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第1部 本

科学

色と光の科学(小島 憲道)

『色と光の科学 物理と化学で読み解く色彩の起源 (KS科学一般書)』2023/11/2
小島 憲道 (著), 末元 徹 (著)


(感想)
 東大での講義をもとに、色と色彩に関することがらを物理と化学の視点から詳しく説明してくれる本で、内容は次の通りです。
第1章 光とはなにか?なぜ色が見えるのか?
第2章 絵具と染料
第3章 光と照明のふしぎな関係
第4章 空は青いのに,夕焼けはなぜ赤い?-光の回折と散乱
第5章 なぜオーロラは極地にしか現れないのか?-原子の色
第6章 ポリアセチレンはなぜ銀白色なのか?-有機物の色の起源
第7章 ルビーとエメラルドの色は同じしくみ?-遷移金属由来の色
第8章 電気を通す物質は,なぜ金属光沢があるのか?
第9章 ダイヤモンドの色の謎-狭い空間に閉じ込められた電子の色
第10章 色が変化する便利な物質
第11章 発光する物質
第12章 さまざまなレーザーとその応用
第13章 色を変換する
   *
『色と光の科学』というキレイな本だったので、カラフルなデザインに関する本だと勘違いして、ふわっとした気分で読み始めたのですが……ガチな物理と化学系の本でした(涙)。ガチな物理と化学の部分まで理解できたわけではありませんでしたが(涙)、光や色について、知らなかったことがすごくたくさんあって、とても勉強になりました。
 この本はまず「第1章 光とはなにか?なぜ色が見えるのか?」で、光の基本的性質や、私たちが光を見る仕組みを教えてくれます。次のように書いてありました。
「太陽系は、隕石の年代測定から、約46億年前に誕生したと推定されているが、早くも約38~35億年前には地球に微生物が誕生した。やがてこの中から走光性細菌など、光受容性タンパク質をもつ微生物が現れるが、この光受容性タンパク質こそが、動物の視細胞の中に含まれる光応答性タンパク質であるロドプシンのルーツである。その後、古生代前期のカンブリア紀に高度な機能を有する眼を持つ動物が誕生し、動物の進化に伴って色を識別する視細胞(錐体細胞)が発達していった。」
 ……光受容性タンパク質があるから、私たちは色や光が見えるんですね……。
 また「光の速度は一定で、光速を超える速さのものはない」と思っていたのですが、実は物質の中では、光は次のように「速さが変わる」そうです。
「物質の中では、光の速度は屈折率(n)に比例し、c/nとなる。例えば水の屈折率は1.33なので水中での光の速度は真空中の光の速度の3/4倍になる。屈折率が2.42のダイヤモンドでは、光の速度は真空中の光の速度の41%まで遅くなってしまう。
 真空の場合とは異なり、物質の中では、粒子が光の速度より速く進むことがある。荷電粒子の速度が光速度より速い場合、チェレンコフ光という青白い光を放射する。この現象は、音速を超える飛行体から発生する衝撃音によく似ている。原子力施設の核燃料が入った水のプールで観測される青白い光は、チェレンコフ光である。(中略)
 ニュートリノは不思議な素粒子である。物質と相互作用がないため、物質中でも真空中の光速度で透過するという性質を持つ。」
 ……水の中では光が遅くなることは知っていましたが、物質の中で「速くなる」こともあったとは……。
 また「第4章 空は青いのに,夕焼けはなぜ赤い?-光の回折と散乱」では、水がなぜ青く見えるのかについて、次のように知ることが出来ました。
「(前略)空の青さは大気による光の散乱(レイリー散乱)によって起こる。ちなみに、国際宇宙ステーションから空を眺めると、大気がないため、空は黒い。(中略)
 一方、水は、水分子の分子振動の4倍音の波長が可視光の赤色領域に達するために、赤色領域の光が吸収され、青色を呈する。」
 ……大気と水は同じように青く見えますが、その理由は違っていたんですね……。
 またモルフォ蝶の美しく輝く青が「青く」見える理由は……
「(前略)モルフォ蝶(ガイアナ産)の翅の鱗粉を顕微鏡で観察しても光沢のある青色の色素は存在しない。走査型電子顕微鏡で調べてみると、櫛型の規則正しい構造が観察され、その間隔は約200nmである。モルフォ蝶が青く見えるのは、鱗粉の襞と襞の間隔が青色の光の波長の半分に当たる200nmになっているためと考えられている。」
 ……その色に見える理由は、ほんとうにさまざまなのでした……。
 この他にも「なぜオーロラは極地にしか現れないのか?」とか、「電気を通す物質は,なぜ金属光沢があるのか?」とか、「第10章 色が変化する便利な物質」とか、私たちの身近にある「色」と「光」について、みっちり知ることが出来ました(それぞれ違うので、とても覚えきれませんが……涙)。
『色と光の科学 物理と化学で読み解く色彩の起源』、色が見える仕組みについて、私たちの目の構造や、物質の色の起源など、総合的に解説してくれる本で、とても参考になりました。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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『色と光の科学 物理と化学で読み解く色彩の起源』