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第1部 本

ビジネス・その他

独学でエンジニアにジョブチェンジする方法(北村拓也)

『生成AIを活用して独学でエンジニアにジョブチェンジする方法』2025/5/30
北村拓也 (著), 北村薫 (監修)


(感想)
 非エンジニアでも未経験でもエンジニアへ転職できる最短ルートと、生成AIを活用して独学でエンジニアになるための効率的な学習方法を解説してくれる本です。
 IPA(情報処理推進機構)の調査では、6割以上の企業が「IT人材が大幅に不足している」と回答していて、経済産業省の試算では、2030年には最大79万人ものIT人材が不足する見込みだそうです。
 それでも単純に「IT人材不足」と言い切れるわけではなく、実は生成AIのために、「プログラムが書けるだけ」のIT人材は不要になりつつある状況にもあります。
「はじめに」には次のように書いてありました。
「(前略)コードそのものの生成にもAIが活用されるようになりました。実際、世界No.1の車を誇るゲーム開発ツールUnityの調査によると、エンジニアの96%が生成AIを使って開発を進めているという結果が出ています。」
 ……それでも、プログラミングのための設計部分の仕事など、より高度な部分でのIT人材はいっそう必要になっているようです。次のようにも書いてありました。
「(前略)むしろ、生成AIを活用して効率よく成果を出し、AIが生成したプログラムを適切に修正・監修できるエンジニアは、これからさらに重宝されるでしょう。(中略)
ソフトウェア開発には、プログラミングの前に、「何をつくるか」を定める要求・要件定義と、「どのようにつくるか」を設計する二段階が欠かせません。ここでは、顧客の声を丁寧にすくい上げ、チームで議論を重ねながら最適解へ辿り着くコミュニケーションが要になります。この領域は、いまなおAIが肩代わりしにくい、人間だけの強みです。(中略)
非エンジニアの気持ちを理解でき、なおかつ生成AIを使いこなせるエンジニアこそがいま求められているのです。」
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 IT業界は、コンピュータに仕事をさせるためのコンピュータ言語(PythonやJavaScriptなど)だけでなく、Webやネットワークなどの専門用語も最初から多数覚える必要があり、学習初期段階でつまずきがちですが、「なぜこの記述が必要なのか」という論理や構造の説明をAIに尋ねることで即座に疑問を解消できたり、Web開発で需要の高い言語については生成AIが多数のプログラムレイヤライブラリを提示してくれたりするので、エンジニアへのジョブチェンジは、以前よりも容易になっているようです。
 また医療介護や金融、製造、物流など特定の業界での業務経験がある人は、その業界特有の規制や慣習、課題(ドメイン知識と言う)を理解した上でITシステムを構築できるという利点があるので、工学系よりも重宝されることもあるようです。
 年収としては、Webエンジニア、モバイルエンジニア、ゲームエンジニア、PCアプリエンジニア、ネットワークエンジニアなどの割と一般的なエンジニアは400~600万円のようですが、エンタープライズエンジニア(企業のシステムの設計開発運用)、データサイエンティスト、インフラエンジニア、セキュリティエンジニア、機械学習エンジニア、クオンツ(金融工学エンジニア)などの高度に専門的な知識が必要なエンジニアは500万円以上と、より高収入を得られるようでした。
 また本書には、エンジニアとして押さえておきたい汎用的な技術・知識の概要紹介もあり、最初のプログラミング言語としては……
「(前略)最初に学ぶ言語は、AIや自動化に興味があるならPython、ゲーム開発に興味があるならC#(Unity)、特に目的が決まっていないならJavaScriptをお勧めします。」
 ……など、とても実践的・具体的なアドバイスがありました。
 そして働き方としては、社内エンジニア、フリーランスエンジニア、個人開発・起業などがあり、それぞれメリットとデメリットが紹介されていました。
 なかでも気になったのが、「ひとり社長エンジニアとAI社員」という働き方。次のように書いてありました。
「著者自身、ChatGPTや、HeyGen、Canva、音声生成AIなど、複数のAIツールに課金し、まるで“AI社員”のように活用してビジネスを動かしています。月々のサブスクリプション費用を合計しても、人間の社員を雇用するより格段にコストが安く、しかもスケールする能力が圧倒的に高いです。文章執筆サポート、動画編集、デザイン、音声生成といった多岐にわたるタスクがAIによって分担されるため、人間ひとりでも月に複数件のオリジナルアプリ開発や複数案件の業務委託など、従来では考えにくかった高い生産性を実現できます。」
 ……これはイイですね☆ アルバイトや社員として人間を雇う場合は、その仕事能力が気になるだけでなく、仕事の受注がうまくいかなくて彼らに給料を払えない事態になったらどうしようとか、気が合わない人だったらどうしようとか、いろんな懸念がありますが、月々のサブスクリプションの“AI社員”ならそんな心配は、いっさいいらないのですから……あれ? でもこれって、「AIに仕事を奪われる」という事態が、すでに現実化しているということですよね……うーん、ちょっと複雑な気持ちにもなってしまいますが……とにかく少なくとも今のAI時代は、新しくエンジニアになるための学習にもAIが使えるし、起業する場合の社員としてもAIが使えるという、「独学でエンジニアにジョブチェンジ」しやすい状況にあることは確かなようです。
 ただしAIを使いこなす場合には……
「(前略)アウトプットに対する最終的な責任は人間にあることを忘れず、常にAIから出てきた結果の精査・調整を怠らない姿勢が重要です。」
 ……これが大事ですね!
 この本では、他にも、会社との面接のためのポートフォリオ(自分がこれまでに手がけた作品や実績をまとめたもの)の作り方や、案件の探し方(フリーランス専門エージェント、クラウドソーシングサイト、SNS、交流会・勉強会を利用する)など、とても参考になる情報をたくさん知ることが出来ました。
「(前略)日進月歩のテクノロジー業界では、いま学んだプログラミング言語やフレームワークが数年後には主流ではなくなる可能性がある反面、常に最新の知識を取り込みアップデートできる人は給与面・キャリア面で大きくリターンを得やすいのです。」
 ……このように常に学び続けていられる方は、日進月歩のテクノロジー業界に向いていると思います。
『生成AIを活用して独学でエンジニアにジョブチェンジする方法』……非エンジニアからエンジニアへ、効率的な学習方法とステップバイステップのガイドです。IT業界への転職を考えている方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『生成AIを活用して独学でエンジニアにジョブチェンジする方法』