ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)
第1部 本
ビジネス・その他
佐藤可士和の打ち合わせ
『佐藤可士和の打ち合わせ』2014/11/8
佐藤 可士和 (著)』
(感想)
クリエイティブディレクターの佐藤さんが「打ち合わせ」のやり方を教えてくれる本です。
実は、タイトルが「打ち合わせ」だったので、「会議のやり方全般」について教えてくれる本だと期待してしまったのですが、何かを決定する「会議」のやり方について教えてくれるというよりは、ブレインストーミング的な打ち合わせの心構えについて教えてくれる本でした。
途中まで「打ち合わせ=会議のこと」と勘違いして読んでいたので、「準備のやり過ぎに注意する」という項目の中で、「僕自身は実は打ち合わせでは、それほど準備しないようにしています」という言葉に驚いてしまいました。「打ち合わせ(会議)」では、何かを「決める」ことが最も重要だと思っていたので、事前に、議題やそれに関連した資料を配布(メール)しておいて、出席者に「準備をさせておく」のが、会議を効率化させるために必要なことだと考えていたからです(汗)。
製造業などの場合には、「打ち合わせ(会議)」では、ブレインストーミングするというよりも、新製品の製造のためにA~Cの機械のどれを購入するか、とか、新製品の色やサイズをどうするか、などの様々なことを決定するために打ち合わせる(会議)ことの方がむしろ多いように思いますが、この本でいう「打ち合わせは」、何かを決定する「会議」以前の、「完全に意思決定される前のプロセス=打ち合わせ」ということなので、主にクリエイティブな仕事をしている会社の、ブレインストーミング的な打ち合わせのやり方を教えてくれる本のようです。
もっともそれだけでなく、この本に書いてある「打ち合わせに臨むときの心構え」などは、会議全般に臨むときの心構えにも通じますので、普通の会議に関しても、参考になるヒントがたくさんあります。
たとえば、「ルール4 打ち合わせの時間管理 ― 「ラスト5分」と「終了後5分」が打ち合わせの黄金の時間」の中の、「Point052:人数分のコストがかかっていることを忘れない」、「Point054:ビシっと時間通りに終えるクセをつける」、「Point059:終了15分前には、まとめ的なムードに持っていく」、「Point060:最後の5分を、その日の打ち合わせについての確認の時間に充てる」などなど、その他にも、すごく参考になる話が満載です☆
このように「打ち合わせに関する9つのルール」と、全部で158のポイントが簡潔にまとめてあります。参考までに「打ち合わせに関する9つのルール」は、次の通りです。
1) 打ち合わせの心構え ― 打ち合わせは「本音の真剣勝負」で臨め
2) 打ち合わせの設計 ― プロジェクトの「構造計算」をして必要な打ち合わせを洗い出せ
3)イメージの重要性 ― 「イメージの徹底」が打ち合わせの準備である
4)打ち合わせの時間管理 ― 「ラスト5分」と「終了後5分」が打ち合わせの黄金の時間
5)打ち合わせにおける気遣い ― 出すお茶にまでこだわれば、仕事はきっとうまくいく
6)ファシリテーター ― 打ち合わせは「ファシリテーターの腕」で決まる
7)ブレインストーミング ― すべての打ち合わせを「ブレインストーミング」にせよ
8)会食とランチミーティング ― 会食は「未来を語らう場」として活用せよ
9)社内コミュニケーション ― 社内の打ち合わせはなるべくやらない
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これらのルールに関連する158のポイントも、どれもとても参考になるものですので、クリエイターの方など、ブレインストーミング的な打ち合わせをしている人はもちろんのこと、会議や打ち合わせをする機会のある方も、一度、読んでみてはいかがでしょうか。
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佐藤さんは、他にも『佐藤可士和のクリエイティブシンキング』、『佐藤可士和の超整理術』などの本を出しています。
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別の作家の本ですが、『アートディレクションの「型」。: デザインを伝わるものにする30のルール』、『すべての仕事はクリエイティブディレクションである。』、『クリエイター独立マニュアル』、『ゲームクリエイターの仕事 イマドキのゲーム制作現場を大解剖!』、『アニメの魂: 協働する創造の現場』など、創造性の高い仕事をする上で参考になる本は多数あります。
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