ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
健康&エクササイズ
良い眠りの科学(シン)
『良い眠りの科学:睡眠専門医が教える4つのステップ』2024/10/22
アビヒナブ・シン (著), シャーロット・ジェンセン (著), 武岡 幸代 (翻訳)
(感想)
全米プロバスケットボール協会(NBA)のチーム、インディアナ・ペイサーズの睡眠指導を行い、7000人以上の患者を治療してきた睡眠障害研究の第一人者の医師のシンさんが、「よりよく眠るための簡単な方法」を教えてくれる本で、主な内容は次の通りです。
序文 ビル・バッフィー医師
はじめに
第1部 │ 睡眠の謎を解き明かせ
第1章 睡眠――永遠の謎
第2章 睡眠不足の隠れた真実
第3章 良質の睡眠で成功をつかもう
第2部 │ 睡眠に勝る薬はない
第4章 脳洗浄
第5章 睡眠がもたらす50の幸せ
第6章 睡眠の基礎――子供の健康と睡眠
第7章 素敵に歳を重ねるための睡眠
第3部 │ よりよい睡眠とは
第8章 コロナ禍の睡眠
第9章 眠りをまた好きになって!
第10章 睡眠のリセット
第11章 1350万分を活かそう!
用語集
謝辞
訳者あとがき
参考文献
索引
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「第1部 │ 睡眠の謎を解き明かせ」には、次のようなことが書いてありました。
・本来持つ機能を修復し復元させるための行動=睡眠
・「(前略)いびきは、身体全体が治さなければならないほどひどい健康状態であるということを意味する。」
・「(前略)3週間というのは、睡眠スケジュールを自然な元の状態に戻すのに必要な期間である。」
・睡眠不足は免疫機能も低下させる
・「(前略)睡眠時間が減ると、胃の粘膜からグレリンというホルモンがより多く分泌されるようになる。(中略)このホルモンは脳に「食べて、もっと食べて! まだまだ食べて!」とメッセージを送っている。一方、レプチンというホルモンは「やめて! 食べるのをやめて! もう十分だから!」と食欲を抑制している。睡眠不足では、このレプチンは抑制される。だから、睡眠時間が減ると、もっと体重が増えるということにつながる。」
・「(前略)健康成人でも、睡眠不足の人の方が冠動脈の石灰化が3倍の確率で起きている。」
*
……良質の睡眠を得られないと、良質のパフォーマンスを発揮しつづけられなくなります。
いびきや睡眠障害に悩んでいる方は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。睡眠時無呼吸症候群には、CPAP(持続陽圧呼吸療法)という治療方法があり、これは睡眠時に装置を使用するようです(電池で動く携帯用の小さめの装置もある)。アメリカのプロスポーツ選手は、長時間の練習の後、試合のために他の都市へ急いで移動する(機内に詰め込まれて時間変更線をまたいでホテルからホテルへ移動)ことが多いため、睡眠時無呼吸症候群に悩んでいる人も多いようです。
毎晩8時間以上睡眠をとると、疲労を感じにくくなる、動きが俊敏になる、精神が安定するなど多大な恩恵を受けられるので、プロスポーツ選手だけでなく、すべての人に「良質な睡眠」がとれる環境が整っていて欲しいと願わずにはいられませんでした。
続く「第2部 │ 睡眠に勝る薬はない」では、睡眠中に「脳洗浄」が行われているなどの睡眠の3段階に関する情報の他、「15分から20分の昼寝(リチャージ)」の持つ効用や、「お勧めの子供の睡眠プラン」などが書いてありました。
ちなみに「お勧めの子供の睡眠プラン」の概要は……
1)毎日(終末でも)同じ時間に寝起きする
2)就寝前2時間はスクリーンを見ない
3)歯磨き、パジャマへの着替え、ベッドでのお話タイムに30分かける
4)寝室は静かで落ち着いた雰囲気で暗くし、室温は20度くらいの涼しめに設定する
5)子供がまだ起きている間(眠気が出てとろんとし始めることが一番よい)で、寝てしまう前に、部屋から出る
6)日課にする(できるだけ、あなたのルーティンとして継続する)
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……というものでしたが……親が毎日これをやる(支援する)のは、なかなか大変かもしれません。
また子供の年齢別の特別の配慮についても、詳しい記載がありました(乳児に必要な睡眠時間は12~15時間、小学生は9~11時間など。各年齢の子供の特性に合わせた寝かせ方も)。
少し驚かされたのが、コラム「睡眠時無呼吸症候群と手術」の次の記述。
「(前略)今は、手術を受ける患者に予め睡眠時無呼吸症候群の治療をしておかなければ、術後のあらゆる危険な状況を招きかねないことがわかっている。手術は身体にストレスをかけ、その結果アドレナリンが大量に産生される。未治療の睡眠時無呼吸症候群も体内に大量のアドレナリンを放出する。すると血糖も増加し、心臓にも悪影響を及ぼす。また、アドレナリン過剰になると、傷の治りは遅延し、血糖も上昇し、心臓にも無理をさせ不整脈も起こしやすくなる。さらに術後は、鎮静剤、筋弛緩剤、睡眠薬などのさまざまな種類の薬剤も投与され、睡眠時無呼吸症候群をますます憎悪させる。
手術は身体にとって大火事のようなものだ。(中略)さらに未治療の睡眠時無呼吸症候群があると、火に油を注ぐようなものである。」
……考えてみれば、確かにその通りですね! 日本でも、睡眠時無呼吸症候群への対処をしてから、大きな手術をするようにすべきではないでしょうか。
そして睡眠障害を抱える人にとって、最も参考になりそうだったのは「第3部 │ よりよい睡眠とは」。ここでは、「シン医師の最適な睡眠のための4ステップメソッド」や、「お勧めの日中スケジュール」などが紹介されていました。
ちなみに「シン医師の最適な睡眠のための4ステップメソッド」の概略は……
1)シャワー(15分)
2)日記(15分)
3)読書(15分)
4)呼吸(15分)
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……というもの。なんと合計1時間ものステップなのです。この中で「日記」という方法が意外でしたが、これは、心の中の慌ただしさを確実に静めるため、心配事などを紙に書いて頭から追い出すために書くようです。……なるほど。
また「お勧めの日中スケジュール」のごく一部を紹介すると……
(午前中)
・毎朝、同じ時刻に起床
・健康的な朝食(前の食事から12時間以上おいて)
・日光を浴びる など
(午後)
・昼食をとる
・午後にはカフェインを控える
・運動する など
(夜)
・夕食をとる(就寝の2、3時間前)
・アルコールは就寝3時間前までに
・就寝2時間前から照明を薄暗く
・寝室にはスクリーンを置かない
・携帯電話はベッドから手の届かない場所に置く
・ベッドに行く前の最後にトイレに
・部屋は暗く、涼しく、静かに など
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『良い眠りの科学:睡眠専門医が教える4つのステップ』……「良い眠り」にはどんな効用があるのか、それを得るためにはどうしたらいいのか、を具体的に教えてくれる本でとても参考になりました。もっとも、ごく一般的な健康法で実施を推奨されている睡眠法とほぼ同じだったので、すでに実行済みではありましたが……(それでも復習にはなりました)。
またCPAP(持続陽圧呼吸療法)という装置を使う、睡眠時無呼吸症候群の治療法についても教えてもらえます。睡眠障害に悩んでいる方は、ぜひ読んでみてください。何かヒントを掴めるかもしれません。
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なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。
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良い眠りの科学