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第1部 本
ビジネス・その他
技術広報の教科書(河又涼)
『技術広報の教科書──人事・広報・エンジニアが兼務から始める』2025/9/11
河又 涼 (著)
(感想)
技術広報とは、自社の技術的な取り組みをテックブログや勉強会などを通じて発信し、企業としてのプレゼンスや認知度を高める活動です。技術広報の分野で多くの経験を積む河又さんが、技術広報の役割や始め方を解説した上で、テックブログ、勉強会、カンファレンスへの協賛や登壇、自社イベントの開催などの具体的なノウハウを紹介してくれる『技術広報の教科書』で、主な内容は次の通りです。
第1章 技術広報のスタート地点に立つ
第2章 技術広報に求められるスキルとマインドセット
第3章 テックブログを制するものは技術広報を制する
第4章 イベント開催は技術広報の総合力が試される
第5章 カンファレンススポンサーは認知獲得の最大の武器
第6章 さらにアプローチを広げていくなら
第7章 技術広報の戦略を考える
第8章 技術広報の目標設計と効果測定
第9章 組織開発と技術広報の交差点
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「技術広報」とは、次のようなものだそうです。
・「技術広報とは、企業が持つ技術力や技術的な取り組みを、エンジニアコミュニティに向けて発信し、共有していく活動です。単なる自社のアピールではなく、技術的な知見を世に還元し、エンジニアリングの発展に貢献することを通じで、結果として自社のファンを増やしていく――そんな息の長い取り組みです。」
・「技術広報とは、主にIT社外のエンジニアに向けて、自社の技術的な取り組みをテックブログや勉強会などを通じて発信し、企業としてのプレゼンスや認知度を高める活動です。」
・「(前略)技術広報は自社の技術力を内外に示し、優秀な人材を惹きつけると同時に、社内の技術力そのものを高めるための重要な取り組みと言えます。」
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……とても良い活動のようですね! しかも技術広報コンテンツの蓄積は、企業の認知度向上だけでなく、社員が自社を紹介するときにも使えるそうです。
「第3章 テックブログを制するものは技術広報を制する」によると、「テックブログでは、自社の技術的な取り組みや日々の開発過程で遭遇した課題をどう解決したのか、文章や図解などを通じて社外へ発信」するそうで、その継続的運用を成功させるためには、次のことをすると良いようです。
・発信活動を公式業務として認め、評価制度と連動させる
・コンテンツカレンダーで更新を計画し、ネタ切れや不定期更新を防ぐ
・ポジティブフィードバックを意識し、執筆者のモチベーションを絶やさない
……確かに。テックブログを続けるのには、時間も熱意も必要ですよね……。
そして「第4章 イベント開催は技術広報の総合力が試される」では、オンライン、オフライン、ハイブリッド(オフライン開催のものをオンラインで配信)での開催について、とても具体的な説明がありました。
例えば「コラム:ハイブリッドイベントのコツと機材選定」では……
・複数台のカメラ・マイクを使うときは、音声を混ぜて扱う機材(オーディオミキサー)、映像をまとめて扱う機材(ビデオスイッチャー)が必要
・イベントは「映像」よりも「音質」が大事
・配信に不慣れなうちは、役割は、オフライン担当とオンライン担当を分けること
・会場で起きていることをマイクとカメラで収録し、それらをそのままオンラインに配信する
……など、実践的な解説があります。
「マイクについては、オフライン会場の場合、手持ちマイクが遠すぎて聞こえないケースが多いです。登壇中に指摘するのも一つの手ですが、配信用に別撮りでマイクを立てておくと対策可能です。」
……というような細かいアドバイスや、お勧め機材の具体的な説明もありました。
また「第5章 カンファレンススポンサーは認知獲得の最大の武器」では、カンファレンスにスポンサー参加することで、狙った技術領域のエンジニアから効率的に認知を獲得できることが書いてありました。
なお「スポンサー特典の具体例とメリット」には次のようなものがあります。
1)ロゴ・会社紹介分の掲載(公式サイトやパンフレット、プログラムなどへ)
2)ブース出展
3)スポンサー枠セッション登壇
4)ノベルティやチラシの封入
5)企業CMの放映(幕間など)
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これらの活動を通じて、「ブース出展で直接的なコミュニケーションを図る」、「登壇やノベルティを組み合わせて多面的な露出を狙う」、「カンファランスの関連イベントを通じてコミュニティとの信頼関係を深める」などが期待できるようです。
そして面白いと思ったのが、「アドベントカレンダー」という方法。
「アドベントカレンダーは本来、クリスマスまでの日数をカウントダウンするためのカレンダーを指しますが、エンジニアコミュニティではこれを応用した「12月1日から25日まで、毎日誰かが記事を執筆する」取り組みとして定着しています。」
……こういう「期間限定」イベントだと、ふだん参加しない人も気軽に参加できるかもしれませんね。社内に「技術広報」文化を定着させるのにも役立ちそう。
『技術広報の教科書──人事・広報・エンジニアが兼務から始める』……開発組織の魅力の伝え方にも使える「技術広報」について、幅広く解説してくれる本で、とても参考になりました。技術広報に関わる仕事をしている方や、これから始めようと思っている方は、ぜひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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『技術広報の教科書』