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第1部 本

健康&エクササイズ

筋肉はすごい(青井渉)

『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン (中公新書 2878)』2025/10/21
青井 渉 (著)


(感想)
 人間にとって筋肉がいかに重要か、医学、栄養学、スポーツ科学の見地から解説してくれる本で、主な内容は次の通りです。
まえがき
第1章 特徴 そもそも筋肉とは?
第2章 仕組み 身体はどうして動き、疲れるのか?
第3章 変化 細くなったり太くなったりするのはなぜ?
第4章 効果 運動が健康に良いのはなぜ?
第5章 筋腸相関 がん予防には筋トレが効く
第6章 食事 筋肉が喜ぶ食べ物とは?
健康づくりの10箇条
筋腸相関のための3箇条
あとがき
主要参考文献  
   *
「まえがき」によると、筋肉は体内で最も大きく、なんと体重の約40%を占めているそうです。
 そして「第1章 特徴 そもそも筋肉とは?」では、筋肉の種類について……
「筋肉を部位で分類すると、骨にくっついて四肢や体幹を動かしている「骨格筋」、心臓を動かしている「心筋」、血管や腸管を覆い、それらを動かしている「平滑筋」の三種類に分けられます。(中略)
 骨格筋は意思によって動く運動神経によってコントロールされるのに対し、心筋と平滑筋は自律神経という意思とは関係なく動く神経によってコントロールされています。」
 ……本書は、このうち骨格筋の解説が中心です。
 筋肉が動ける理由は……
「(前略)筋肉に収縮タンパク質というものが存在し、これが収縮しては緩み、また収縮しては緩むため、この繰り返しによって体を動かすことができるのです。」
 ……筋肉で収縮タンパク質が収縮・緩みを繰り返すから、私たちは動けるんですね……。
 そして「第2章 仕組み 身体はどうして動き、疲れるのか?」は、個人的にとても参考になりました。章末の「まとめ」には次のように書いてありました。
・脳からの情報が運動神経を通して筋肉を動かす
・筋肉を動かすエネルギーは、糖と脂肪を代謝することによって得られる
・乳酸は全身の細胞でエネルギー源として利用される
・筋細胞が酸性化すると疲労する
・筋肉に貯蔵されているグリコーゲンが枯渇すると疲労する
・ミトコンドリアの代謝能力が持久力や体脂肪燃焼のカギを握る
   *
 本書は各章の終わりに、このような簡潔な「まとめ」があり、読者の理解を助けてくれます。
 この章では、かつては疲労の原因とされていた乳酸が、実は疲労の原因ではないどころか、全身のエネルギー源として使われていることが書いてありました。例えば脳でも……
「運動をすると、筋肉が血液中のブドウ糖の多くを消費するので、脳で利用できるブドウ糖が少なくなってしまいます。そこで、代わりに筋肉から出てきた乳酸を利用して、脳の働きを維持しているのです。」
 ……血液中のブドウ糖を筋肉が使ってしまう代わりに、筋肉から出てきた乳酸を他の器官が代替エネルギーとして利用していたんですね……。
「第3章 変化 細くなったり太くなったりするのはなぜ?」では、筋トレで筋肉が太くなる理由として……
「筋トレによる筋肥大はタンパク質合成によるものだけではありません。筋トレをすると筋線維のサテライト細胞が活動をはじめます。普段、筋線維にくっついて眠っているサテライト細胞は、筋トレによって強い負荷が加わると目を覚まし、活動をはじめます。いくつかの過程を経て成長し、やがて元々くっついていた筋線維に融合します。このサテライト細胞の融合を繰り返すと、筋線維が少しずつ肥大していくのです。」
   *
「第4章 効果 運動が健康に良いのはなぜ?」では、「運動が発がんを予防する三つの仕組み」が解説されていました。
1)筋肉から出て来るマイオカインが、がんの芽を摘み、大きくなるのを防ぐ
2)代謝能力や抗酸化力を高める
3)免疫力を高める
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 しかも運動は発がんを予防するだけでなく、アルツハイマー型認知症や血管性認知症の発症や重症化も予防し、さらに肌の老化も抑えることが報告されているようです。
「第5章 筋腸相関 がん予防には筋トレが効く」では、本書のサブタイトルにある「マイオカイン」について詳しい解説がありました。「運動を行うと、筋肉から分泌されるマイオカインの働きによって健康効果が得られる」とか、「マイオカインSPARCは、大腸がんの芽を摘み、発がんを防ぐ」などの他、「腸内細菌は、筋肉の代謝やマイオカインの分泌を調整する。筋肉と腸はお互いの働きに干渉する筋腸相関の関係にある」とあり、筋肉と腸の働きを良くすることに、大きな健康効果があるようです。……やっぱり運動(筋肉)とバランスの良い食事(腸)が大事なんですね!
 本書の終わりには、「健康づくりの10箇条」や「筋腸相関のための3箇条」もあります。そのうちの「筋腸相関のための3箇条」は次の通りです。
1)ヨーグルト、納豆など発酵食品から腸の善玉菌を、善玉菌の餌となる食物繊維を野菜や豆類から摂り入れる
2)筋トレで善玉マイオカインの分泌を良好にして大腸がんを予防する
3)腸内環境を良くすることで、筋肉の代謝とマイオカインの分泌量を良好に
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『筋肉はすごい-健康長寿を支えるマイオカイン』……筋肉が、私たちの健康を支えてくれていることを科学的に学べる本で、とても参考になりました。毎日の運動に、「筋トレ」も積極的に組み込んでいきたいと思います。みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『筋肉はすごい』