ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
ビジネス・仕事力向上
情報を捨てるセンス 選ぶ技術(ハーツ)
『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』2014/07/18
ノリーナ・ハーツ, 中西 真雄美
(感想)
あふれる情報の海の中で、いかに正しい決断を下すべきかについて教えてくれる本で、主な内容は以下の通りです。
Chapter1 この決断が人生を変える
Step1 めまぐるしく変化する世界とどう取り組むか?
Chapter2 目を見開いて世界を見る
Step2 正しい情報を見落としていないか?
Step3 言葉の力にあやつられていないか?
Chapter3 “真実の管理人”になる
Step4 専門家に服従していないか?
Step5 素人専門家を見逃していないか?
Step6 誰もが“市民ジャーナリスト”になり得るのか?
Step7 成りすましとやらせを選別する
Chapter4 サバイバルスキルを磨く
Step8 数学から逃げていないか?
Step9 “自分という受信機”をチェックしているか?
Chapter5 いまこそ変革を起こす
Step10 “みんなの判断”に同調していないか?
*
「Chapter1 この決断が人生を変える」には、次のように書いてありました。
「選択の達人になるとは、情報の収集、選別、調査分析をうまくこなし、誰を信じ、誰の助言に耳を傾けるべきかをしっかりと見定め、さまざまな選択肢をきちんと分析し、異なる意見を比較評価できるようになることだ。」
そして「Chapter2 目を見開いて世界を見る」には、私たちはある部分に注意を向けると、その周辺を見なくなることや、良い情報だけに注意を向けやすいことへの注意の他に、次のことも書いてありました。
・おしなべて、自分のために考える時間をもっと捻り出したほうがいい
・過去を確固たる道しるべとみなすのはやめよう
・ポケットにプランB、Cを忍ばせて、いつだって方針転換する気でいよう
・すべての結果を予測できるわけではないことを受け入れよう
・成功しても、悦に入らない。失敗しても、自分の限界をつくらない
*
「Chapter3 “真実の管理人”になる」では、なんと科学者の1/3が「スポンサーからの圧力に応えて、研究の構想や方法論、結果を変える」と認めていることを知らせてくれる他に……
・専門家の業績を必ず見ておくこと
・専門家が最新の調査やテクニックをどの程度知っているか質問してみよう
・専門家も人間。たくさんの見当違いをするし、さまざまな偏見ももっていることを覚えておこう
……などのアドバイスもありました。
また素人専門家の体験談やアドバイスは、時として専門家を超えることもあるので、積極的に耳を傾けるべき(ただし必ずしも一般論として受け取ることはできない点にも注意が必要)なのだとか。
そして市民ジャーナリストは、現場や情報源からの、フィルター掛けも情報操作も編集もされていないリアルタイム情報を届けてくれるので、貴重な情報源になる(ただしその信頼性の確認は自分でしなければならない)そうです。
また最近、特に重要性を増している「成りすましとやらせを選別する」能力については……
・「(前略)ウェブ世界はイデオロギー主義者、過激主義者、ウソつき、ペテン師、悪意のあるいたずら者などの温床でもあるという事実に警戒していなければいけない。」
・「中国政府は、チャットルームや新聞のコメント欄、ソーシャルネットワークサイトに政府を支持する投稿をさせ、微妙な話題から議論をそらすため、二八万人を雇っていると言われている。」
・「(前略)フェイスブックが最近明かしたところによると、ユーザー全体の七パーセントは偽物とその手先だということだ。」
……などのかなり恐ろしい情報とともに、ウェブ情報の見極め方も書いてありました。その一部を紹介すると次のような感じ。
<ウェブ情報を見極める>
1)それは誰?(相手と他の方法、電話かスカイプで連絡が取れないか?)
2)どう情報を集めたのか?(実体験からか、目撃者の証人からか、間接的情報だけか?)
3)情報の入手ルートは?(特定の場所なら、それを証明するものは?)
4)情報の内容は?(事実なら証拠は?)
5)同じ主張をする人はいるか?
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なおBBCは、グーグルアースを利用して、写真が撮られたらしい場所が実際に地形と符合するかをチェックしていて、写真が撮られた日時の天気についても、過去の気象データと符合するかチェックしているそうです。
この他にも、次のようなアドバイスが参考になりました。
・目の前に出された数字を見て行動を起こすまえに、いくつか重要な質問をしてみよう (数字を出している人に特別な意図がないか? 操作されていないか? 情報源は?)
・目の前に出された数字がいいとこ取り――とくに何かを強調するために特別な方法でデータを切り分ける――されていないかチェックしよう
・ある研究結果にもとづいた主張(たとえば薬の効果や副作用)を福音として受け入れるまえに、その研究はどんな人たちに対して実施されたものか確認してみよう(男性だけや女性だけ、外国人だけや貧困層だけなどの「サンプルバイアス」がないか)
・重要な決断をするまえには充分な睡眠を
・意思決定をするまえに、今の感情に目を向けよう(意思決定は感情に影響される)
・職場でもサークル内でも、異議や反対意見を積極的に聞こう
・職場では意識的に多様性のあるチームを作ろう
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『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』……世の中に溢れている情報や数字との付き合い方を教えてくれる本でとても参考になりました(ただし「捨てる」センスについては、あまり説明はなかったような気がしますが……)。ここでは紹介しきれないほど、役に立ちそうなアドバイスがたくさんあります。みなさんも、せひ読んでみてください。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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『情報を捨てるセンス 選ぶ技術』