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第1部 本

描画参考資料

世界の名建築解剖図鑑

『世界の名建築解剖図鑑』2013/8/12
オーウェン ホプキンス (著), Owen Hopkins (原著), 伏見 唯 (翻訳), & 2 その他


(感想)
 有名な建築物について、部分を構成するものの名称を解説してくれる本です。
 建築物の写真が豊富なので、例えば、クライスラービルの天辺の尖塔が「ニードルスパイア」で、その下のV字形の反復模様が「シェブロン」と呼ばれていることなどが具体的に分かります。
 主に西洋建築についての解説ですが、時代は古代ギリシャから今日に至るまでの建築物について、壁の下塗りや屋根の構造、柱の種類や装飾的なモールディングに至るまで写真やイラストを用いた解説があります。
 本の構成は、「第一章 建築の種類」で、古典的な神殿から高層建築までを概観し、続いて「第二章 建築の構造」で、柱やアーチ、近代的構造(コンクリート、鉄骨)などの建築の構造を解説、最後の「第三章 建築の細部」では、壁と仕上げ、窓と扉、屋根、階段とリフトなどの細部に関する名称を解説している、という内容の他、巻末に用語集も付属しています。
 要するに建築を理解するためのビジュアルガイドなのですが、写真やイラストで解説されているので、小説の場面に必要な背景をイメージする時や、実際にイラストを描くときにも参考になると思います。例えば小説を書く時など、「彼女の白い頬に色鮮やかなステンドグラス窓から差し込む光が散らばっていた。」という情景を描くのに、「彼女の白い頬に薔薇窓から差し込む光が散らばっていた。」という表現が使えるようになるのです。
 またイラストを描く場合も、実際の建築物の写真を参考にできます。ただしこの本は、イラストよりも写真が多用されているので、細かい部分が分かりにくいという側面がありますが、石材や煉瓦の質感などは、イラストよりも直感的に分かりやすいのではないかと思います。
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 解剖図鑑シリーズの他の本、『建築デザインの解剖図鑑』、『お店の解剖図鑑』、『名所・旧跡の解剖図鑑』、『日本の名城解剖図鑑』、『文房具の解剖図鑑』、『住まいの解剖図鑑』、『片づけの解剖図鑑』、『家づくり解剖図鑑』に関する記事もごらんください。
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 別の作家の本ですが、名建築の写真集には、『世界の名建築』、『日本が世界に誇る 名作モダン建築』など、いろいろあります。
 また背景資料集にも、『背景ビジュアル資料〈8〉奇観建築・王宮・産業遺産・廃墟 単行本』、『ビジュアル資料 明治・大正・昭和 西洋館&異人館』、『背景ビジュアル資料〈10〉会社・オフィス街・高層ビル群』、『新背景カタログ カラー版〈1〉都心編―東京・銀座・有楽町・六本木・東京タワー・表参道・恵比寿・代官山・ゆりかもめ』など多数ある他、階段など、個別のテーマに着目した写真集『いい階段の写真集』、『いいビルの写真集 WEST』などもあります。

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