの実施者に、公認心理師も入っています。」
 ……今後、公認心理師の活躍場所は広がりそうですね……。
『公認心理師になるには (なるにはBOOKS 81)』……いろいろな現場で働いている6人の公認心理師の方へのインタビューなど、公認心理師の仕事をリアルに知ることが出来る本でした。養成方法やカリキュラム、就職方法などに関する分かりやすい解説もあり、コンパクトながら公認心理師について総合的に知ることも出来て、とても参考になりました。公認心理師をめざしたい方、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『公認心理師になるには』