ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(海外の作家)
 ※日本語の本(翻訳版)もあります

その他の海外の作家

ちいさなみどりのかえるさん(バリー)

『ちいさなみどりのかえるさん (しかけえほん)』2008/4/1
フランセス バリー (著), Frances Barry (原著), たに ゆき (翻訳)


(感想)
 小さな緑のカエルが、卵から成長していく姿を描いた絵本で、中心から外にページを開いて行くという、ちょっと珍しい仕掛けになっています。
 ページを開くと、池の中のカエルの卵のイラストがあります。その次のページを開くと、あらら? 卵からオタマジャクシが頭を出している! さらに次のページでは、オタマジャクシが泳ぎだして……というように、ページを開くことに、本の池の中のカエルが、どんどん成長していくのです。
 黒いオタマジャクシに手足がはえて、だんだん色も暗い緑から明るい緑に変化し、カエルとして成長していく……こんなふうに、両生類のカエルの成長の仕方を、絵本で楽しく学ぶことが出来ます。
 しかも面白いのは、ページを開くたびに、ハスの花が咲く池がどんどん大きくなっていくこと! 最初のころのページは普通に開くのですが、次のページは左上に、その次は上に、さらにその次は右上にと、放射状にページを開いていく仕掛けになっているのです。そして全部のページを開くと、大きなハス池がいっぱいに広がって、みどり色に大きく成長したカエルが外に飛び出そうとするイラストに……(「飛び出す」絵本ではないので、実際には飛び出しませんが)。
 背景となる池は大きく広がっていくのに、ページを開くごとに卵から変化していくカエルの姿は、変化前のページがめくれて裏返るので、最新のものしか見えないように出来ていて、なかなか良くできた仕掛けだなーと感心させられました。
 ただ……絵本のページはそれなりに丈夫に出来てはいるのですが、ページを普通ではない方向に開く必要があるのに気がつかずに、乱暴に無理やり普通の方向に開こうとしてしまうと、ページの根元を壊してしまう恐れがあります。お子さんに最初にこの本を渡す時には、少なくとも別の方向に開くページの部分までは一緒に読んで、「この本はこういう風に、ページをいつもと違う方向に開けるんだよ」と教えてあげた方がいいかもしれません(汗)。……まあ、絵本を壊して悲しい思いをする、というのも子どもの成長にとってはとても大事なことだと思いますが……(小さい頃から本好きだった自分の経験からも)。
 ちょっと珍しい仕掛けの楽しく学べる素敵な絵本です。とても薄くて場所もとらないので、贈り物にしても喜ばれると思います。

・中表紙:タイトル&池に浮かぶハスの花とトンボのイラスト
・1~2ページ目:左:トンボのイラスト、右:池の中のカエルの卵のイラスト
・3~4ページ目:左:ハスの葉と魚のイラスト、右:池の中の卵から孵化するオタマジャクシのイラスト
・5~6ページ目:左上:ハスの葉と花、虫のイラスト、右:池を泳ぐオタマジャクシのイラスト
・7~8ページ目:上:ハスの葉と花、トンボのイラスト、下:後足がはえてくるオタマジャクシのイラスト
・9~10ページ目:左:前足&後足のはえたオタマジャクシのイラスト、右上:ハスの葉と花、魚のイラスト
・11~12ページ目:左:尻尾が小さくなっていくオタマジャクシ(カエル)のイラスト、右:ハスの葉と花、魚のイラスト、
・13~14ページ目:左:動き回るカエルのイラスト、右下:ハスの葉とトンボのイラスト
・15~16ページ目:上:池から飛び出そうとするカエルのイラスト、下:ハスの葉と花、虫のイラスト、
・17~18ページ目:上~左下:緑色に大きく成長して、ぴょーんと飛び出そうとするカエルのイラスト、全部のページが開いて、ハスの池がまーるく広がります。
   *    *    *
 バリーさんは他にも同じような仕掛けの本、『おおきなおおきなきいろいひまわり』、『ことりのちいさなちいさなたまご』、『いもむしのだいへんしん』も出しています(なお、私が購入した『ちいさなみどりのかえるさん』は1300円+税でしたが、一部の本の価格が高騰しているようですので、購入時には気をつけて下さい。)

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