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第1部 本

ビジネス・仕事力向上

たった5秒思考のムダを捨てるだけで、仕事の9割はうまくいく(鳥原隆志)

『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく (中経の文庫)』2016/2/11
鳥原隆志 (著))


(感想)
「行動する前の5秒の思考を捨てる」習慣をつけるだけで、仕事や人生が好転し始める」ことを教えてくれる本です。
 えっ? でも仕事がうまくいくためには、「行動」の前に「計画」すること、つまり「行動する前にじっくり思考する」ことの方が大事なんじゃないの? この本のタイトルを見た時に感じたのは、そんな思いでした。
 実は、この本の著者の鳥原さんも「「ほんの数秒考える」プロセスを加えるだけで、成果が大きく伸びるのは間違いない」とも言っています。たとえばトラブル対応のときに「本当にその方法で解決するのか?」と問い直すプロセスを加えるなどの場合が、これに当たります。
 その一方で、考えるプロセスのすべてが成果を生み出すわけではない、とも主張されています。実は成果を上げる上で障害となる思考があり、この本ではこれを「思考のムダ」と呼び、これを捨てるのが大切だと教えてくれているのです。
 鳥原さんはインバスケット・コンサルタントだそうですが、インバスケットは、限られた時間の中で多くの案件を的確に判断し処理していくビジネスゲームとして、日本の多くの企業で活用されているそうです。もともとはアメリカ空軍で活用され始めた教育ツールで、命がけの戦場で、瞬時に正しい判断をできるかを測る方法だとか。
 この本では、このインバスケットの思考法をビジネス現場で活かす方法を項目別に説明してくれます。たとえば「問題解決力」の項目では、なんと「本質的な問題解決」を捨てることの重要性を教えてくれるのですが、よく読むと、「問題への対処には、長期的な対策と短期的な対策が必要だが、まず必要なのは「現在の出血」を止めること」と読み取れます。つまり「本質的問題解決を捨て去る」のではなく、問題が発生している時には、長期的な対策まで考えるような思考のムダをせず(棚上げし)、当面の対策をするのが大切だということなのです。
 現代社会はスピードが要求されますので、「時間のかかった完璧な仕事」より、「大雑把な速い仕事」の方が効果的なことが多いようです。環境の変化が速いので、「完璧な仕事」が出来上がった時には、すでにニーズがなくなっていた、なんてことが起こりがちです。むしろ「大雑把な仕事」をたたき台にして、グループで改善検討し、最終的に「満足のいく仕事」にした方が良いのでしょう。
 この本は、書店で自己啓発書を自ら購入する人(普段からよく考えて、より良い仕事をしたいと考えている方が多いと思います)が、自らの考え方を変えるきっかけになると思います。
「思考のムダ」についてユーモアをまじえながら具体的に説明してくれる「なんでやねん劇場」では、要領の悪い黄金崎さんが、イタい言動や行動で周囲を困らせるのですが、これが本当に「そうそう! こんなやつ、おるわ!」と相槌をうちたくなる「ありがちな話」ばかりで、「思考のムダ」のダメダメさがよく分かります。
 いやいや、笑ってる場合じゃない。自分も、ミニ黄金崎にならないよう、気をつけねば……(汗)。
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 鳥原さんの他の本、『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』、『一瞬で正しい判断ができる インバスケット実践トレーニング』、『マンガでやさしくわかるインバスケット思考』、『いまから、君が社長をしなさい。』に関する記事もごらんください。
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 この本には、タイトルが類似しているKindle版の『たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく』もありますので、購入時にはご注意ください(以下の商品リンクは文庫本版と図解版です)。
 鳥原さんは他にも、『仕事のスピードと質が同時に上がる33の習慣』、『複雑な仕事をシンプルに解決するための「洞察力」の磨き方~「見えないものを見抜く」仕事術~』、『トップ1%に上り詰める人が大切にしている 一生使える「仕事の基本」』、『トップ1%に上り詰める人が大切にしている 一生使える「仕事の基本」』、『ビジネス偏差値70の人の答え 40の人の答え』、『同じ条件、同じ時間で 10倍仕事ができる人、10分の1しかできない人』、『やりたいことがさくっと実現する インバスケット的「根回し」仕事術』などインバスケット関連の本を出しています。

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