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第1部 本

健康&エクササイズ

スキンダイビング・セーフティ 3訂版(岡本美鈴)

『スキンダイビング・セーフティ 3訂版』2024/11/27
岡本美鈴 (著), 千足耕一 (著), 藤本浩一 (著), 須賀次郎 (著)


(感想)
 スキンダイビングの基本とその安全対策などについて、分かりやすく教えてくれる本で、主な内容は次の通りです。
Section1 概論
Section2 スキンダイビング入門
Section3 スキンダイビング活動
Section4 息こらえ潜水の生理学
Section5 スキンダイビングの事故例
Section6 器材と技術
Section7 フリーダイビング・セーフティ
Section8 対談
Section9 座談会
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「Section1 概論」には、潜水やスキンダイビングについて次のように書いてありました。
・「潜水の方法は、息をこらえてその範囲内で水中で活動する方法と、呼吸する空気を水中に持ち込むか、ホースで送る方法がある。空気を持ち込む方法がスクーバであり、ホースで送る方法が送気式潜水、すなわち、ヘルメット式や全面マスク式潜水である。」
・「ここでは、安全性確立の見地から、日本で一般的に考えられている概念を確定するために、1.フィン、マスク、スノーケルを使って、息をこらえて水深10mくらいまで潜り、2.潜っている時間は1分前後を限度として、3.高校生以上から高齢者まで楽しめるスポーツとして、また、4.浅い海での調査、採集などに研究者が手軽にできるリサーチなどの息こらえ潜水を、「スキンダイビング」と定義する。そして、5.深さ、息を止めていられる長さを競う競技は含めないもの、とする。」
・「この本では、自然環境の中では、フローティングベストなど浮力のある材質で作られたベストを着用して水面を浮いて遊ぶことをスノーケリングと呼び、フローティングベストを着けなければスキンダイビングとする。」
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 また危険性や安全対策の概要については……
・「息こらえダイビングの危険には、息を堪える、止めていることによる生理的な危険と、高い水圧で押しつぶされる物理的な危険と、波浪、流れなど外部から受ける危険がある。」
・「欲をかかない(無理はしない)。拘束に注意する。息をこらえる長さは1分前後。これらは、海で活動するすべてのスキンダイバーの安全確保に共通するポイントである。」
(※拘束=装備や身体の一部が漁網やロープ、岩などに絡むこと)
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 続く「Section2 スキンダイビング入門」では、「一般的には200m程度を止まらずに泳ぎ続けることができる泳力を備えているのが望ましい」こと、「バディとともに行う」ことや、「装備の選択とフィッティング」についての解説があり、プールでの練習の概要についても次のように紹介されていました(本文中では、もっと詳しい説明があります)。
・プールでの練習(水深は1.3m程度)
1)点呼、健康チェック
2)準備運動
3)バディ決め
4)器材の選択
5)水慣れ
6)フィンキック
7)フィンキックのバリエーション
8)スノーケル呼吸
9)スノーケルクリア(吹き出し法によるスノーケルクリア)
10)水面フィン泳(スノーケル呼吸)
11)マスククリア
12)逆立ち歩き(息こらえとスノーケルクリア)
13)潜水と耳抜き(交互潜水)
14)器材着脱泳(フル装備から、プールを1往復するたびに器材を1つずつ外しながら泳ぐ。器材が外れた場合の感覚などを身につけることができる)
15)クールダウン
16)エキジット(プールから退水、整理体操、洗浄など)
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 またスキンダイビングを行う上での安全原則としては……
<スキンダイビングを行う上での安全原則>
・自分の体力を超えない範囲でスキンダイビングを行うこと
・普段からトレーニングしておくこと
・健康状態を確認すること
・活動の前日には睡眠を十分とること
・自分に合った手入れの行き届いた器材を用いること
・コンディションが悪い時には潜らないこと
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 そして「Section4 息こらえ潜水の生理学」では、潜水には危険がともなっていることを痛感させられました。ここでは「ブラックアウト(意識喪失)」の危険性や、「耳抜き」の重要性(早めに、こまめに、やさしく行う)、「肺損傷の防止のためには、段階的に深度を取って圧力に身体を少しずつ慣らしていくことが重要」など、息こらえ潜水が、体にどのように影響するのかをじっくり教えてもらえます。
 さらに「Section5 スキンダイビングの事故例」では過去の事故について、「Section7 フリーダイビング・セーフティ」では、フリーダイビング特有のリスク(ブラックアウト、肺のスクイーズ、減圧症、窒素酔いなど)についても知ることが出来ました。
 そして実際にスキンダイビングをやる方や始めようと考えている方にとっては、「Section6 器材と技術」で教えてもらえる4人の著者それぞれの器材等の選定方法や、ご自身の体験について語ってくれる「Section8 対談」、「Section9 座談会」も、とても参考になると思います。
『スキンダイビング・セーフティ 3訂版』……スキンダイビングについて総合的・実践的に解説してくれる本で、とても勉強になりました。
 好奇心旺盛で、いろんなスポーツを少しずつ体験したことがありますが、潜水はやったことがなかったので、好奇心から読んでみた本ですが、私にはちょっとハードルが高かったようです(苦笑)。
 それでも、なんと「スキンダイビングは、重い器材を背負うことがないので、体に負担がかからず、60歳を超えてから始めても問題なし」だそうなので、興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『スキンダイビング・セーフティ 3訂版』