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第1部 本

健康&エクササイズ

時間治療(藤村昭夫)

『世界の最新医学が教える最高の薬の飲み方 時間治療』2025/6/20
藤村 昭夫 (著)


(感想)
 それぞれの疾患の特性に合わせ、最も効果的な薬の飲み方を考える「時間治療」。血圧の薬を夕食後に飲むと夜間頻尿が改善するなど、実は「時間」を意識するだけで、飲んでいる薬や行っている治療の効果を、グッと高めることができます。医療の現場ではほとんど指導されてこなかった「最高の薬の飲み方」とともに、より健康に生きるために知っておきたい「時間治療」の知見も紹介してくれる本です。
「序章」には次のように書いてありました。
「症状が悪化しやすい時間帯がわかっている疾患に関しては、その時間帯に薬の血中濃度が高くなるようにすることで、治療効果が高くなります。一方で、ほかの時間帯には血中濃度は低くていいのです。そのほうが、有害作用も少なくて済みますから。」
 ……確かに、その通りですね。
 薬を飲む時間で、その効果に違いがでるのは、私たちの体には生体リズム(サーカディアンリズム)があるからで……
「サーカディアンリズムとは、ほぼすべての生物に備えられた約24時間周期の生体リズム。朝になるとコルチゾールが分泌され、血圧と血糖値が上昇して活動状態になる。夜になるとメラトニンが分泌され、血圧や体温、脈拍が下がり睡眠へと向かう」
 ……例えば、ACE阻害薬(高血圧治療薬)を1日1回、朝投与され空咳を訴えている24名の患者さんに対し、投与時間を夜に変更してもらったところ、20名の患者さんで空咳が消失、あるいは改善したなど、多くの事例があるようです。
 また朝型、夜型という体内時計のパターン(クロノタイプ)には、遺伝や加齢要素も関与してはいますが、どちらかというと「好み」の問題だそうです。本書によると「朝型」の方が全体としては健康的な生活を送れるようでした。
本書の第2章では、疾患別の「時間治療」の実例が紹介されていました。
 例えば「血性心疾患」は早朝から午前中にかけて発症しやすいそうです。その理由は……
「早朝には、起床後の身体活動に備えて交感神経が優位になり、血圧や脈拍数が急激に上がり、心筋は多くの酸素を必要とするようになります。ところが、交感神経が優位になれば血管が収縮し、冠動脈を流れる血液の量(冠血流量)の増加は十分でなくなり、心筋は血液不足に陥りやすいのです。
 さらに、早朝は血液の粘度が高く、血小板凝集能が亢進する(増す)ため血栓ができやすくなります。なぜ、早朝に血小板凝集能が亢進するかというと、血小板は消費されるとともに新たに産生されて10~15パーセントが毎日置き換わっており、新たに産生された血小板は主に早朝に血中に放出されることから、この時間帯に血小板凝集能が亢進するためと考えられます。」
 ……そして心筋梗塞の再発予防のためのアスピリンは、1日1回夕食後に飲むのが、早朝の血小板凝集能抑制作用をより期待できるようでした。
 他の疾患でも、ほとんどの事例で、投与時間を夕方から夜に行う方が、効果が上がっているようでした(ただし逆の場合もありますので、疾患や薬ごとに確認する必要があります)。
 さて、この本では薬を摂る効果的時間の他に、健康法についても教えてもらえます。その一部を紹介すると次のような感じ。
「(前略)表皮細胞が細胞分裂を繰り返すことによって肌の若さが保たれますが、細胞分裂は午後11時~午前4時頃に最大になります。したがって、肌の美しさを保つためには入眠してすぐの睡眠が非常に重要です。」
 ……そして7時間睡眠が最適なのだとか。その他にも…
・最強の健康法は「早寝、早起き、朝ごはん」
・ダイエットのためには、朝食は普通に摂り、夕食のカロリーを制限したほうが効果的
・朝食を摂ると良好な睡眠も学力も得られる
・どんな形でも喫煙はNG  など。
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『世界の最新医学が教える最高の薬の飲み方』……飲んでいる薬や行っている治療の効果を高めるための「時間」を、その科学的な根拠とともに教えてくれるだけでなく、健康法も教えてくれる本で、とても参考になりました。健康法については、ごく一般的な健康法とあまり変わらなかったので、すでに実行済みで安心しました(笑)。みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『時間治療』