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第1部 本

脳&心理&人工知能

イラストで学ぶ ディープラーニング(山下隆義)

『イラストで学ぶ ディープラーニング (KS情報科学専門書)』2016/2/23
山下 隆義 (著)


(感想)
 畳み込みニューラルネットワークなどの基礎的な手法や、CaffeやPylearn2などのディープラーニング関連の主要ツールを紹介してくれる本です。
「ディープラーニングをはじめて学びたい人を対象とした入門書」ということですが……数式だらけの内容で、一般の人向けではありません(汗)。「イラストで学ぶ」というタイトルから、簡単なイラストで平易に学べるのかと思ったのですが、イラストのほとんどは論文や専門書の説明に使われるレベルの図式でした。
 とは言っても、ニューラルネットワークの歴史や、ディープラーニング関連の学習方式がかなり総合的にまとめて解説してあるので、学生や研究者として、これから本気でディープラーニングを学びたい人にとっては、とても有益な入門書として活用できると思います。
 内容は以下の通りです。
第1章 序論(ディープラーニングとは/注目のきっかけ/なぜディープラーニングなのか/何がディープラーニングなのか)
第2章 ニューラルネットワーク(ニューラルネットワークの歴史/マカロック{ピッツの素子モデル/パーセプトロン/多層パーセプトロン/誤差逆伝播法/誤差関数と活性化関数/尤度関数/確率的勾配降下法/学習係数}
第3章 畳み込みニューラルネットワーク(畳み込みニューラルネットワークの構成/畳み込み層/プーリング層/全結合層/出力層/ネットワークの学習方法)
第4章 制約ボルツマンマシン(ホップフィールドネットワーク/ボルツマンマシン/制約ボルツマンマシン/コントラスティブ・ダイバージェンス/ディープ・ビリーフ・ネットワーク)
第5章 オートエンコーダ(オートエンコーダ/デノイジング・オートエンコーダ/スパース・オートエンコーダ/スタックド・オートエンコーダ/事前学習への利用)
第6章 汎化性能を向上させる方法(学習サンプル/前処理/活性化関数/ドロップアウト/ドロップコネクト)
第7章 ディープラーニングのツール(ディープラーニングの開発環境/Theano/Pylearn2/Caffe/DIGITS/Chainer/TensorFlow)
第8章 ディープラーニングの現在・未来(ディープラーニングの実用事例/ディープラーニングの先に)
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 第1章ではディープラーニングの概要と現状の紹介、第2~5章では、ディープラーニング関連の研究の歴史とさまざまな学習方法の原理の紹介、第6章では、前処理などの学習の性能を向上させるための技術紹介、そして第7章ではディープラーニング関連ツールの概要紹介、そして最後の第8章でディープラーニングの現在・未来を紹介するという構成になっています。
 学習方法の原理などについては、多数の数式でかなり専門的な内容まで解説されているのですが、「入門書」と言っている割には、第1章、第8章での事例紹介がかなり少ないように思いました。一般の人(初心者)が最も知りたいのは、ディープラーニングで何が出来るのか、今後はどんな分野でどのように発展していくと予想されるのかだと思うので、もっと多くの事例紹介をして欲しかったと思います(汗)。
 それでもこの本は、ディープラーニング関連の歴史や学習方式について、かなり総合的にまとめて解説してくれているので、学習者や研究者の参考資料として便利に活用できると思います。
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 別の作家の本ですが、『イラストで学ぶ 人工知能概論 (KS情報科学専門書)』、『イラストで学ぶ 機械学習 最小二乗法による識別モデル学習を中心に (KS情報科学専門書)』、『データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編 (Software Design plus)』、『初めてのディープラーニング --オープンソース"Caffe"による演習付き』など、人工知能関連のは多数あります。
 なお脳科学やIT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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