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第1部 本

教育(学習)読書

情報サービス論-第2版(竹之内禎)

『情報サービス論-第2版 (4) (ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望 4)』2024/5/2
竹之内 禎 (編集), 二村 健 (監修)


(感想)
 単に資料を利用者に渡すだけではなく、図書館員の側が相手を理解することに努め、本当に有用と思われる信頼できる情報・情報資源を、知識を総動員して提供するという情報サービスの本質を説く「情報サービス論」のテキストで、「ベーシック司書講座・図書館の基礎と展望」シリーズの一冊です。
「図書館の情報サービス」は、個々の調べごとの相談に応じる、情報提供・発信することで、具体的には次のようなものがあります。
・レファレンスサービス(質問回答サービス)
・レフェラルサービス(利用者から質問を受けた際、図書館がもつ情報源で回答できない場合に、その分野の専門家や専門機関に代理で紹介して情報を入手し提供したり、専門家や専門機関を紹介したりするサービス)
・カレントアウェアネスサービス(図書館が最新情報を提供するサービス)
・レファレンスコネクションの構築管理
・パスファインダー(利用者が特定の主題の調べものにとりかかる際に役立つ手引き)等のレファレンスツールの作成
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 そして「レファレンスツールの種類」としては、次のようなものがあるのだとか。
1)案内型ツール(書誌、目録、索引誌、抄録誌)
2)回答型ツール(事典、辞典、字典、便覧・ハンドブック、年鑑・白書、図鑑、地図帳、年表、名鑑、人名辞典・人名録、統計)
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 ……レファレンスツールって、目録や事典などだったんですね! これなら私たち一般人でも、それらの保管場所さえ教えてもらえれば、調べたいことを自分で調べられそうです。
 図書館はよく利用していますが、図書館の人にレファレンスサービスを頼んだことはありませんでした……でも、調べたいことを自分で調べるようになりたいとは常々思っていて、そのために本書を読んでみたのです。
 この本では、上記のレファレンスツールだけでなく、次のようなデータベース等の役立つ情報もありました。参考までに、以下にその一部を紹介します。
・国会図書館サーチ(NDL SEARCH)
・J-STAGE(日本国内の主要学会発行電子ジャーナル掲載記事・論文のデータベース)
・日本最大の総合目録:CiNii Books(NII):総合目録作成システム NACSIS-CAT
・CiNii Research:研究データ、論文、本、博士論文、プロジェクト等の情報を統合的に検索できるデータベース
・Webcat Plus(図書の概要)
・政府統計総合窓口e-Stat
・JAPAN SEARCH(さまざまなデジタル・アーカイブを一括検索できるプラットフォーム)
・電子図書館
・Google Scholar:Web上学術資料検索ツール(Googleの無料提供)
・ニュースサイト、新聞記事データベース
・日経電子版
・日経テレコン(日本経済新聞社の会員制ビジネスデータベースサービス)
・大宅壮一文庫雑誌記事索引(雑誌専門図書館)
・著作権フリーの電子図書館:青空文庫、Project Gutenberg
・古書:日本の古本屋ウェブサイト、スーパー源氏ウェブサイト
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 さて、インターネットはとても便利なので、図書館の人もインターネットの情報を活用しているようですが、そのための注意点についても、次のような記載がありました。
・サーチエンジンを利用する際の注意点
1)必要な情報を網羅的に(もれなくすべて)探せるとは限らない
2)得られる情報が常に正しい(最新の)情報とは限らない
3)上位の検索結果が重要とは限らない
4)検索手段として効率的とは限らない(ほかに適切な情報源がある可能性もある)
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「インターネットは強力なツールとして利用できるが、情報探索のプロである図書館員がその選別眼・鑑別眼を発揮して、より信頼できるものを選び抜いて提供することが大切。」なんですね!
 なお「ドメインによるWebサイトの信頼性」についても、「信頼できる(ac.jp(日本の高等教育機関・研究所)、.edu(アメリカの高等教育機関))」、「信頼性は高い(go.jp(日本の政府機関)、.gov(アメリカの政府機関))」などと書いてありました。……なるほど、そういえば、そうですね。
『情報サービス論-第2版』……図書館で働く人のための教育テキストですが、資料の検索能力を高めたい私のような一般人にも、とても参考になる本でした。みなさんも、読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『情報サービス論-第2版』