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第1部 本

音楽

おもしろ吹奏楽事典(渡部謙一)

『おもしろ吹奏楽事典』2017/1/23
渡部 謙一 (著), 佐伯 茂樹 (著), 松本 たか子 (著), 生乃 久法 (著)


(感想)
 吹奏楽の世界を総合的に解説してくれる事典です。実践に役立つ基本知識からマメ知識まで、いろんな情報が満載☆ 吹奏楽をしている方はもちろん、楽器を演奏する方やクラシックファンの方にも、すごく参考になると思います。内容は次の通りです。
第1章 吹奏楽の基礎知識(吹奏楽のルーツ、歴史)
第2章 吹奏楽曲エトセトラ(移調と実音、平均律と純正律)
第3章 楽器マメ知識(ユーフォニアムのドはB?それともC?、他)
第4章 マーチングバンド入門(マーチングの歴史、編成)
   *
 趣味で管楽器の演奏を楽しんでいますが、吹奏楽については知らないことばっかりで、へー、そうだったんだー、と楽しく読めました(汗)。
 頭がくらくらしたのが、「吹奏楽を指揮する上で、まず必要な予備知識は「移調」です。現在の吹奏楽ではE♭、B♭、そしてFのキーによる移調譜と、実音記譜が混在しています。(中略)リハーサルを進行していくにあたって、すべての移調譜に書かれている音を実音で判断できなければ、何の指示も出せません。」という部分。「移調」って……すごく大変そうですね(汗)。
 また、興味深かったのが、サクソフォーンに関する記述。
「サクソフォーンを作った理由はいろいろ推測されますが、一番確からしいのは、当時の吹奏楽の編成では木管楽器と金管楽器の音が混ざり合わないという問題があり、それを解消するためにサクソフォーンを作ったという説です。」
 ……ジャズでよく使われるサクソフォーンは、かなり個性的で大人っぽい感じの音が鳴る楽器だと思っていたのですが、実は木管と金管の響きを取り持つことが出来る素敵な楽器だったんですね。どうしてクラシックではあまり使われないのでしょう?
「サクソフォーンはクラリネットと同じように、リードを振動させて音を出しているれっきとした木管楽器であって、決して金管楽器ではないのです。」
「実は、サクソフォーンの発明の本当にすごいところは、外側に複雑なメカニズムを装着することによって、リコーダーと同じ指使いでこの半音順に開いた大きなキーを操作できるようにしたことなのです。これによって誰もが特別な苦労をすることなく演奏できるようになり、今日の繁栄につながったことは間違いありません。」
 ……大好きな青春映画『スウィングガールズ』(Swing Girls)で見て以来、すごく気になっていたあの楽器……個性的で、演奏していると断然カッコよく見えるサクソフォーンが、「リコーダーと同じ指使いで弾ける」なんて! がぜん弾いてみたくなりましたが……楽器の値段が最低でも10万円以上とは……思いつきで買える値段ではありませんでした(涙)。
 まあ、それはともかく、その他にも、とにかく「へえー」知識満載☆
 例えば、なぜか一つだけ「吹奏楽」に入っている弦楽器のコントラバス。実はヴァイオリンとは弦の音程の間隔が違っているのだそうです。「ヴァイオリンの仲間の弦が、C、G、Dと各弦の音程間隔が五度になっているのに対して、コントラバスはEの隣がA、その隣がDという風に四度音程になっている。」のだとか。コントラバスは、どちらかと言うとヴァイオリンよりもギターに近かったんですね!
 その他、マーチングバンドに関する情報も盛りだくさんで、本当にとても楽しめる「おもしろ吹奏楽事典」でした。音楽好きの方は、ぜひ読んでみてください。
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 なお社会や脳科学、IT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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