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第1部 本

社会

世界最高峰の研究者たちが予測する未来(山本康正)

『世界最高峰の研究者たちが予測する未来 (SB新書 629)』2023/9/6
山本康正 (著)


(感想)
 エンターテインメント、金融、不動産、製造、医療・ヘルスケア、教育などの産業には、生成AIをはじめとする最新テクノロジーによって、どのような変革が起きるのかを予測。これからの世界を生き抜くヒントを与えてくれる本で、主な内容は次の通りです。
はじめに
第1章 エンターテイメント業界――破壊的技術が迫る時代の危機
第2章 金融業界――ブロックチェーンが引き起こす未曾有の地殻変動
第3章 製造業――次世代テクノロジーがもたらす革新と破壊
第4章 不動産業――拡大する不動産テックと計り知れない効果
第5章 医療業界――生命と倫理にかかわる技術革新の波紋
第6章 教育業界――従来の教育システムが崩壊する
おわりに
   *
『世界最高峰の研究者たちが予測する未来』というタイトルだったので、各章とも誰か「世界最高峰の研究者」がそれぞれの予測を語ってくれるのだと予想したのですが、実際にはすべての予測を行っているのは著者の山本さんで、自らの予測の裏付けとして、「ハーバード大学、スタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)など、世界を舞台に活躍する一流エンジニアを輩出する名門大学・研究機関の研究者や関係者が発表している研究データ」に基づいた予測も紹介しているという感じでした。
 全体としては、AIも含めた最新ITテクノロジーの普及に伴う社会変化を中心とした予測が多かったと思います。そういう意味で、かなりIT技術に偏った未来予測だなーとは思いましたが、このように推移する可能性が高いようにも感じたので、読んでとても参考になりました。
 個人的に最も参考になったのは、「第2章 金融業界」。特にiPhoneのアップルの金融業界参入の話に驚かされました。次のように書いてあったのです。
「金融業界における大変動は、アップルが牽引しています。中でもいま最も注目すべきトピックは、2023年の4月17日からアメリカでサービスの提供をスタートした、アップル貯蓄銀行口座サービス。正式名称は「Apple Card Saving」です。
 インフレの傾向を反映して、金利は4.15%から開始。瞬く間にユーザーから支持され、サービス開始からわずか4日ほどで、預金額は約10億ドル近くを達成しました。」
 ……なんとアップルは、30秒で開設できるスマホ銀行をスタートしていたのです。次のようにも書いてありました。
「スマホは個人情報の塊です。そのため、指紋認証などのセキュリティが施されており、誰がそのスマホを保有しているのかなど、個人認証の信頼性も極めて高い。クレジットカードという与信、スマホという高セキュリティなデバイス。この2つをかけ合わせることで、わずか30秒での貯蓄口座開設を可能にしているのです。」
 ……なるほど……この銀行はかなり貯蓄の金利が高いのですが、アップルは金利差で儲けようとは考えておらず、その目的はiPhoneユーザの拡大や囲い込みにあるようです。
 なおグーグルについても……
「グーグルは決済サービスGoogle Pay(2023年にGoogleウォレットに改称)を展開しています。」
 ……とあり、メガテックは続々と、アメリカの金融業界に参入しているようです。
 日本の銀行もやたらと「スマホアプリ」を宣伝していて……落としたときが怖いので、あまりスマホには依存したくない私としては嬉しくない動きなのですが……このような金融業界の「スマホ化」の傾向は今後もずっと続くのでしょう。
 続く「第3章 製造業」では……
「製造業の未来は、大きく2つのテクノロジーが変革していきます。
 1つは、生成AIも含めたAI関連技術。もうひとつはロボティクスです。」
 ……と書いてあり、この予測も、たぶん間違いなく、そうなっていくと思います。
 そして「第4章 不動産業」では、AIの活用で、物件、ローン、ライフプランに各個人の最適な案が提案されるという予測の他、「Google Immersive view」の利用で、自宅にいながら簡単に暮らしたい都市を選ぶことが出来るようになることが予測されていました。この「Google Immersive view」で、時間や晴れの日、雨の日などを指定して見たい場所の検索ができるそうです……とても便利そうですね!
 さらに「第5章 医療業界」では、AIとデータ解析(画像解析)、スマートウォッチがもたらす個人化医療や、AI医療ロボット、そしてCRISPR-Cas9などのバイオテクノロジーなどが紹介されています。
 そして最後の「第6章 教育業界」では、オンライン教育やAIによるパーソナライズド学習の普及が予測されていました。
 AIやIT技術が大半の仕事をアシストしてくれるようになるので、今後、私たち人間に求められるのは、「コミュニケーションの上達」と「コンピューターサイエンス」だそうです。そして子供や若者だけでなく、誰もが最先端テクノロジーについて学ぶのが当たり前になっていくことが大事だと書いてありました。
『世界最高峰の研究者たちが予測する未来』……近未来の社会(生活)を予測している本で、かなりの説得力を感じました。
「はじめに」では、2030年の東京・八重洲のメーカーに勤務している大澤さん(28歳)の日常が描かれていて、どんな社会(生活)になっていくのかを具体的に教えて(想像させて)くれます。2030年というごく近い未来のせいか、意外に普通の生活のようにも感じました(笑)。もちろん今よりずっと「便利」な社会ではありましたが……。
 みなさんも、一度読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『世界最高峰の研究者たちが予測する未来』