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第1部 本

科学

元素118の新知識〈第2版〉(桜井弘)

『元素118の新知識〈第2版〉 引いて重宝、読んでおもしろい (ブルーバックス)』2023/3/16
桜井 弘 (編集, 著)


(感想)
 元素番号1番の「水素」から118番の「オガネソン」まで、「万物の根源」をなす全元素を徹底詳説してくれる本です。
元素番号順に並んでいて、最初にその元素の「同位体の種類や存在比」、「電子配置、原子量、融点、沸点、密度、地殻濃度、酸化数、周期表のなかでの位置」などの元素データがまとめて書いてあり、その後に数ページの紹介記事がある、という構成になっているので、化学元素の辞典としても活用できると思います。
 また「水素」や「酸素」など、よく知られている元素については、具体的なエピソードがたくさん掲載されていて、読み物としても興味津々な内容のものが多かったです。かなり多くのさまざまな元素が、人体の中にもあって、それが少な過ぎても多過ぎても健康に悪影響を及ぼしていることも分かりました。
 その中で、へえー、と面白く感じたもののごく一部を紹介すると、次のような感じ。
(水素)
・「水素は最も軽く、分子量が最小で、同じ温度なら、水素分子の飛翔速度はすべての気体でいちばん大きい。このため、熱伝導率が高く、空気の約7倍もある。冷却効果に優れ、発電所のタービン発電機などの冷却材として使われている。
 多くの金属は、水素を吸収する。パラジウムと白金には、常温1気圧でそれぞれ自らの体積の350~800倍もの水素を吸収する性質がある。この場合は水素分子ではなく、原子状になって金属格子の間に入り込んでいる。このとき金属は、著しく膨張してもろくなる。」
「おだやかな水素結合は切れやすい結合である。そのため、DNAの二重らせんはほどけやすく、遺伝子の複製には好都合である。」
(ヘリウム)
・「ヘリウム(He)は無色・無味・無臭の単原子分子で、すべての物質の中で最も低い沸点(4.216K=マイナス268.934℃)をもち、1気圧では絶対零度(0K=マイナス273.15℃)でも液体のままである。」
「(前略)ヘリウムが1気圧・絶対零度で固化しないのも、量子力学でいう不確定原理の証拠である。ヘリウムは水素に次いで軽く、しかも単原子分子である。そのため、ミクロな粒子では位置と運動量を同時に確定できないという不確定原理が強く働き、ヘリウム原子は定まった位置に静止できないと考えられる。」
(炭素)
・「(前略)炭素が「生命の元素」である理由は、炭素原子が4個の最外殻電子と外殻に4個の空席をもつために多様な化学結合をつくり、さまざまな形の分子ができるためである。」
(酸素)
・「酸素ガスの活発な反応性のため、酸化作用には酸素が必ず関わるものと思われがちだが、この認識は正しくない。「酸化」とは「酸素との結合」に限らず、物質から電子が逃げる現象をいい、酸素以外にも電子補足能力のあるすべての物質が引き起こす一般的な化学反応である。」
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 ……などなど。この他にも、各元素の個性がいろいろと紹介されていました。
 これらの記事の間には、ところどころに「核融合」、「超電導」、「夏に液体になる元素」、「元素周期表の源をつくった元素(ストロンチウム)」などの興味深くて勉強にもなるコラムが39個掲載されています。ちなみに27度から30度で液体になる元素には、フランシウム、ガリウム、セシウムがあり、いつも液体なのが臭素と水銀だそうです。
『元素118の新知識〈第2版〉 引いて重宝、読んでおもしろい』……まさにタイトル通りの本でした。一気に読むのはちょっと大変ですが、各元素のページは多いものでも5ページ程度なので、暇なときに読むと気分転換になるし勉強にもなると思います。科学好きの方は、ぜひ読んでみてください☆
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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