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第1部 本

科学

化学で世界はすべて読み解ける(左巻健男)

『化学で世界はすべて読み解ける 人類史、生命、暮らしのしくみ (SB新書 631)』2023/10/6
左巻健男 (著)


(感想)
 わたしたちの生活に根づいている素材・物質を取り上げて、各物質・素材の歴史的変遷やサイエンスメカニズムを、化学のプロが分かりやすく解説してくれる本で、内容は次の通りです。
はじめに 読者のみなさんへ
1章 水 「氷は0℃」と思っていませんか?
2章 水と衛生 古代ローマ人のお風呂愛はお湯より熱かった!?
3章 火 「大気」と「空気」はどう違う?
4章 金属 小魚にはカルシウムは含まれていない!?
5章 セラミックス 粘土を焼くと、なぜ硬い土器になるの?
6章 ガラス クレオパトラもガラスビーズを眺めていた?
7章 ダイナマイト 家庭用コンロのガスが臭いのはなぜ?
8章 染料 アイシャドーと口紅、化粧品はどこで生まれた?
9章 医薬品 使いすぎるとどの抗生物質も効かなくなるって、ホント?
10章 農薬 世界80億人の命を、化学肥料が支えている?
11章 合成繊維 ストッキングの糸は、細いのになぜ強いのか?
12章 プラスチック 紙おむつの吸収力がすごいのはどうして?
13章 石油 石油、ガソリン、灯油、軽油、重油……違いは何?
   *
 化学は得意な方だと思っていたのですが、最初の「1章 水 「氷は0℃」と思っていませんか?」から、思いがけないことをたくさん知ることが出来ました。例えば……
・「(前略)マイナス18℃の場所では、氷はマイナス18℃になります。それを取り出して常温に置くと、まわりからの熱で次第に温度が上がっていきます。0℃になると融けはじめます。融け終わるまで0℃です。これは加えられた熱が、氷の水分子間の結合を解いて、分子があちこち動ける液体の水になることに使われるからです。」
・「水蒸気は100℃どころではなく200℃、300℃を超えるような高い温度にもなります。水蒸気は最高で100℃ではなく、300℃を超える場合もあるのです。
これを「過熱水蒸気」といいます。熱くて乾いた感じのする水蒸気です。
 過熱水蒸気を当てるとマッチに火がつき、紙も焦げだします。水蒸気でぬれるのではなく、水蒸気で焦げるのです。」
 ……氷は0℃になるだけでなく、0℃以下の何度にでもなる……考えてみれば当たり前のことでしたが……なんか目からウロコ感がありました(苦笑)。
 また水蒸気で紙が燃える(!)というのは、本当に知りませんでした。水蒸気が100℃だけでなく300℃を超えることもあるとは……。なんとなく「水蒸気」は「液体と気体の中間」のような気がしていたので、そんなに高温にもなれるとは想像していませんでした……。
 さらに「水が氷よりも重い理由」についても、次のように詳しく知ることができ、すごく腑に落ちました。
「水は、自然界にあるいろいろな物質の中で、他とは異なる性質を持っています。最大の特徴は、固体の氷のほうが液体の水よりも、同じ体積で軽いということです。
 同体積で比べると、ほとんどの物質は液体のときよりも固体のときのほうが重いのです。」
「普通の氷は、水分子が水素結合で結びついて結晶になっており、この結晶を上から見ると、水分子は六角形の形に並んでいます。雪の結晶もこの構造の集まりですから六角形になります。水素結合のせいで氷は隙間が大きいのです。
 液体の水になると水素結合がかなり切れて、水分子が乱雑に動き回るようになります。水素結合がなくなると、水分子間の隙間が埋まって密度は大きくなります。」
 ……水素結合で結晶が六角形になるから、水よりも氷の方が、隙間が大きくなるんですか……なるほど。
 また「4章 金属 小魚にはカルシウムは含まれていない!?」でも、自分の勘違いに気づかされました(苦笑)。カルシウムは単体では「銀色」だそうです(ナトリウムやカリウムも銀色)。実は、炭酸カルシウムなどのカルシウムの化合物はみんな白色で、魚の骨はカルシウムとリンと酸素の化合物(リン酸カルシウム)なのだそうです。カルシウムは「白」だと、すっかり信じていました……「銀色」なのか……。
ちなみに「金属元素だけからできている金属の特徴」には、次のものがあるそうです。
1)金属光沢(金と銅以外は銀色)
2)電気・熱の良伝導性
3)展性(叩くと板状に薄く広がる)、延性(引っ張ると延びる)
 ……金と銅以外の金属は、すべて銀色をしているんですね……。
 そして「6章 ガラス クレオパトラもガラスビーズを眺めていた?」でも、次のような意外なことが……
「ガラスには「化学変化を受けにくい」という性質もあります。空気中に置いておくと、たいていの物質は空気中の酸素と結合して変質します。さびてしまうのです。しかし、ガラスはさびません。酸素が結びつくことを「酸化」といいますが、ガラスはすでに酸素と結びついており、これ以上は酸化しないのです。」
 ……ガラスはすでに酸化していたんですか……それなのに「透明」で「丈夫で硬い」んですね……酸化というと、赤や黒になって脆くなるイメージがあったのですが……。
『化学で世界はすべて読み解ける 人類史、生命、暮らしのしくみ』……水、火、繊維、染料、レンガ、コンクリート、ガラス、鉄、プラスチック、ダイヤモンド……生活に身近なさまざまな物質や素材について詳しく教えてくれる本で、いろんな豆知識を知ることが出来ました。興味津々な内容が多いので、みなさんも、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『化学で世界はすべて読み解ける』