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第1部 本

脳&心理&人工知能

脳を鍛えるには運動しかない!(レイティ、他)

『脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方』2009/3
ジョン J. レイティ (著), エリック ヘイガーマン (著), John J. Ratey (原著), & 2 その他


(感想)
「運動と脳」の関係を神経科学の視点からとらえて、運動するとなぜ学習能力が上がるのか、また、それだけでなく、ストレス、不安、うつ、ADHD、依存症、ホルモン変化、加齢といった人間の生活・人生全般に影響を及ぼすのかを、じっくりと解き明かしてくれる本です。
 この本の第1章では、アメリカ・イリノイ州のとある学区で、朝の授業の前に「0時間体育(0時限)」の試みを始めたところ、参加する生徒が健康になっただけでなく、成績も上がったという事例が紹介されます。それも、0時間目の直後に受けた1時間目の教科の成績向上に顕著な効果が現れたのです。しかも、この運動は準備運動のような軽いものではなく、生徒の最大心拍数の80から90%のあいだで運動するハードなものだとか。朝っぱらからそんなことしたら、疲れちゃって勉強が頭に入らないのでは……と思ってしまいましたが、結果はまったく逆だったのです(汗)。
 どうやら脳を鍛えるためには、この「高強度の有酸素運動」をするということが大切なようで、週に5から6日、なんらかの有酸素運動を30分以上すると、体と脳の両方を鍛える効果がありそうです。
 実はこれ、私自身も実感しています。だいぶ前に軍隊式エクササイズの「ビリーズ・ブートキャンプ」が流行った時、DVDを買ってエクササイズして、もちろんへとへとに疲れたのですが(汗)、なによりショックだったのが、胸の前で腕を高速回転させる運動についていけなかったこと(涙)。高速で回しているうちに、どうしても両腕がぶつかってしまうのです。……こりゃ、なんとかせんとアカンと感じて、2か月ぐらい続けていると、ようやくDVDの動きについていけるようになったのですが、ふと気が付くと、なんだか頭の中までクリアになったのを感じていたのです! 腕の高速回転で神経が活性化されたのかもとすっかり嬉しくなって、今でも週一回は「ビリーズ・ブートキャンプ」を続けています。勝手に時間を短縮してはいますが……(汗)。この経験があったので、この本の「高強度の有酸素運動」が脳を鍛えるという話に、すごく納得できました。
 350ページ近くもある厚い本ですが、この本を読むと確実に運動がしたくなると思います(笑)。なにしろ「運動は体を健康にするだけでなく、脳も鍛えてくれる」ことをきちんと実験で明らかにしてくれるのですから。しかもその効用は、学習能力だけでなく、ストレス、不安、ADHD、依存症、ホルモン変化、加齢の他に、うつ病などの精神疾患にまで及ぶとか!
 現在、勉強ができないとか、ストレスに苦しめられているという方は、ぜひこの本を読んでみてください。運動の場合は、薬とは違って有害な副作用が少ないと思いますので、本当にお勧めです☆ 運動をすることで、食事がおいしくなり、よく眠れるようになって身体が健康になるのはもちろんのこと、脳の活性化や若返りにも期待できるなら……やらない手はないです!
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 レイティさんは、他にも『GO WILD 野生の体を取り戻せ! ―科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス』などの本を出しています。
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 別の作家の本ですが、『仕事に効く、脳を鍛える、スロージョギング』、『脳を最適化する ブレインフィットネス完全ガイド』、『使える脳の鍛え方 成功する学習の科学』など、脳の鍛え方を教えてくれる本は多数あります。
 なお脳科学やIT関連の本は変化のスピードが速いので、購入する場合は、対象の本が最新版であることを確認してください。

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