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第1部 本

教育(学習)読書

ナースの教え方 超入門(葛田一雄)

『1人でも部下を持ってしまった人のためのナースの教え方 超入門 (NEW MEDICAL MANAGEMENT)』2024/9/10
葛田一雄 (著)


(感想)
 慢性的な人手不足で年中、人が出たり入ったりする看護現場で必須なのが、新人を指導する「教えるスキル」。短期で仕事を教えるのに有効なOJTの基本スキルを、誰でも使えるように詳しく解説してくれる本です。
 病院でテキパキ仕事をしている看護師さんは、どのように「教えられて」患者さんへの対処スキルを磨いているのかに好奇心を抱いて、この本を読んでみたのですが、ナースだけでなく、いろんな仕事のOJTにも活かせそうなヒントをたくさんもらえました。
 なおOJTとは……
「OJTとは、職場の上司や先輩が、部下や後輩に対し具体的な仕事を与えて、その仕事を通して、仕事に必要な知識・技量・技能・態度などを意図的・計画的・継続的に指導し、習得させることによって全体的な業務処理能力や力量を育成する活動です。」
 ……ということは、みなさんご存じだと思いますが、なんとなく「職場の先輩が、自分の経験を頼りに、その場その場で新人をサポートする」ものかなー、と感じてしまっていたのですが、それは大間違いだと知りました(苦笑)。
「計画を立て、実践し、計画を達成しないと、その場限りのOJTになってしまう。」のです!
 そして「OJTの定着には組織ぐるみの仕組みが必要」で、「OJTは、職場として臨床に必要となる能力をOJTリーダーがOJTフォロワーに対して、意図的、継続的に研鑽していくために欠かせない仕組みです。(中略)OJTを意図的、計画的、組織的、そして継続的に行うことが必要です。」
 ……OJTには「計画」が必要だったんですね☆
 ちなみにOJTフォロワーに教える「フォーマルな事柄」には。次のようなものがあるそうです。
・看護計画(方針理解、関係者との連携)
・患者・家族との適切応対(印象の良い応対、礼儀正しい言動、正しい理解)
・業務の確実遂行(整理整頓、確実遂行)
・業務知識の習得(業務知識習得、ノウハウ習得)
・情報共有化(タイムリーな報告、確実な回答)
・チームワーク(スタッフマインド、支援)
・コミュニケーション(適宜な報告、わかりやすい伝達)
・実行(正しい理解、素早い着手)
・自己成長(先入観の排除、関連知識吸収)
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 そしてOJTの進め方ポイントは……
1)育成の仕方を計画する
2)キャリアの明示
3)期待水準を具体化する(何を目指すのか、どういう状態にするのか、どういう成果を期待するのか、何を身につけて欲しいのか)
4)目標の共有化を図る
5)教え方を手順化する
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 またOJTリーダーに必要な8つの能力は……
1)情報収集力
2)分析能力
3)プログラム作成能力(育成計画と手順)
4)評価する能力
5)概念化能力(体験と理論を関連づける能力)
6)学習支援能力
7)活動促進能力
8)改善能力
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『1人でも部下を持ってしまった人のためのナースの教え方 超入門』……ここで紹介した以外にも、組織ぐるみでOJTの仕組みを作るポイント、目標を設定するための面談の進め方、OJTの成果を出すためのPDCAサイクルの実践方法など、より効果的にOJTを進める上で必要な基本をポイント解説してくれる本で、ナースの方はもちろん、一般の会社で社員教育の仕事をしている方にも参考になる本でした。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『ナースの教え方 超入門』