ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

Matthew Reinhart(マシュー ラインハート)

Ever After High: An Enchanted Pop-Up Scrapbook(Reinhart)

『洋書:Ever After High: An Enchanted Pop-Up Scrapbook(英語)』
Matthew Reinhart (著)


(感想)
 しかけ絵本の天才・ラインハートさんが、ドール・アニメ Ever after Highをテーマに作成してくれた素敵なしかけ絵本です☆
 ドール・アニメ Ever after Highというのは、「バービー人形」でおなじみのマテル社から発売されている「モンスター・ハイ(Monster High)」のスピンオフ作品という位置づけだそうです。アメリカでは大人気のようですが、日本には未進出だそうで、知らない人がほとんどなのではないでしょうか(実は私も知らなかったのですが、ラインハートさんの手掛けた絵本なので、一応、購入してみることにしたのです(汗))。
 モンスター・ハイ(Monster High)もEver after Highも、モンスターや妖精物語、王女様昔話など、おとぎ話の主人公たちの娘や息子たちがキャラクターとして登場する作品だそうで、そのうちのEver after Highの主人公は、アップル・ホワイト(「白雪姫と7人の小人」白雪姫の娘)と、レイヴン・クイーン(「白雪姫と7人の小人」魔女の娘)の二人。なんと彼女たちはルームメイトなのだとか(笑)。
 そしてこの二人は、それぞれの派閥に属しているのです。
 アップル・ホワイトは、自らの持つ物語と運命を受け入れ、それを守ろうとする派閥「ロイヤル(Royal)」の筆頭で、レイヴン・クイーンは、自らの持つ物語と運命を受け入れず、新たな道を探り、切り開こうとする派閥「レベル(Rebel)」の筆頭……まあ、親の世代の有名な「おとぎ話」の被害者(?)と加害者(?)同士で、最後にはハッピーエンドが約束されている被害者(白雪姫)側が「運命を受け入れ」、白雪姫を陥れる役回りの加害者(魔女)側が「運命を拒絶する」のは当然ともいえるのかもしれませんね(笑)。
 というか「自らの持つ物語と運命を受け入れず、新たな道を探り、切り開こうとする」レイヴン・クイーンさんの生き方、カッコいいですよね☆
 でも魔女側が運命を拒否してしまった白雪姫の物語……結局は「新しい展開の物語」になるのでしょうか? それとも「別な魔女」を調達して、何が何でも「同じ運命」にするのでしょうか? そのへんまでは分かりませんが、なかなか面白い世界観のドール・アニメのようです。
 表紙で分かるように、キャラクターの表情やスタイルも、意思の強さを感じさせる凛とした美しさ。とってもかっこいい女の子たちです。
 しかけ技法的には、ラインハートさんらしい工夫が随所に凝らされています。あまり大きくない絵本ですが、大きな飛び出し仕掛けがあるだけでなく、速い着替えシーン(笑)や、鍵のかけられる絵本など、珍しい仕掛けもあり、しかけ技法に興味がある方にも参考になると思います☆ 
 ただ……この鍵のかけられる絵本は、せっかく鍵がかけられるのだから、隠せる1ページ目にもう少し工夫があっても良かったかも。アップル・ホワイトか、レイヴン・クイーンの顔の位置に、自分の写真をはめ込む(観光地によくある「顔はめ看板」みたいな感じ)が出来るとか……。まあ、そんなことが出来なくても、十分に素晴らしい絵本ではありますが……。
 日本ではあまり知られていないEver after Highのしかけ絵本。貴重でレアな感じがあるので(笑)、ラインハートさんのファンは是非手にいれてみてください。
   *
・1~2ページ目:ページを開くと、お城のような建物(高校?)が高く立ち上がります。(私の購入した絵本は、残念ながら、てっぺんが折れ曲がっていました(涙)。そういう場合は、自らの「手」で直して立ち上げてあげましょう。)Ever after Highの概要紹介あり。右下に、スタッフ紹介の資料が折りたたまれています。
・3~4ページ目:ページを開くと主人公の一人、アップル・ホワイト(白雪姫の娘)が立ち上がります。彼女に関する説明や、モットーなどが書いてあります。左下のつまみを引っ張ると、可愛いワンピース姿の彼女が、一瞬で豪華なドレス姿に早変わり! 左下に、ブロンディー・ロックス(イギリスの童話「3びきのくま」ゴルディロックスの娘)、ブライア・ビューティー(「眠れる森の美女」の娘)など、彼女の友人たちのイラスト冊子あり。
・5~6ページ目:ページを開くと、主人公の一人、レイヴン・クイーン(魔女の娘)が立ち上がります。彼女の左脇の大鏡のつまみを引くと、一瞬で魔女の姿に変わります(観音開きの仕掛け)。周囲には、彼女に関する説明や、自らの運命は自らで決めると決意したことが書いてあります。左下に、物語絵本(レイヴン・クイーンが書いたもの)あり。
・7~8ページ目:ページを開くと、楽しくお茶を飲んでいるマデリン・ハッター(「不思議の国のアリス」マッドハッターの娘)が、大きく飛び出してきます。彼女や「不思議の国」に関する説明あり。
・9~10ページ目:ページを開くと、手鏡(?)と箱型の絵本が大きく飛び出してきます。絵本には鍵がかけられるようになっています。左下に鍵2本あり。鍵を回すと、絵本の最初のページを読めなくする(読めるようにする)ことが出来ます。最初のページには、アップル・ホワイトとダーリン・チャーミングの署名はされていますが、自らの運命を拒否したレイヴン・クイーンの署名はないことが分かります。周囲には、自分の運命は自分で決められること、などが書いてあります。左下に、取り外して使える運命占いの道具(?)があり。

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