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第1部 本

自己啓発・コミュニケーション

マンガでやさしくわかるアサーション

『マンガでやさしくわかるアサーション』2015/7/25
平木 典子 (著), 星井 博文 (その他), サノ マリナ (その他)


(感想)
「アサーション」というコミュニケーション技法を漫画で教えてくれる本です☆
 書店のビジネス書コーナーでこの本を初めて見た時、「アサーション」って何?と興味をそそられて手に取ってみました。最近は仕事や自己啓発に役に立つ漫画の本がたくさん発売されているので、ビジネス書コーナーに立ち寄ることが多くなったのですが(汗)、「アサーション」という言葉は初耳だったのです。
「アサーション」とは、「自分も相手も大切にする自己表現」のことで、「さわやかな自己主張」とも言うそうです。
 漫画の主人公は、地方エアラインで、キャビン・アテンダントとして働く出雲三江さん。頼まれたら嫌とは言えない性格が災いして、仕事もプライベートもうまくいかず、ストレスをためる毎日を送っています。忙しくても同僚に「仕事を手伝って」と頼むことも出来ずに、自分さえ我慢すればいいのだからと、自分のプライベートを犠牲にして頑張ってしまうのです。
 ……これは(かつての)私だ、と思いました。
 幸いなことに現在は、年を重ねたせいか、性格が図太くなってきて(汗)、「自己主張」できるようになりましたが、子どもの頃からずっと、周囲からは「おとなしい子」「いい子」と思われていたと思います。それは多分、誰からも嫌われたくない八方美人な性格だったから……。でも大人になるにつれ、仕事も増えて、「断らないではいられない」ほどになり、結果として「断れる」図太さが身につくようになり、全員から好かれる必要などない(嫌いな人からは嫌われてもいいや)と開き直るようになり……自然に、この本で言う「アサーション」的な態度が出来るようになったのです。
 ……と言うことで、実は、現在の自分にはこの本は必ずしも必要ではなかったのですが(汗)、「自分さえ我慢すれば、うまくいくのだから」と、かつての私のように、自己犠牲的な精神でストレスをためこんでいる人々には、とても役に立つ本だと思い、ここで紹介することにしました。
「アサーティブ」になるには、次の2ステップが必要だそうです。
 1)自分の気持ちを確かめる(伝えた方が自分も相手も大切にしているか判断する)
 2)伝えることにした時は、なるべく正直に素直に言葉にする
「アサーティブ」は単純に「自己主張する」だけではありません。ここに書いてある「自分の気持ちを確かめる」と言うのは、「自己主張するかどうかも、自分で決める」ことを含みます。例えば、仕事が忙しい時に追加の仕事を頼まれた時に、それを断るかどうかについては「断る方がよりストレスを感じる」ならば、「断らない」という選択肢を選んでもいいのです。その上で、やはり「断る」ことを選んだ時には、それを「なるべく正直に素直に言葉にする」のです。
 でもいつも「いい子(頼みやすい子)」でいた人が、急に「アサーティブ」になるのは、結構、難しいことです。無理に「自己主張」しようと思うと、顔がこわばって笑顔が消えてしまったり、攻撃的な口調になってしまったりして、周囲の人を戸惑わせてしまいます。だから「アサーティブ」になろうと決意したら、「笑顔を心がけて冷静に話す」努力もしましょう。
 また、どんな言い方をして「アサーション」したらいいのだろうと迷ったら、この本で紹介されているDESC法(D:描写する、E:表現する、S:特定の提案をする、C:選択肢を示す)を使ってみると良いようです。例えば、予定時間をオーバーしている時には、「D:予定の時間を15分オーバーしていますね」「E:みなさんも次の予定があるのではないでしょうか、実は私は次の予定があって、あと10分で出なければなりません」「S:いったんここまでをまとめて次の打ち合わせの日程を決めませんか?」(ここで他の人が「もう少し会議を続けたいです」と答えると、)「C:では私だけ先に失礼してよろしいですか?」のように話す表現方法です。
 このようなアサーティブのスキルは、ゴルフやピアノのように学習し訓練して初めて身につくそうです。最初はうまくいかなくても、うまくいかなくて当然なのだと考えて、いろいろ試してみるといいと思います。
 ところで私の場合は、人生経験を経て図太くなった(年を取った)ことで、自然にアサーティブになってきて仕事などが楽になったのですが(笑)、なぜか困ったことも起こるようになりました。それは「悩みを相談される」ようになったこと(汗)。この漫画の中でも出雲さんが後輩に相談されるようになるのですが、もしかすると「アサーティブ」になると、これは避けられないのかも(汗)。
 そんな時、忙しいからと言って相談を断ることも出来ると思いますが、相談に応じると決めたときでも、相談者の「悩みを引き受ける」必要はありません。「悩み」は本来、その人のもので、その人自身で解決しなければ、結局、その人のためになりません。「共感的に悩みを聞いてあげる」「自分の経験や知識で出来る範囲で助言してあげる」ことを心がけないと、自分のストレスが溜まりまくります(汗……実感です)。他人の「悩みを聞いた」後は、その人の悩みの解決(軽減)に役に立つような本を探して紹介してあげると良いかもしれません。「気が弱くて断れない」悩みには、この「アサーション」の本などが適していると思います(笑)。
 この本には、ここで紹介した他にも、心に響く言葉がたくさん書いてあります。しかも漫画なので、とても読みやすいと思います。ぜひ一度、読んでみてください。
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 平木さんの他の本、『よくわかるアサーション 自分の気持ちの伝え方』に関する記事もごらんください。
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 別の作家の本ですが、『マンガでやさしくわかるアドラー心理学 人間関係編』、『まんがでわかる D・カーネギーの「人を動かす」「道は開ける」』、『マンガでわかる 引き寄せの法則』、『マンガでわかる 引き寄せの法則』、『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』など、自己啓発に役立つ漫画の本は、多数あります。

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