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第1部 本

生物・進化

英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ(バーター)

『英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ』2025/9/25
ガイ・バーター (著), 北 綾子 (翻訳)


(感想)
 タネはなぜ上と下がわかる?………世界屈指の園芸アドバイザーのバーターさんが、驚くべき植物の姿を130のQ&Aで紐解いてくれる本です。
 例えば「Q:葉が紫色になるのはなぜ?」という質問に対しては……
「A:葉が紫色になるのは、アントシアニンという色素のせいだ。アントシアニンは緑色の光を吸収し、赤と紫の光は反射するので、突然変異によってアントシアニンが増えすぎてしまった場合、葉が紫に見えることがある。」
 ……という回答とともに、関連する情報やイラストがありました。
 この本にはカラーやセピア色の植物イラストが多数描かれていて、楽しく眺めることができます。ハードカバーの上質な本に、図鑑に描かれているような精緻な植物画と植物に関する科学的解説が、各トピック1~4ページ程度にまとめられているので、眺めているだけで、なんとなく豊かな気分(+賢くなった気分)に浸れます。とても上品な植物の本なのです。
「はじめに」によると、この本のQAは、「植物が好きな人、植物を育てている人がふと疑問に思うようなものを集めた」そうです。
 私が個人的に疑問に思っていたことの回答もありました。
「Q:まっすぐ育つニンジンと曲がってしまうニンジンがあるのはなぜ?
A:ニンジンの苗はとても繊細で、土のなかにほんのちょっとした邪魔者がいるだけで根がまっすぐのびられなくなってしまう。害虫にも弱く、攻撃されるとうまく育たないことがある。」
 ……そうだったんだ……不格好に育ってしまっても栄養価は変わらないそうです(ちょっと安心)。
 驚いたのが次のQA。
「Q:ピーマンの実のなかの空気と外の空気は同じ?
A:ピーマンのなかの空気と外の空気を比べたところ、実際に成分がちがうことがわかった。(中略)ピーマンのなかの空気は外の空気に比べて酸素が2~3%少なく、逆に二酸化炭素が最大で3%多く含まれている。」
 ……疑問に思ったことはなかったけど……違っていたんですね!(笑)
 また「Q:種はどうやって上と下を知るの?」については……
「A:芽が出る前のタネは眠っている状態で、このときはまだ方向感覚はない。ひとたび芽が出ると、茎と根が重力を感知するようになって、根は地中深く、茎は上に向かって伸び始める。」
 そして「Q:どうして秋になると紅葉するの?」では……
「A:葉は葉緑素を多く含んでいるため緑色をしている。冬になると、体力を温存する手段のひとつとして、葉緑素やほかの栄養を葉から幹に送り返すので、葉の色が変わる。」
 また輪作についても……
「(前略)輪作は、作物によって発生する害虫や病原菌の種類が異なること、土から吸収する栄養分の量や組み合わせがちがうことを利用した方法だ。」
 そして輪作の例としては……
1年目)ジャガイモ(土を掘り起こすのに最適)
→2年目)根菜(地中深くまで根の通り道を残す)
→3年目)エンドウなどの豆類(根菜が残した根の通り道を利用する)
→4年目)キャベツ(豆類が残した土中の栄養で育つ)
→ジャガイモに戻る
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『英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ』……植物好きの人が抱きがちな疑問についてQA形式で教えてくれる本で、とても楽しく読めました。一つのテーマにつき1~4ページ程度なので、隙間時間に読むのにも最適です。美しい植物画にも癒されます。
 ここで紹介した以外にも、花時計や干拓地の作り方の解説や、ガーデニングに役立ちそうなアドバイスもありました。植物好きの方は、ぜひ読んで(眺めて)みてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ』