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第1部 本

地質・地理・気象・地球環境

大陸はどのように動くのか(吉田晶樹)

『大陸はどのように動くのか 過去と将来の大陸移動 (知りたい!サイエンス イラストレーテッド)』2023/2/15
吉田 晶樹 (著)


(感想)
 地球の大陸がかつてはどのような姿をしていたのか、数億年後の地球や日本列島の姿はどのようになっているのかについて、最新の研究と豊富な図から解説してくれる本で、内容は次の通りです。
第1章 プレート運動と「地殻変動」
第2章 大陸移動から見た地球の内部
第3章 大陸移動から見た地球の歴史
第4章 将来の大陸移動の予測
第5章 日本列島形成史、将来の日本列島
第6章 将来の地球の予測
   *
「第1章 プレート運動と「地殻変動」」には、次のことが書いてありました。
「プレートは「海嶺」とよばれる海底山脈でマントルが冷え固まって生まれ、「海溝」とよばれる場所でマントルに戻っていきます。プレートがマントルに戻っていく様子は一般に「沈み込み」とよばれますので、海溝は「沈み込み帯」ともよばれます。」
「2011年に発表されたプレート運動モデルでは、地質学的なデータのみからプレートの運動方向と速度が精度良く決められる25枚の主要なプレートと、宇宙測地技術を用いた高精度な人工衛星データの解析から運動が決められる31枚の小さいプレートの、計56枚に分けられています。」
 ……私たちの住んでいる地殻には、地面を載せている56枚のプレートがあって、ゆっくり動いていると言われています。地震がとても多い日本に住んでいると「地球が動いている」ことは、確かに実感(痛感)できます。
 プレート運動の主要な原動力は、「スラブ引張り力(プレートをマントルに引き込もうとする引っ張る力)」だそうですが、「1-5 プレートは動き続けるのか」には、マントルが対流している原因と、その今後について、次のように書いてありました。
「地球には、崩壊熱に加え、約45億4000万年前の地球誕生時に蓄えられた莫大なエネルギーによる「始原熱」があります。マントルが対流しているのは、地球の表面が大気や海水によってほぼ一定温度で冷やされているのに対し、地球の内部にこういった熱源があり、地球の表面と内部とで温度差があるからです。したがって始原熱も崩壊熱も使い切れば、地球内部から熱源が完全になくなり、マントル対流が停止し、やがてプレート運動や大陸移動も停止します。地球のプレート運動はマントルの熱対流運動システムの一部ですので、マントル対流が停止するとプレート運動やプレートテクトニクスによる「地殻変動」は確実に停止してしまうのです。」
 ……えー! そうなんだー。いつかは停止してしまうんだー……。
 また「第6章 将来の地球の予測」の「6-6 地球磁場の変動と逆転」にも、これまで知らなかったことが書いてありました。
・「地球の磁極は、過去500万年間で平均して約20~30万年に一回の割合で逆転してきました。(中略)
 過去1億5000万年間の地球磁場の歴史を遡ると、地球磁場の逆転頻度は非常に不規則です。(中略)いずれにしても、最近の地磁気逆転からはすでに約77万年が経過していることからわかるように、地球磁場の逆転頻度は長い時間スケールで見れば極めて不規則で、つまり、今日、明日とは言わないまでも、数1000年後には逆転してもおかしくありません。」
・「地球磁場は太陽や宇宙から降り注ぐ宇宙線から地球や生命を守る働きをしています。地球磁場の強度は過去200年間で平均して約9%弱まっていることが観測でわかっています。このままの速度で弱まると数千年後には磁場が消滅することになりますが、生物の大量絶滅が磁場の消滅によるという証拠がないところをみると、現在の磁場強度が弱まっている状態は過渡的なもので、地球磁場は地球史を通じて強まったり弱まったりを繰り返すのかもしれません。」
 ……地磁気の逆転が何度も起こっていることは知っていましたが……「過去500万年間で平均して約20~30万年に一回の割合で逆転してきた」のに、すでに現在は「最近の地磁気逆転からはすでに約77万年が経過している」んじゃ……いつ逆転しても不思議ではない、ってことですよね……。
 えーと、この他にも、「第6章 将来の地球の予測」では、将来の地球の大陸移動の4つのシナリオなどを読むことが出来ました。
1)パンゲア・ウルティマ:大西洋が今後さらに約1億年間拡大し続けた後、一転して縮小し始め、数億年後に新しい超大陸ができる
2)ノヴォ・パンゲア:大西洋が今後もずっと拡大し続けて、やがて太平洋がほぼ完全に閉じ、パンゲアの対蹠地に新たな超大陸が形成される
3)アメイジア:南極大陸を除くすべての大陸が北上しつつ、北太平洋が閉じ、やがて、北半球の高緯度、あるいは、ほぼ北極を中心として新しい超大陸ができる
4)オーリカ:大西洋と太平洋が同時に閉じて新しい超大陸が形成される。
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 どの4つも「超大陸」にまとまるのですが、まとまり方はかなり違っていて……この4つ以外のパターンも「あり」なような気がします(笑)。
『大陸はどのように動くのか 過去と将来の大陸移動 』について、分かりやすく解説してくれる本で、とても勉強になりました。みなさんも読んでみてください。ただ……単行本の割に、文庫本なみに(もしかしたら文庫本よりも)文字が小さくて、みっちり詰め込まれているので、読むのが疲れる感じでもありました。内容はお勧めなのですが、そういう意味で読み手を選ぶ感じの本なので、購入したい方は、まず書店で、文字の大きさを確認することをお勧めします。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『大陸はどのように動くのか 過去と将来の大陸移動』