ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

ビジネス・経営

ビジョナリー・カンパニー

『ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則』
1995/9/26
ジム・コリンズ (著), ジェリー・I. ポラス (著), 山岡 洋一 (翻訳)


(感想)
 時代を超え際立った存在であり続ける企業(ビジョナリー・カンパニー)18社を選び出し、設立以来現在に至る歴史全体を徹底的に調査、ライバル企業と比較検討することで、永続の源泉が「基本理念」にあると解き明かしてくれる本です。
 ビジョナリー・カンパニーとは「ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与え続けてきた企業」だそうです。
 企業の使命としては株主への利益還元など特に求められますが、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として、1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業も、アメリカの経営者から尊敬を集めています。この本では、企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、お金では計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされます。
 ビジョナリー・カンパニーで大切なことは、「基本理念を維持し、進歩を促す具体的な仕組みを整えること」、「進歩を促すBHAG(社運を賭けた大胆な目標)」だそうです。
 すごく参考になったのは、「第7章 大量のものを試して、うまくいったものを残す」の中の「進歩を促すにあたって学ぶべき5つの教訓」でした。それは、
1)試してみよう、なるべく早く
2)誤りは必ずあることを認める
3)小さな一歩を踏み出す
4)社員に必要なだけの自由を与えよう
5)重要なのは仕組みである、着実に時を刻む時計をつくるべきだ
 の5つで、規律を守るとともに、失敗を恐れずに「自由に試す」風土づくりも大切なのだなと感じました。
 この本は、ビジョナリー・カンパニーの18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポートに基づく分析(比較対象企業との対比分析)によって、ビジョナリー・カンパニーが他の会社とどう違うのかを明らかにしているので、分析結果にすごく説得力があります。ただ……この本が出された1995年当時には、「ビジョナリー・カンパニー」だった会社のうち数社が、2016年現在では危機に陥っていたり、没落していたりして、栄枯盛衰を感じます。やはり「ビジョナリー・カンパニー」であり続けることは困難なのですね……(汗)。
 それでも、この本に価値がないわけではありません。少なくとも、この本が出された時には、これら18社が正しい戦略で「ビジョナリー・カンパニー」になっていたという事実がありますし、この後の『ビジョナリー・カンパニー3』で、その衰退の経緯がまた分析されることなるので、そのための基礎資料としても利用できるからです。
 このような大規模な調査に基づく企業分析は、なかなか出来るものではないので、企業経営に興味がある方は、ぜひ一度、読んでみてください。

ビジョナリー・カンパニー2

『ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則』2001/12/18
ジム・コリンズ (著), 山岡 洋一 (翻訳)

(感想)
 ベストセラー『ビジョナリーカンパニー』のコリンズさんが、その7年後(2001)年に書き下ろした、飛躍企業11社の成功の秘密を分析した本です。
 この本は、著者のコリンズさんがマッキンゼーの人から、「『ビジョナリー・カンパニー』は素晴らしい本だが、それらの会社は初めから偉大な企業だったので、役に立たない」と指摘されたことから、「良い企業は偉大な企業になれるのか。そしてどうすればなれるのか」という疑問を抱いたことが基礎になっているそうです。
 つまりこの本は、「普通の企業が偉大なビジョナリー・カンパニーになる道」について調べたもので、そういう意味では『ビジョナリーカンパニー』の前段階の話とも言えそうです。そのせいか、個人的には、この本の方が『ビジョナリーカンパニー』よりも参考になることが多いように感じました。
 ごく普通の会社だったジレット、フィリップ・モリスなどの11社が、世界有数の経営者に率いられた超一流企業にも勝るめざましい業績をあげるまでに変身した経緯などを、それぞれの業種で競合関係にある企業と詳細に比較・分析した結果、飛躍したこれらの企業には、次のようないくつかの共通した特徴があったそうです。
1)飛躍を導いた経営者には、第五水準のリーダーシップがあった(派手さやカリスマ性とは縁遠い地味で謙虚な人物である一方、勝利への確信を持ち続ける不屈の意思を備えている)。
2)飛躍を導いた経営者は、最初に優秀な人材を選び、その後に経営目標を定める。
3)飛躍を導いた経営者は、自社が世界一になれる部分はどこか、経済的原動力は何か、そして情熱を持って取り組めるものは何かを深く考え、必要とあればそれまでの中核事業を切り捨てる判断さえ下す(厳しい現実を直視する)。
4)飛躍を導いた経営者は、結果的に劇的な転換にみえる改革を、社内に規律を重視した文化を築きながら、じっくりと時間をかけて実行する。
 これらの特徴(飛躍の秘密)は、飛躍企業11社を綿密に調査した結果、明らかになってきたものなので、すごく説得力がありました。
 このような大規模な調査に基づく企業分析は、なかなか出来るものではないので、企業経営に興味がある方は、この本も、ぜひ読んでみてください。
   *   *   *
 コリンズさんの他の本、『ビジョナリーカンパニー3 衰退の五段階』、『ビジョナリーカンパニー4 自分の意志で偉大になる』に関する記事もごらんください。
   *    *    *
 コリンズさんは、他にも、「営利」「非営利」という範疇を超えて真に「偉大な組織」となる条件に関する『ビジョナリーカンパニー【特別編】』などの本を出しています。
   *    *    *
 別の作家の本ですが、『ビジョナリー・ピープル』は、徹底した分析により成功者の条件を明らかにした本です。また、『アントレプレナーの教科書[新装版]』、『[新版]ブルー・オーシャン戦略―――競争のない世界を創造する』など、企業を経営する上で参考になる本は多数あります。

Amazon商品リンク

興味のある方は、ここをクリックしてAmazonで実際の商品をご覧ください。(クリックすると商品ページが新しいウィンドウで開くので、Amazonの商品を検索・購入できます。)