ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
天文・宇宙・時空
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のすべて(ポコック)
『ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のすべて』2025/6/12
マギー・アデリン=ポコック (著), 定木大介 (翻訳), 平松正顕 (監修), & 1 その他

(感想)
宇宙の鮮明な画像を皮切りに目覚ましい成果をもたらしているジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡。その機能と成果を豊富で美しい画像とともに詳しく解説してくれる本で、主な内容は次の通りです。
はじめに
01 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡
宇宙望遠鏡
虹の外側で
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の先輩たち
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の登場
赤外線望遠鏡という難物
宇宙で花開く
不安定なロケーション
赤外線宇宙天文台
宇宙望遠鏡の構造
02 宇宙のニューフロンティア
新しい技術とアプローチ
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の科学的目標
銀河の織りなす秩序
恒星の誕生
生命の起源
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の搭載機器
星空を描き出す
03 暗闇の奥から
身近な宇宙─太陽系の内と外(木星/土星/天王星、海王星)
系外惑星(LHS 475 b/WASP-80 b/HIP 65426 b/IC 348)
星雲(カリーナ星雲/タランチュラ星雲/かに星雲/創造の柱/オリオン大星雲/へびつかい座ロー分子雲領域)
恒星(カメレオンI 暗黒星雲/ハービッグ・ハロー天体46および47/ハービッグ・ハロー天体797/暗黒星雲L1527の原始星/WR 124/WR 140/南のリング星雲/カシオペヤ座A/環状星雲)
銀河(いて座C/NGC 346/SMACS 0723/車輪銀河/IC 1623/NGC 5584/ファントム銀河/ステファンの五つ子/NGC 6822/NGC 7469/NGC 7496/エイベル2744)
索引

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の構造の解説や、ハッブル宇宙望遠鏡など、歴代の宇宙望遠鏡の概説に始まり、木星や土星をはじめ、とてもたくさんの美しい宇宙の写真(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡だけでなく、ハッブルや宇宙探査機などが撮影した画像も)をフルカラーで見ることが出来ました。
紫外線から可視光線、さらに赤外線までを細くしたハッブル宇宙望遠鏡と違って、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は赤外線に特化していますが、それには次の理由があるそうです。
・「(前略)ウェッブは、地球の大気を完全には透過できない波長域の赤外線を検出している。宇宙から届く赤外線は非常に微弱なので、地球の表面では、そのような信号は地球上や太陽からの赤外線に埋もれてしまう。(中略)そのために、ウェッブ望遠鏡は地球から150万km離れた場所に設置されたうえで、ほかの赤外線放射源にかき消されないよう多くの予防措置が取られた。」
・「(前略)可視光とは異なり、赤外線は塵やガスが作る濃い雲を通り抜けることができるため、その中に隠れた生まれたての恒星や惑星系の存在を明かしてくれる。可視光は波長が短く、高密度の雲に含まれる粒子の大きさと同等なので、雲を通過する際に粒子と相互作用しやすく、結果、散乱または吸収されてしまう。ところが、赤外線は可視光よりも波長が長いため、塵のなかに含まれる粒子と相互作用することなく、塵の雲を通過しやすいのだ。
赤外線はまた、初期宇宙の秘密を垣間見せてもくれる。宇宙から届く電磁波を観測することで、私たちは文字通り時間をさかのぼることができる。(中略)
ビッグバンの直後に形成された最初の恒星や銀河からの放射は、現在も宇宙に満ちている。しかし、宇宙は膨張しているため、初期の天体から放たれた電磁波は引き伸ばされ、波長が長くなっている。つまり、もともとは可視光として放たれた電磁波が、宇宙の膨張によって赤外線として検出されるようになったわけだ。したがって、初期宇宙を詳しく調べるために赤外線を検出することは理にかなっている。」
……赤外線だと、可視光線では見えないものまで見ることが出来るんですね☆
例えば「ハービッグ・ハロー天体」では……
「IC348星団にある暗黒雲領域は、原始星を探すには絶好の場所でもある。原始星、すなわち核融合が始まる前の恒星は、エネルギッシュで息をのむような進化段階にあり、臨界質量に達するために物質を取り込みながら、驚くことにそれを排出もする。この排出は、おもに原始星の回転エネルギー、磁場、放射圧によって引き起こされる。こうした排出力は、重力によって原始星が物質を引き込む力とせめぎ合い、その結果として最終的にできあがる恒星のサイズを抑制する。」
……ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線感度なら、IC348星団にある暗黒雲領域の塵とガスの雲の内部で形成されている星々を見ることができるそうです。……凄いですね! 今後の観測にも期待したいです。
『ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のすべて』……宇宙望遠鏡について学べるだけでなく、美しい天文写真……例えば表紙のような画像(わし星雲にある「創造の柱」)や、なんと2つの巨大な銀河が衝突している画像(IC 1623)など、貴重な星雲や銀河の画像を多数見ることも出来ます。みなさんも、ぜひ眺めて(読んで)みてください☆
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『ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のすべて』