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第1部 本
IT
14歳から考えるネット社会と私たち(インフォビジュアル研究所)
『図解でわかる 14歳から考えるネット社会と私たち』2025/5/27
インフォビジュアル研究所 (著)

(感想)
サイバー犯罪、SNSの光と影、いま私たちに求められるネットリテラシーについて図解で分かりやすく教えてくれる本です。
古くからの人類と「情報」との歴史的な解説から始まって、インターネットの光と闇が紹介されていました。
私たちが便利に使っているネット世界には、次の「情報セキュリティの10大脅威」があるそうです。
・情報セキュリティの10大脅威
1)ネットサービスからの個人情報の窃盗
2)ネットサービスへの不正ログイン
3)クレジットカード情報の不正利用
4)スマホ決済の不正利用
5)偽警告によるネット詐欺
6)ネット上の誹謗・中傷・デマ
7)フィッシングによる個人情報の詐取
8)不正アプリによるスマホ使用者被害
9)メールやSMSによる脅迫・詐欺
10)ワンクリック請求等の金銭被害
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このうち「フィッシング」とは、実在する組織の名をかたり、偽のメールやSMSで偽のウェブサイトに誘導し、個人情報を盗んだり、マルウェアに感染させたりする手口のことです。私も毎日のようにネットショップや銀行、証券、配送業者などの実在の組織を装ったメールをたくさん受け取っていますが、本当に迷惑なので、これらは是非取り締まっていただきたいと願っています。そもそも、これを送ること自体が「詐欺」で「業務妨害」ではないのでしょうか?
それでもインターネットは有益な情報を手軽に大量に取得できるので、私たちにとっては、すでに不可欠な世界になっています。インターネットには、迷惑メールなどの「闇がある」ことを心得た上で、利用する知恵や技術が必要なのでしょう。
みなさんにもインターネットには「たくさんの闇がある」ことに特に注意して欲しいので、本書から、その一部を紹介します。
まず「ネットを通じて闇バイトを募り遠隔で犯罪を実行させる特殊詐欺」については……
「闇バイトだと気づいて断っても、犯罪グループは個人情報を盾に脅迫してくるため、やめることができません。しかも犯罪に加担しても、約束通り報酬が支払われることはまれです。闇バイトは、いつ逮捕されてもいい「使い捨て」要員をリクルートするために、巧妙に練られた仕組みなのです。」

また「ネット依存が止まらないのは脳内の快楽回路が働くから」では……
「(前略)ネットは次から次へと興味をひく情報を提供し、ドーパミンを放出させます。ドーパミンは適量なら、やる気のもとになりますが、大量に放出されると強い快感が生まれ、ネットがやめられなくなってしまいます。
その結果、睡眠不足や昼夜逆転生活になり、勉強や仕事がままならなくなることも。また、現実の世界で人とうまくコミュニケーションがとれなくなり、不登校や引きこもりになることもあります。さらにネット依存症は、うつ病などの精神疾患を伴いやすいという調査報告もあります。
ネットを使いすぎているという自覚がある人は、利用時間を制限する、SNSを見る回数を減らす、寝る前の使用はやめる、などの予防策をとることが大切です。」
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さらに「SNSの「いいね」が心に及ぼす影響」では……
「(前略)「いいね」の数で人を評価する風潮は、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすといわれています。(中略)
人から認められたいという承認欲求は誰にもあるものです。「いいね」の機能は、この承認欲求を満たし続けてくれるドーパミン製造機のようなもの。そもそもSNSの諸機能は、依存症のメカニズムを応用し、利用者を釘づけにするようにつくられているのです。」
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……SNSとは適度な距離を保つべきなのでしょう。
そして「インターネットを安全に使うためのネットリテラシーの基本原則」には、次の3つがあるそうです。
1)違法・有害コンテンツの対処法を身につけよう
2)インターネット利用の知識と技術を身につけよう
3)プライバシー保護、セキュリティ対策の基本を知っておこう
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プライバシーについては、「他人のプライバシーに配慮すると同時に、自分の個人情報を不用意にネット上に公開しないことも大切。」です。
また、「誤った情報を広めないためにシェアする前にファクトチェックを」の次の情報もとても参考になりました。
・日本のファクトチェック機関:
日本ファクトチェックセンター(https://www.factcheckcecter.jp)
(ネット記事の中での偽情報のチェック、検証を行い、その結果を週刊ニュースレターとして一般に公開している。ファクトチェックの実際を知るのに最適)
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また「ネットの悪意にさらされたら1人で悩まず相談・通報窓口へ」としては……
1)ネットの悪意から心と身を守る連絡先リスト
24時間子どもSOSダイヤル:0120-0-78310
こどもの人権110番:0120-007-110
チャイルドライン:0120-99-7777、https://childline.or.jp/chat
違法・有害情報相談センター:www.ihaho.jp
セーフライン(違法サイトの通報):www.safe-line.jp
誹謗中傷ホットライン:www.saferinternet.or.jp/bullying
人権相談:0570-003-110
法テラス:0570-078374、www.houterasu.or.jp
2)ネット犯罪全般の連絡窓口
インターネットホットラインセンター:www.internethotline.jp
情報セキュリティ安心相談窓口:03-5978-7509
フィッシング対策協議会:info@antiphising.jp
各都道府県警察本部のサイバー犯罪窓口
銀行とりひき相談所、全国銀行協会相談室・あっせん委員会:www.zenginkyo.or.jp
日本データ通信協会迷惑メール相談センター:03-5974-0068
警察相談ダイヤル:#9110
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『図解でわかる 14歳から考えるネット社会と私たち』……ネット社会で賢く生きるための標準装備「リテラシー」や、ネット社会の光と影を教えてくれる本で、とても参考になりました。みなさんも、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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『14歳から考えるネット社会と私たち』