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第1部 本
ビジネス・経営
GX経営大全(NIKKEI GX)
『GX グリーントランスフォーメーション 経営大全 150兆円市場の道しるべ』2025/4/18
NIKKEI GX (編集)
(感想)
再生エネルギーや水素社会、炭素会計にカーボンクレジット……急拡大するグリーントランスフォーメーション(GX)市場、その成長を自社にいかにして取り込むか。キーワードごとに、日経の専門メディアNIKKEI GXが解説してくれる本で、主な内容は次の通りです。
1章 はじめの一歩 構える世界
2章 再エネ活用の最前線
3章 動き出した新エネ
4章 GHG吸収への挑戦
5章 カーボンクレジット
6章 炭素会計を知る
7章 脱炭素経営の新概念
8章 世界のGX大全動向
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「はじめに」には、次のように書いてありました。
「猛暑でもエアコンを使わないといったような痩せ我慢ではなく、二酸化炭素(CO2)を出さないために事業活動を減らすという縮小均衡の考え方でもない。政府が閣議決定をした「GX実現に向けた基本方針」も踏まえ、なるべく簡潔にその目的をまとめるなら、GXは脱炭素と経済成長の両立となる。政府は今後10年間で官民合わせて150兆円を超える脱炭素投資を進め、そのうち20兆円を政府が支援する方針を示している。」
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そして「1章 はじめの一歩」の最初のキーワードは「001温暖化ガス」。GXとしては、お馴染みのテーマですが、農業分野での削減についてや、合成メタンの話に興味津々でした。
「(前略)農業分野での削減にも光が当たり、日本では国のメタン排出量の4割を占める水田での対策が動き出している。
水田に水を張ると、酸素を嫌う性質を持った菌がメタンを生成する。対策となるのが「中干し」と呼ぶ作業。稲の成長を制御すため水田の水を抜き、地面を乾かすプロセスを指す。通常は1~2週間のところを7日間伸ばすと、土壌に酸素が行き渡り、メタンの排出量を3割減らせる。
メタンは都市ガスの主な原料になっている。都市ガスの脱炭素化を進めるために、CO2と水素から人工的に作り出す「合成メタン」の開発も進められている。工場や発電所から出るCO2で合成メタンを製造すれば、燃焼時のCO2と相殺され大気中のCO2は増えない。」
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地面を乾かす期間を長くするだけで、メタン排出量を減らせるんですか……稲の生育に影響がでないなら、そうすべきなのでしょう。(これもカーボンクレジット化できるかも?)。合成メタンも、エネルギー資源を海外に頼りがちな日本にとって、有望なエネルギー源になりそうな気がします。
「005カーボンクレジット」とは……
「温暖化ガス(GHG)の削減効果が、環境価値として権利化されたものを指す。クレジットを創出する方法を「方法論」と呼ぶ。大気中の二酸化炭素(CO2)を回収するダイレクト・エア・キャプチャーとCO2の地下貯留を組み合わせたDACCS(ダックス)など、新技術を使うクレジットが脚光を浴びている。
カーボンクレジットは政府や民間がそれぞれの基準で認証したものが取引される。価格がつくことで企業に削減を促すインセンティブになる。購入企業は自社のGHG排出量から相殺するケースや、相殺はせずに地球環境へのアピールに使ったりするケースがある。」
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……という感じで、テーマごとに解説があります。ここではごく一部の抜粋紹介をしましたが、1テーマにつき2(~5)ページの解説という構成になっていました。
ただ……環境に関する評価やカーボンクレジットに関する考え方は変わることがあるようで……しかも、いろんな略語があって……読み進めるのが、ちょっと大変でした。テーマごとに記事は分かれているので、読み物として一気に読むのではなく、隙間時間に少しずつ読む方が良いような気がします。
面白かった(?)のが「006グリーンウオッシュ」という用語。これは「環境に配慮しているように見せかけ、実態が伴っていないこと」で、「環境への配慮」は企業イメージを高めることが出来る一方で、「コスト」になることが多いので、こんな用語が出来てしまうほど、「美味しいイメージ部分だけを利用しよう」という動きが、多数発生してしまうのでしょう。
さて、日本政府は「合成メタン」への置き換えを推進しようとしているようです。「025メタネーション」によると、メタネーションとは「二酸化炭素(CO2)と水素を反応させ、天然ガスの主成分であるメタンを合成する技術を指す。」ことで、「日本政府は2030年に都市ガス供給量の1%、50年には90%を天然ガスから合成メタンに置き換える目標を掲げている。移行期についてはブルー水素も活用する」と書いてありました。(注:ブルー水素=化石燃料から製造する工程で排出されたCO2を回収した水素)
この他にも、次のような重要用語の解説も……
・040カーボンプライシング
「二酸化炭素(CO2)排出に値段をつけ、企業などの排出量削減につなげる手法を指す。代表的な手法として、政府がCO2を出す企業に課す炭素税がある。環境に負荷をかける企業が税金を払う仕組みを通じ、新技術導入などの努力を引き出す。欧州を中心に炭素税の導入が進んできた。
排出量取引も主要な手法の一つだ。あらかじめ個々の企業に排出量の上限を設定し、上限を超えた企業と下回った企業が取引する仕組みなどがある。」
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・043オフセット(CO2を相殺、制度ごとに参入ルール)
「温暖化ガスを一定量以上出す日本企業は、地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に合わせて政府に排出量を報告する義務がある。政府認証のクレジットを一定の条件の下で活用できる。省エネや植林などによる排出削減・吸収量を基に創出するJ-クレジットと、途上国への技術移転などで生み出す2国間クレジット(JCM)だ。」
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『GX グリーントランスフォーメーション 経営大全 150兆円市場の道しるべ』……GXを理解するための100テーマについて解説してくれる本でした。GXに興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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『GX経営大全』