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第1部 本

自己啓発・精神力

「ここ一番」に強くなる自分コントロールの法則(田中ウルヴェ京)

『「ここ一番」に強くなる自分コントロールの法則 (成美文庫)』2013/2/5
田中ウルヴェ京 (著)


(感想)
 1988年ソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダルを獲得した田中さんが、認知行動療法に基づくストレス対処スキル「コーピング」で、ストレスを味方につけて実力を発揮する方法を教えてくれる本です。
 比較的短時間で簡単にできる方法をたくさん教えてもらえるので、自分に合っていると感じた方法を試すことで、自分を悩ませているストレスと、よりうまく付き合っていけるようになるのではないかと思います。
 実はストレスは悪いだけのものではなく、「ストレスの値が低すぎても高すぎてもパフォーマンスは上がらず、適度なストレスがあるときに人は最高の実力を発揮できる」のだそうです。「悩まない人は成長もしない」のですね(汗)。
「最高の力を出すためには、その準備段階においてはマイナス思考でいることが重要です」とあるように、準備の段階では、まだ自分は完璧ではないと思って精進するべきなようです。そして「プラス思考に移行するのはいつか、それは競技が始まる直前です」。……この言葉には、元オリンピック・メダリストの田中さんならではの凄い説得力を感じました。
 そして「第2章 本番で力を出せる人になる「コーピング」の技術」の中の、「失敗を他人のせいにすると、他人を変えなければ物事がスムーズに進まない、つまり、成功できないことになります。」という言葉にも共感できました。本当に「他人のせい」で起こる失敗もあるとは思いますが(汗)、「他人のせい」にしても物事が解決するわけではありませんから。すべての物事を解決しなければならないという事はありませんが、失敗の原因となる問題のうち、自分で解決できるものがあるなら、それを解決していくべきなのだと思います。
 とは言うものの、この本の中では、「「逃げる」というと消極的なイメージでとらえられがちですが、必要性があるならストレス刺激から堂々と逃げていいし、それは賢い選択です。」とも言っていて、何もかもを自分一人で解決しろと迫ってくる感じもないので安心して読み進めることが出来ました(笑)。
 そして自信とやる気を自分で引き出す心理テクニックとして、「毎晩寝る前に「ありがとう」を5つ言う」、「他人をたくさんほめる」、「口角はいつでもあげておく」など、すぐに実行可能な方法をたくさん教えてもらえます。
 また「思い通りに実力を出せる自分になる身体アプローチ」では、「いつでも胸を張った姿勢でいる」、「心身を整える「ショルダーローテーション」」、「通勤電車内でできるバランスアップエクササイズ」など身体を整えることで心を整える簡単な方法が多数紹介されていました。
「体と心はつながっており、身体のバランスが悪くなると心のバランスも崩れてしまいます。逆に言えば、身体のバランスを改善すれば心のバランスもよくなるということ。」だそうですが、これ、本当にそうだと思います。まさに「健全な精神は健全な身体に宿る」ですよね。(もっともこの慣用句は、もともとは古代ローマ時代の風刺詩人で弁護士のユウェナリスさんの詩の一文で、「高望みせずに誘惑に打ち克つ勇敢な精神を持とう」という意図で書かれたものらしいですが……すみません、ちょっと脱線しました)。
 えーと、最後に、「第5章 「言葉のパワー」を取り込んで100%のパフォーマンスを実現する」から、田中さんのメッセージを紹介させていただきます。
「成功とは「自分のために自分がやりたいことをやっている」状態ではなく、「他人のために自分がやりたくないことをやっている」状態でもありません。「自分のやりたいことをやればやるほど他人のためになる」状態にあってこそ、常に意欲に満ちて前進し続けることができ、それを成功と呼べるのだと思います。」
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 田中さんの他の本、『「1日30秒」でできる 新しい自分の作り方』に関する記事もごらんください。
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 田中さんは、他にも『ストレスに負けない技術 (NJセレクト)』などの本を出しています。

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