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第1部 本

ビジネス・仕事力向上

0ベース思考(レヴィット)

『0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる』2015/2/14
スティーヴン・レヴィット (著), スティーヴン・ダブナー (著), & 1 その他


(感想)
 あらゆる問題を「ゼロベース」で考える思考法を教えてくれる本です。
 通常、人間は、脳にしみついている何らかの偏見や既成観念などのノイズを通して思考していまいがちですが、そんなバイアスから解放されて、問題にゼロベースで対峙することで、核心に切り込み、ズバリと問題解決することができるのだそうです。
 この本では、「知らない、と言ってしまえば簡単なのに、なぜ知ったかぶりをしてしまうか」などの色々な観点から、人間の思考のクセをユーモアまじりに暴き出してくれます。面白いエピソードが多く、語り口も軽妙なので、どんどん読み進めるうちに、いろんな先入観が頭から消えていって、発想が柔軟になっていくような気がします。
 驚いたのは、「第9章 やめる――人生を「コイン投げ」で決める正確なやり方」で、彼らのサイトの読者に「決断がつけられずにいる「人生の問題」を、僕たちにコイン投げで決めさせてみて」と呼びかけたという話。ええ? いくらななんでも、それは……と「そんな提案をした」こと自体に驚かされました。
 報告によると、驚くほど多くの人たちが、この呼びかけに参加してくれたとか……でも結論は……コイン投げが良かった断言も出来ず、悪かったと断言もできなかったそうです……なるほど、当然のような気もします(汗)が、この結果を受けてレヴィットさんたちは、「コイン投げに任せてみれば、少なくとも「やめるのは絶対的なタブーだ」という思い込みを捨て去れるんじゃないか。」と言っています。確かに、そういう考え方もできるかも(笑)。
 また、特に参考になったのは、「第5章 子どものように考える――「わかりきったこと」にゼロベースで向き合う」の中にあった、「大きな問いをたてるより、小さい問いを立てたほうがいい」という次の4つの理由。
1)小さな問いは、小さいだけあって、目を向けたり調べたりする人が少ないか、まったくいないことがある。誰も手をつけていないまっさらの分野には、学習のタネがたくさん転がっている。
2)大きな問題はたいてい、こんがらがった小さな問題がぎっしりつまったものだから、大きな問題の小さなかけらにとりくんだほうが、問題を一気に解決しようとしてあてもなく格闘するよりも大きく前進できる。
3)何かを変えようとするのはつねに難しいが、大きな問題より小さな問題について変化を促すほうがずっと簡単だ。
4)大きく考えるのはそもそも正確さを欠く行為だし、あてずっぽうってこともある。小さく考えるのはその分メリットも小さいが、少なくともたしかな証拠をよりどころにしていられる。
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 困った時には、問題を「小さく砕いて」考える癖をつけたいと思います。
 さて、この本の結論は、「どんな問題も一発で解決できる魔法のやり方なんかない。この本の種子は、ちょっとちがうやり方で、もうちょっと真剣に、もうちょっと自由に考えようってことだった。ぜひ実践してみてほしい」のようです(笑)。
 先入観にとらわれずに、子どものように柔軟に考える……簡単なようで意外に難しいことのようですが、この本を読むと、いろんなエピソードにニヤリとさせられているうちに、ふと気づくと、以前よりも、視野が広がって新しい視点が生まれたような気がしました。最近、頭が固くなってきたなと感じている方は、ぜひ読んでみてください。
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 レヴィットさんの他の本、『ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』に関する記事もごらんください。
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 別の作家の本ですが、『知らないからできる 既成概念を覆す「0(ゼロ)ベース思考」』、『問題解決の極意』、『考える力をつける3つの道具』、『超ロジカル思考 ―「ひらめき力」を引き出す発想トレーニング』、『スーパープログラマーに学ぶ 最強シンプル思考術』など自己啓発の参考になる本は多数あります。

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