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第1部 本

生活

間取り図でわかる買っていい家悪い家(堀清孝)

『間取り図でわかる買っていい家悪い家―地震に強い家、長く快適に住めるマンションを選ぶ121のチェックポイント』2012/9/30
堀 清孝 (著)


(感想)
 不動産広告の見方、建築の基礎、土地・注文住宅の基礎知識、契約についてなど、家を買うまでに知っておきたいポイントを分かりやすく総合的に解説してくれる本で、目次は次の通りです。
第1章 誰でもチェックできる、危険な家の見分け方
第2章 不動産広告を見分ける知識
第3章 建築条件付き宅地の購入
第4章 土地・注文住宅購入の基礎知識
第5章 中古住宅のメリットとデメリット
第6章 新築・中古マンションの購入計画
第7章 住宅会社・不動産会社を知ろう
第8章 契約の基礎知識
第9章 契約前のチェックポイント
第10章 建築の基礎知識
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『間取り図でわかる買っていい家悪い家』というタイトルですが、目次でも分かるように、具体的な間取り図がたくさん掲載されているというよりは、家を購入する前に知っておくべき知識を幅広く教えてくれる本でした。それぞれの内容が、具体的・現実的なもので、とても参考になります(イラストも多用されています)。
 なお、マンションを買う場合も参考になりますが、一戸建てを購入する場合の解説が多かったように思います。「まえがき」によると、新築マンションはどの会社のどのマンションを買っても性能や品質面で大きな差がなく、戸建てと比較してリスクが極めて少ないので、本書では多くのページを割かなかったとのことでした。
 さて、「第1章 誰でもチェックできる、危険な家の見分け方」には、地震に強いかどうかが間取りで分かることが説明されていました。例えば軸組み工法の場合、住宅の耐震性能は『壁』の量で決まるそうです。
 また地震に強いと言われている2×4工法でも、全開口のある家は危ないということで、危ない間取りの例が書いてありましたが、危ない部分は「カーポート」で、確かに……うっかりこういう間取りにしがちかも、と思ってしまいました。この場合は、1)構造計算を行って安全性を確かめる、2)壁が出来るよう間取りを変える、のどちらかの方法で解決する必要があるそうです。
 ちなみに、耐震等級を上げる3つのポイントは次の通りです。
1)壁の量を増やす(耐震壁)
2)床と屋根面を強くする
3)基礎を強くする(変形しない基礎)
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 また「第4章 土地・注文住宅購入の基礎知識」の、「土地の購入の注意点」もとても参考になりました。
 例えば「古家つきの土地購入の注意点」としては、「境界トラブルなど、思いがけない出費に注意を」の他、土地取得後の整地までの費用の目安の情報もありました。
1)建物解体費用:3.5~5万円/建坪
2)樹木・植栽の撤去費:20~50万円~
3)塀などの撤去費用:10~50万円~
4)よう壁・塀等の修理費用:20万円~
5)水道管等の口径変更、老朽化:50~80万円
(※解体費用は、狭隘地や道幅などにより、大型重機が使用できない場所では費用が大きく増えることが多い。)
 ……広告などで、「古家つきの土地」は意外に安いなと思っていましたが、解体などの費用が結構かかるんですね。
 また、「宅地の4割は地盤補強が必要な軟弱地盤」という話にも驚きました。
「私が行っているサポートサービスの約1000件のデータを勘案すると、郊外の丘陵地帯に立つ住宅団地以外の住宅地の概ね4割程度の宅地は、何らかの地盤補強工事が必要な軟弱地盤となっています。」だそうです。……すでに建物が建っているから安心、ってわけではないんですね……。
 家(一戸建て、マンション)を選ぶための情報を、分かりやすく総合的に教えてくれる本でした。とても参考になるので、そろそろ家を買おうかなと考えている方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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