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第1部 本

地質・地理・気象・地球環境

地球の構造と進化がよくわかる!(川上紳一)

『GEOペディア 最新 地球の構造と進化がよくわかる!』2023/7/25
川上紳一 (監修)


(感想)
 地球の「構造」と「進化」を、最新のデータと分かりやすいイラストで詳しく解説してくれる本で、主な内容は次の通りです。
Chapter 1 宇宙から見た地球の形と大きさ
Chapter 2 地球にはたらく万有引力と重力
Chapter 3 地球を守る地磁気の存在
Chapter 4 地球の構造
Chapter 5 プレートテクトニクスとプルームテクトニクス
Chapter 6 大陸の歴史と日本列島の形成
Chapter 7 地球を形づくった火山の力と水や風による侵食作用
Chapter 8 進化する観測技術と最新測地系の構築

 地学の本はかなり読んでいますが、これはその中でも最高に分かりやすい本の一つだと思います。解説が詳しくて分かりやすい上に、フルカラーのイラストでビジュアルに説明してくれるので、内容が理解しやすいのです。
 以前からなんとなく知ってはいたけれど、きちんと理解していなかったようなことを、たくさん再確認(復習)できましたし、新しい情報もたくさん知ることができました。
 例えば「Chapter 2 地球にはたらく万有引力と重力」では……、
・「地球をはじめとする太陽系惑星にも太陽との間に万有引力がはたらいて引っぱられているが、公転運動をすることで、遠心力が働いて引力と釣り合うことで、お互いに衝突することを回避している。」
・「世界最高峰のエベレスト山は標高8848mだが、どうもそのあたりが地球で生まれる山の高さの限界だと考えられている。重力の影響によって生じる山自体の重さが、山の形を維持する力(地殻構造力)を突破してしまうからだ。」
 ……ちなみにこの山の高さの限界は「地球での限界」で、プレート運動がなく重力が低い火星のオリンポス山は2万5000mもあるそうです。……なるほど。
 また、とても興味津々だったのが、「Chapter 4 地球の構造」。地球内部の構造は、地震波で推定できることがあるそうです。
例えば、「P波とS波の観測で明らかとなった内核の存在」は、次の通りです。
「地震が発生すると地震波は震源から放射状に放射される」
   ↓
「震央角距離103°までの地域では、地震波は核・マントルを通って伝わるが、103°以遠では核も通ることになる」
   ↓
「P波は外核に入るときに屈折し、143°以遠にしか現れない。いっぽう、S波は外核を透過できず、103°以遠では観測されない。」
   ↓
「横波であるS波が伝わらないことから、外核は液体であると考えられる。また、P波の伝わり方から、外核の下に固体である内核があると考えられる。」
   *
 この他、モホロビチッチが発見した走時曲線の折れ曲がり(地球内部は均質ではなく、ある深さに不連続面がある=「モホロビッチ不連続面」)や、核とマントルの境界の「グーテンベルク不連続面」、内核と外核の境界の「レーマン不連続面」などの解説もありました。
 そして「Chapter 5 プレートテクトニクスとプルームテクトニクス」では、次のように「日本の付加体の年代は、日本海側ほど古く、太平洋側ほど新しい」ことを知りました。
・付加体の形成
1)日本海側:古生代~中生代三畳紀の付加体(三郡・秋吉~超丹波~飛騨外縁~上越帯)
2)日本列島中軸部:中生代ジュラ紀の付加体(丹波~美濃~足尾帯/秩父帯)
3)太平洋側:中生代白亜紀~新生代古第三紀の付加体(四万十帯)
   *
 また大陸移動説の「プレートテクトニクス理論」に加えて、新たに「プルームテクトニクス理論」が登場しているそうです。次のように書いてありました。
・「プレートテクトニクスは地球表面のプレートの横滑り運動を理論化したものだが、マントル深部の上昇運動や下降運動はプルームと呼ばれる対流形態であることから、プルームテクトニクスと名づけられた。」
・「(前略)スーパープルームの下降流や上昇流の強度には1億~4億年ぐらいの時間スケールの揺らぎがあり、強度が強まると、対流運動がマントル全体におよぶようになると考えられている。
 そして、この巨大なマントル対流が超大陸の誕生や分裂の原動力となり、結果的に地表の環境変化や生物の進化・絶滅にも多大な影響を与えることになったと考えられるようになっているのだ。」
   *
 さらに「Chapter 8 進化する観測技術と最新測地系の構築」によると、「東北地方太平洋沖地震で震源地殻の海底は沖方向に24mも動いていた」だけでなく、東北地方太平洋沖地震の影響は、日本経緯度原点と日本水準原点にも及び、日本経緯度原点は東に約27.7cm移動、日本水準原点は2.4cm沈下したことが確認され、両方とも改正されたそうです。そしてこの測量成果をもとに、新たな測地系(日本測地系2011)が再構築されたのだとか……まさに「大地は動いている」んですね……。
 この本は、本当にタイトル通りの『GEOペディア 最新 地球の構造と進化がよくわかる!』。ここで紹介したのは、ごくごく一部で、他にも、アイソスタシーのこと、ジオイドのこと、日本列島の形成のこと、火山のこと、風化のこと……勉強になる地学の最新知識が満載で、とても勉強になりました。みなさんも、ぜひ読んでみてください。お勧めです☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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地球の構造と進化がよくわかる!