ちょき☆ぱたん お気に入り紹介 (chokipatan.com)

第1部 本

しかけ絵本(日本の作家)

三国志 燕虎物語

『三国志 燕虎物語』2010/11
畠 智慧 (著)


(感想)
 物語『三国志』を題材にした、本当に見応えのある、しかけ絵本です。ページを開くたびに、圧倒的な迫力でしかけが次々立ち上がってきます。ひねり立ちするような、しかけの動きも滑らかで、特に、馬の、もの凄い存在感ときたら……! これらの大迫力しかけは、あのサブダさんやラインハートさんにも負けていないと思います☆ 紙も丈夫な質の良いものを使用しています。
 ただ……サブダさんたちは物量の威力で圧倒してくるので、それに慣れてしまった人には、この絵本に、ちょっと物足りなさを感じる方もいるかもしれません。なにしろサブダさんたちの絵本は、ページの両脇に小さなしかけ絵本がついていて、全体としてのしかけ量が、通常のしかけ絵本の二倍から三倍は軽くありますから……。それをどうしてあの低価格で提供できるのか、その方がむしろ謎です。やっぱり「英語」だと世界中に販路があるので、大量販売の良い循環に乗れるからなのでしょうか?
 それでもこの本は、両脇の小さいしかけ絵本がついてない分、むしろ大きなしかけに集中できるという利点を逆に生かして、大きなしかけが次から次に、どーん、どーんと出て来る爽快感、活力に満ち溢れています。おおしま国際手づくり絵本コンクールで、最優秀賞を受賞した2009年の作品です。

・1~2ページ目:満開の桃の下で、劉備、関羽、張飛の義兄弟の誓い。
・3~4ページ目:疾駆する馬上で戦う張飛。ページの開閉で大きく動く馬と武器の迫力が凄い。
・5~6ページ目:旅立つ劉備と関羽を城の上から見送る張飛。大きく飛び出す徐州城が見事。
・7~8ページ目:部下に裏切られ城から逃げ出す張飛。酔って眠る張飛のしかけ。左右に大きく開くしかけ(3+3ページ)。真ん中から右へ、右から左へ物語時間が進みます。
・9~10ページ目:劉備、関羽、張飛の再開。張飛の謝罪。
・11~12ページ目:新たな城での関羽と張飛の生活。
・13~14ページ目:敵襲に奮い立つ張飛。
・11~12ページ目:長板橋大渇。五虎将軍、張飛の面目躍如! ざわめく林、渦巻く水面、逃げ惑う馬上の敵に立ち向かう張飛。迫力の大しかけです。
   *   *   *
 畠 智慧さんのしかけ絵本は、残念ながら今のところこの本だけのようです。
 なお、三国志の概要を知りたい方には、『一冊でわかるイラストでわかる図解三国志』、『史上最強カラー図解 三国志のすべてがわかる本』など、さまざまな本が出版されています。
 また三国志には、有名な吉川英治による小説版と、横山光輝による漫画版がありますが、吉川英治の『三国志』には、Kindle版があり、横山光輝の漫画には、『三国志全30巻漫画文庫 (潮漫画文庫)』などの全巻セットがあります。

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