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第1部 本

生活

作業療法士が伝えたい ケガをしない家づくり(満元貴治)

『作業療法士が伝えたい ケガをしない家づくり: 住宅内事故を防ぐ50の方法』2023/9/9
満元 貴治 (著)


(感想)
 どのような家ならケガをしにくく、安全に暮らすことができるのか……作業療法士としてリハビリに10年以上携わり、また約100棟の住宅の調査・改修にも関わった満元さんが、誰もが安全に住み続けられる家の「安全持続性能」を紹介してくれる本です。
 住宅内で「転倒・転落」してケガをするケースは非常に多く、東京消防庁のデータによると、高齢者で転倒・転落にて救急搬送された人の約60%は住宅で発生しているそうですまた、高齢者に限らず子供なども、住宅内の段差、階段、玄関だけでなく、高い場所の物を取り出そうと椅子から転落し、重傷になるケースもあるのだとか。

 この本では、そんな住宅内事故を防ぐ50の方法を具体的に教えてくれます。
 例えば、次のような方法が紹介されていました(一部を抜粋紹介します)
「Chapter5 図解安全持続性能(安全性編)」から……
(玄関室内側)
01 上がり框に手すり設置
05 靴着脱のために座れる場所を
06 子どもが一人で外出できないようなカギに
(階段(手すりなど))
07 階段に必ず手すりを
10 暗がりに足元灯を
11 踏面に滑り止めを
(階段の段差)
15 階段の段差は安全な高さ、奥行に
16 まわり階段は踊り場付に
(換気システム・収納)
20 換気システムはメンテナンスしやすい位置に
22 緊急防災用品は取り出しやすいところに
   *
 また「Chapter6 図解安全持続性能(持続性編)」からは……
(土間収納)
23 24 ベビーカー・車いすを収納できるスペースを
(トイレ)
28 入口は引き戸に
(室内干しスペース)
35 メリットが多い室内干し
36 洗濯動線は1階に集める
   *
 ……など。とても参考にはなったのですが、廊下を車いすが通れるようにする、トイレや洗面は介助者が介護できる広さにするなど、どうしてもコスト高になってしまう方法も多かったので、費用と効果をよく考えて決める必要がありそうに感じました。
 住宅の本は結構読んでいるので、特に目新しい方法があったわけではありませんでしたが、作業療法士の経験を通して教えてくれているので実践的な内容が多く、これから新築・改築を考えている方は、ぜひ一度、読んでみてください。
 なお、満元さんはYouTubeチャンネル「ヨシローの家」で住宅に関する情報を発信していて、間取りの設計基準「安全持続性能」(ヨシロー基準)も発表されているそうなので、それも参考になると思います。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『作業療法士が伝えたい ケガをしない家づくり』