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徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと(ちきりん)

『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』2019/4/4
ちきりん (著)


(感想)
 実際に自宅をリノベーションしたちきりんさんが、リノベ会社選び、契約から設計、施工、引渡までの各プロセスについて具体的に詳しく教えてくれる本で、まさに「リノベーション&リフォーム入門の決定版!」。主な内容は以下の通りです。
第1部 リノベ前に知っておきたいとても大事なこと
第1章 リフォームとリノベはどう違う?
第2章 「リノベならなんでも変えられる」はウソ
第3章 リノベは客と業者の共同プロジェクト
第4章 予算もスケジュールも自分次第
第2部 リノベのリアルプロセス
第5章 リノベ会社のタイプを理解しよう
第6章 実録! リノベ会社の選び方
第7章 現地調査が始まった!
第8章 理想のキッチンを手に入れよう
第9章 契約から工事へ
第10章 リノベ費用と見積書
第3部 リノベ完成! 振り返りとともに
第11章 こんな部屋になりました!
第12章 引越、そしてモノとの格闘
第13章 リノベで「親の家問題」を解決
第14章 さあ始めよう!
   *
 ちきりんさんは自宅をリノベーションすることに決めた後、ネット上の情報を検索しまくり、大量のリノベ本を読んだのですが、知りたいのに見つからない情報がたくさんあったそうです。例えば「リノベにいくらかかったか」は書いてあっても、そもそも予算をどう立てればいいのかはどこにも書いてなかったし、最も重要なリノベ会社選びに関しても、どのように選んだらいいのか分からなかったそうです。
 それでも自分自身でいろいろ調査して考えながらリノベ会社を選び、さらに実際に施行してみたら分かったことがたくさんあったそうで、その経験から、この本がこれからリノベを始めようと思っている方の参考になるようにと、リノベ前後の間取りや写真なども含め、本当に具体的に総合的に詳しく教えてくれます。
「第1部 リノベ前に知っておきたいとても大事なこと」では……
・スケルトン・リノベ(骨組み状態にしてのリノベ)でもできないことはたくさんある
・リノベは顧客と業者の共同プロジェクト
・予算やスケジュールは客側の事情によって大きく変わる
 ……などが大事だと教えてくれました。
 リノベを始めるときには、つい「いくらぐらいかかりますか?」とか、「いつまでかかりますか?」などを顧客側から聞いてしまいがちですが、これらは自分が決めるべきことだそうです。リノベ会社側の考えは「予算を教えてくれれば、ご希望通りのリノベができるかどうかお答えします。」だそうで……考えてみれば当然のことですよね……。ネットや雑誌の情報でだいたいの相場を掴んでおくことは必要ですが、実際にはその家の状態(スケルトンにしてみないと分からないことが多い)や、必要な設備をどこにどのように設置するか、既製品でいいのか手づくりするのか、などの条件で、費用や必要な期間は大幅に変更されるのですから……。
 また「リノベは顧客と業者の共同プロジェクト」では、「医師と患者が病気を治すときと同じようなもの」という喩えにも納得……自分の病気を治すのをすべて医師任せに出来ないのと同じように、リノベも「共同」でやらなければいけないことですよね……。
しかも「共同プロジェクトでは「問題は起こって当たり前」で、その問題を客と担当者が協力して解決していくことになります。」なのです。……確かに。
「第6章 実録! リノベ会社の選び方」では、ちきりんさんは、多くの情報を集めたなかから、まず「個別相談に行きたい10社」を選び、次の目的で個別相談をしたそうです。
・次のステップ(現地調査と初期プラン提案)を依頼したい会社を選ぶ
・今の間取り、予算、スケジュールでどのようなリノベが可能かを相談
・実際に依頼することになれば、どんなタイミングで契約を結び、いつどの程度のお金を払うことになるのか、を理解する。
   *
 また「個別相談には間取り図を持参、希望するリノベ内容も事前にまとめていくとスムーズです。加えて、リノベ会社を選ぶために必要な質問も考えていきましょう。」、「希望イメージを伝えるには画像が役立ちます。好みのインテリアに加え、嫌いなインテリアの写真もスマホに集めておきましょう。」などのコツも教えてくれました。
 そしてこの後は、実際の「現地調査」、「設備選び」、「契約から工事」などについて実際に行ったことを分かりやすく説明してくれています。
 なお多くのリノベの場合、「設備費よりも工事費が高くなる」ようです(ちきりんさんの場合は、設備や資材の購入費用は4割だったそうです)。
そして「第3部 リノベ完成! 振り返りとともに」では、リノベ前後の部屋の様子が設計図と写真で詳しく紹介されています。
 また、このリノベに実際にかかった費用ではありませんが、巻末にはリノベ費用見積もりの参考になる700万円のベースプランと、1200万円のこだわりプランの紹介もありました。
 ……まさに「顧客目線」からのリフォーム本で、とても参考になります!
 そして次の意見には、完全に同意してしまいました。
「選択肢としてもっと増えればいいと思うのは、スケルトン状態で売られている中古マンションです。古い内装が残っているリノベ前の中古マンションには「壊してみないと躯体の状態がわからない」というリスクがあります。一方、リノベずみだと(キレイでおしゃれであっても)買い主の希望に沿わない部分が必ずあります。中古マンションがスケルトン状態で売られていればリスクも少なく、好み通りに設計することも可能で、極端な話、新築マンションもスケルトン状態で売り出されればいいのにと思うほどです。
 個人の売り主にとっては、わざわざスケルトンにしてから物件を売り出すのは手間でしかありませんが、不動産会社がいったん買い取って再販する物件では、そういった売り方もちらほら見るようになりました。」
 ……まったくその通りですね! 中古マンションを買おうと思ったとき、個人的に最も気になるのは、その物件は構造的にしっかりしているのか?(内装がキレイでも、見えない場所の配管がボロボロなのではないか?)ということ。構造や配管は通常外から見えないので、ぜひそれを明らかにした状態で見たいと思います。
 また購入時だけでなく、いま住んでいる自分の家も、天井裏やパイプシャフトの中を点検するなどして、定期的に構造や配管の状態を確認できると良いなと思います。
 この他、参考に出来る情報を得られるサイトなどの情報もありました。
・国土交通省 住宅リフォーム事業者団体登録制度
・一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
・一般社団法人 リノベーション協議会
(なお社団法人住宅リフォーム推進協議会のサイトで、リフォームの標準契約書をダウンロード可能だそうです。)
『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』……自分が中古マンションをリノベしたときのことを、具体的に分かりやすく教えてくれる本で、参考になることが本当に満載でした。
 この他にも、「3月の引っ越しは避けましょう。また不要家財の処分業者や保管業者は早めに探し始めましょう。」とか、リノベ関連の税制優遇には「工事完了から3か月以内に申請すること」という条件があることがあるとか、実家のリノベーションをして良かったこととか、実践的に役に立つ情報ばかりです。
 みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『徹底的に考えてリノベをしたら、みんなに伝えたくなった50のこと』